継ぎ目

聞き流せばいいことなのに、たまたま知ってると調子に乗って間違いを指摘したくて仕方なくなるようなことがあります。
そういう時はたいていみっともない結果を招くだけなので、黙ってた方がいいと思うんです。
でも書いちゃうそういうの・・

よく、テレビやネット上で電気柵を指して「高圧電流が流れる」みたいな表現を見ます。
先ほどもあるニュースの見出しでそれを見た。
電流は回路が形成された時に印加電圧と回路のインピーダンスに応じて流れるものなので、この場合「電流が流れる」は間違いだ。
そもそも高圧電流という言葉自体がおかしい。漫画の世界みたいだ。
書くなら柵と大地(だいちじゃなくてたいち・・アースでいいか・・)の間に高電圧が印加されている・・くらいでいいと思う。
一般の人が間違ったって何も問題ないし微笑ましいくらいなわけですが、新聞に書いてあるとするとこれはかなり違和感を感じる。

時々電車(のパンタグラフ)が架線の継ぎ目であるエアセクション上に停車して架線やパンタグラフを溶断させるという事故が起きます。
昔見たある新聞の見出しに「熱に弱い新幹線」みたいなのがあった・・・
確かに溶断の原因はアークの熱ですが・・でもそれは事故の過程のごくごく一部なのであって、事故の発生原因はもっと別なところから考えなければならない。
問題点は熱に弱いところだ・・とも読めるこの見出しにはかなり違和感がある。
訳の分からない人間が説明を理解もできないまま、とりあえず受けた印象をスケッチのように書いてしまったような・・・
新聞の見出しとしてはかなり稚拙な表現であると思った。
一般人がブログに書いているのならそれでいいと思う。
新聞はブログレベルなのか?
記者自体はいちいちいろいろなことの専門知識をつけてなんていられないだろう。
だったら専門家に文書をチェックしてもらうくらいすべきで・・多分やっていないんだろうそんなこと。
上司みたいなこの記事を承認した人間もこれでいいと思ったんだろうか?

新聞などは何かあるとすぐに鬼の首を取ったように「ずさんな管理・・」と書き立てますよね。
でも自分のところの記事管理も相当ずさんなのではないか?

偉そうに書いたけど私の人生管理のほうが相当ずさんです。
ごめんなさい。
マラ7の唐突な音楽的継ぎ目の話でも・・・

マーラーの交響曲第7番

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これでこの曲作曲したんじゃないかと・・違うかも

マラ7を初めて聴いたのが大学に入って最初の夏休みだった。
アルバイトをしていて帰ってくると聞いた。
遊ぶ金がほしかったんじゃなくて電子ピアノを買おうとしていたんだった。
今若い子がそんなことをしているのをみたら「そんなこと湿ってようなことをやってないで今しかできないことをやれよ」なんていうかも・・・

最初にいい意味で衝撃を受けたのはここ。

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ロンド形式でAからBに移行する部分ですが、ど派手な玄関で立ち話をしていたんだけど、まあ上がってと言われて中へ入るような場面のようで・・
いやちがうな、主人が目で合図をすると一瞬で全然違う部屋の中にいるんだよ魔法みたいに

ここでハ長調の派手な伸ばしから変イ長調の柔らかい響きへ、ブリッジもへったくれもなく唐突に切り替わる・・
Cの音だけは繋がっているけど、えっ!?なに?・・みたいな驚きが来ます。あっ魔法だこれと思った。
こんなのはこの曲より前にはなかったんじゃないか・・
たくさんあったりして・・
よく見ると2つの和音は八分音符一つ被っていて、異常なほど唐突な切り替えを狙っています。
急に別世界に連れていかれる・・・
かなり挑戦的にやってますよねこれ・・・
こういうアイディアは誰でも思いつくことだけど、作品にもって世間に問うというかステージにのせちゃえるのはこの人だからという感じですよね。

この場面は重要というか名場面というか、作者も気に入っていたのか、曲の最終場面で再現されます。
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ハ長調の音楽が最終和音に飛び込むかというところで金管がにまさかの変イ長調主和音が出てきてフェードアウト・・
えっ?てとこにハ長調主和音がおしまい!という感じでたたむ。

いいよねーこれー

ここを、あそこの再現だと気付かずに聴いていると、なんか変な終結だな・・ということになってしまうと思う。
昔ネット上でそんな感じのことを叫んでいる人がいた。

バーンスタインのCDはこの金管の音が消えたところからクレッシェンドしてきてハ長調和音につないでいる。
昔は同じユダヤ人でマーラーになりきってる・・みたいに絶賛されていたあの人だけど・・
あれは自分の好みなのかな?曲に不慣れな聴衆に受け入れやすいようにしてあげようという工夫なのかな?
なんであれ、あの人のかなり積極的な演奏解釈にはたまに拒否感を感じてしまうことがあります。
でもいいよねそれで、いろいろあって色々楽しめた方がいいんだよきっと。





闇の仕掛け

週開けてみたら、急に仕事が忙しくなっていました。ありがたいことです。
体調は薬を飲んでいるんですが、どうも悪化傾向で・・
また病院行かなくちゃならないかな・・

ヒグラシが鳴いていました。
もうすぐ夏ですね。
セミってヨーロッパにもいるのかな。
鳥はあんなに出てくるのに、セミは音楽に出てこないですよね。

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マラ7のスケルツォが影のダンスみたいで面白いわけですが、随所にその仕掛けがあります。
一度に書ききれないので思い付きで・・

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とりあえず始まってすぐのこのクラリネットの異常な下降指示なんかはお化け屋敷かって感じですね。
これは意識していればよく聞こえます。
ここせっかくですからコントラバスのピッチカートもちゃんと聞きたいですよね。


とりあえずとくに有名なこれから・・
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オーボエにffffとか出てきちゃってるその先は
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バシッ!

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これですよ。
バルトーク以降の作曲家のスコアで弦楽器に地図記号の果樹園みたいなマークがあったらバルトークピッチカートと言って絃を異常に引っ張って指板にぶつける奏法の指示です。
バルトークの名前を持っていて彼が考案したみたいですが、その前からやってる人がいるんですね・・ここに。

下のほうにある注意書きはそれを書いてあるんでしょう。
fffffてのが楽譜の風景的に衝撃的で笑えます。
音量を示しているんじゃなくて異常な奏法を要求しているという事ですよね。

前出の類似個所は

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ティンパニのfffです。
ここもティンパニが尋常でない音でたたいてくれます。
この楽章はティンパニが怪しく語る場面がたくさんあるんですよね・・
その手前、テューバの下降ポルタメントも面白い・・結構難しいらしいですよ・・
私はもちろんできませんよ。
その先、低域のフルート4本重ねとか、ファゴットが3オクターブでffとか闇夜の演出が面白すぎです。
素晴らしいのはその先の弦の下降するピッチカートですね。

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複数の影たちが何か言ってるんですよ。
影が語りだしてるんです・・
もうすぐ踊りだすでしょう。

2重テンポ マラ7

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局所的2重テンポがマ-ラ-の交響曲第7番にも出てきます。
第3楽章スケルツォ。
この楽章は夜のスケルツォですね。夜ですが、ノクターンみたいな静かで美しい夜ではなくて暗闇の怪しさというか・・
闇が語りだし、影が踊りだす・・みたいな音楽でまた各所にネタ満載です。
でもみんなここに書いちゃうとネタが終わっちゃうのでそれはまたということで・・
マーラーのスケルツォはみんな個性的で魅力的ですが、私はこのスケルツォも大好きなんですよね。
その終わり近くに

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木管に極端に加速しろという指示(次の小節にa tempo)。
ヴァイオリンとヴィオラにあるTempo weiterは同じテンポで続ける?・・・
ワルツのテンポは維持しながら木管に出てくる音型は怪しく走り去るというか・・
面白いですよねこれ。

1小節の一言で短いため、聴いていて意外に気付きにくいとも思う。
フルートとピッコロがただ早い音符でなんか言っただけに聞こえる演奏も多い・・
普通に始まってんのに先に終わっちゃうとか、なんかこう異常な指示があったら異常なことがわかりやすいように聞かせてくれると嬉しいなぁ・・

ここで思うのは、やりたければこうやって細かく指示を書くんだなということで・・・
第3交響曲のスケルツォで鳥の声がメインテンポに追従しない・・みたいなのは面白いんですが、指示は書いてななぁ・・と
書いてないことはやらなくていいというかやっちゃいけないのか、そんなの書いて無くたって感じた通りにやればいいんだよということなのか・・

私なんかは両方聴いてどっちも好きですとか言ってればいいだけなんですけどね。



この曲フルート4本のうち一人がピッコロ持ち替えなんじゃなくてピッコロ要員もいて5人なんですね。でっかい編成・・と思わせてホルンは4だしトランペットもトロンボーンも3かぁ・・
最初に出来上がった第2、4楽章がNachtmusikでそ子から始めた曲だからか、間に挟まるこのスケルツォも夜のスケルツォですね。
第1楽章も月明りの下でいろんな音を聴いたり大騒ぎしたりしているような音楽だと思う。
とはいえ、この交響曲全体を「夜の歌」と考えるのは間違えだし訳が分からなくなるもとだと思う。
ハ長調の5楽章は確かに真昼の音楽みたいだけどそこに注目して夜→昼なんてとらえたりするとえらく陳腐な曲に見えてしまいます。巨人や復活みたいに聴く曲じゃない。
5番と同じ系統だと思う。
マーラーのある面での代表作だと思います。
最新の革新的で挑戦的な発想と技法をユニークな音楽にのせて高性能オーケストラとすごい指揮者でお届けします。
お楽しみください。みたいな・・
毎回同じようなこと書いてるかな年取ってきたのかな。
あの頃の自分に向けていってるのかな。
この曲を聴いたのは10曲の交響曲中最後でした。
事前に本などから入っていたこの曲への悪評に影響されていたと思う。

全然違うところに住んでいましたがなぜか町田へ電車で行き、商店街の中にあったレコード店で買った記憶があります。
東急ハンズというのに行ってみたかったんだと思う。
あの頃はどんな知らない街に行っても商店街を歩いて見るとレコード屋があって、クラシックのCDがそこそこ買えた。
商店街ではいろんな店が賑やかに人を呼んでいたような記憶が・・
最近ここだったのかなというところを歩いてみたけどもうレコード屋はなかった・・にぎやかさもなく、記憶と違いすぎるのでいろいろ調べてしまったけどやっぱりあの道だったんだと思う。
25年位前になるのか・・

買ってきて聴いてみたものの・・
冒頭から変な響きのわけわからない音楽に萎えた・・
テノールホルンの変な音色に萎えた。
ギターが出てくるというから過剰に期待していたところ単音がポンポン言ってるのを聴いて萎えた。
フィナーレ冒頭のティンパニソロを聴いて幼稚園の鼓笛隊みたいだと思い萎えた。

今思うとそう感じたのは曲のせいだけでなく、演奏の問題もあったと思う。
何度も聴いているといろいろ見えてきて部分的には気に入ったけど、
からっと全曲入っててきたのはショルティー・シカゴ響の録音を聴いたときでした。。
どうにも好きになれず聞く気もしないが好きになってみたいという曲はショルティのぶっきらぼうすぎるような演奏を聴いてみると良い結果につながった・・というのが何度かあります。

このスケルツォだけは最初から気に入ってよく聞いていた記憶があります。

この曲も無償に聴きたくて仕方がなくなる時期と、全く聞いても入ってこない時期が極端に交代します。
今はあまり聴いてない時期・・

マーラー 交響曲第7番のヴァイオリン 他

とりあえず、前項の続きというか逆でマーラーの7番1楽章

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ソロが始まったと思ったらトゥッティになっちゃって的な。

マーラーの7番て30年くらい前は駄作扱いされてませんでしたっけ?
最近はそんなこといってると逆にわかってねーなくらい言われちゃいそうな感じですかね?

マーラーのある面がとてもよく出た面白い曲だと思うんですよね。深刻なテーマを深刻に聴くんじゃなくて、マーラーのユニークですごい作曲技法とオーケストレーションを楽しんでください的な感じでいいんじゃないのかな。。
こんなこと言うと怒る人もいそうですが、5番もその系でしょ。
ベートーベン以来の苦悩から勝利へみたいな解釈をいまだによく見るけど、あれそのパロディですよね。
古参のファンは怒るでしょうね・・こんなこと言ってるの見ると。。
HMVのCDのレビュー欄で他人の感想に向かって「そんなこともわからないのか情けない!」なんて吠えてるような人。。
脱線しすぎ?

作曲本人もこの曲気に入ってたみたい。
「夜の歌」という名前にだまされたり、他の曲の延長みたいに深刻なテーマが聴けなきゃおかしいと考えるから訳が分からなく聴こえるんじゃないかな?

ただ自分も最初は何だかわからない気持ち悪さに襲われてました。
今は結構好き。

もうちょっとなんか書きたいので
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冒頭ですけど、いきなり低域のフルート4本とか不気味感がいいですよね。。
私は暗い夜、風に柳の葉が揺れる・・みたいなイメージがあります。お堀のそばで・・・・なんで和風なんだろ?

ここ、バロックみたいに32分音符とか64分音符が出てくるので、弦楽器がトレモロじゃなくて数を正確に刻む・・・とかあるんですよね。
ショルティーのをよく聴くんですけど、大太鼓も弦に合わせて数を刻んでます。。でも楽譜はトレモロなんですね。
このtr~~てふつうはトリルですけど、やっぱ打楽器のときはトレモロの略のtrなのかな? なんとなくこれもトリルかと思ってましたんですけど。

ここね、このバスドラ結構低い音でドドドドドっていうんですよね。
昔某所でこの盤をさして、冒頭から低音が割れてる!くそ録音だ!みたいに発言してる人がいました。
それ、あなたの再生装置がチープなだけですよ・・・とは言えなかった・・・