箱根宮ノ下

来週、出張が決まった。
元々旅行好きだったのだけど、事情を抱えてもう何年か家を開けたことがない。
いつまでも無理とは言えないし、心配しても解決しない、なんとかなるだろう。
仕事としてはきちっとものにしたいと思うけど、最近気分が低迷気味だったので会社には申し訳ないけど気分転換のつもりで行ってやろうと思う。
偉い人同行でなければ終わった後とんでもない方まで足を延ばして、全然外れたルートのローカル列車を乗り継いで帰ってきたいところだけど・・

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何年か前、あじさい電車とか言って見に行ったら紫陽花まだ咲いてなかった・・

箱根宮ノ下。富士屋ホテルとかジョンレノンの写真が飾ってある写真館とか・・
この辺りに住んでいるわけではありませんが、この前を通ることがよくあります。
最近はいかないけどふらっといって時期がよければぶらぶら歩いてみてもいい感じのところですね。
人の沢山いるところより、裏の方の蚊がいっぱいいるようなルートが気持ちいいです。
元鉄道マニアなので登山鉄道の80 ‰を見て喜ぶとかいうのも・・

で、プロコフィエフがロシアからどこかへ亡命する際日本を経由したんですが、船便がないとか何とかで半年くらい足止めを食らったらしいんですよね。1918年、大正7年だそうです。
その時の日記が何故かネット上で読めて箱根宮ノ下に来たようなことがありました。
とても美しいところだと言っていたと思う。
ここで誰か作曲の注文をくれた主をフォローしたかったようなことも書いてあった・・会えなかったんだっけ?
ここをプロコフィエフが歩いたのかもなとか思いながら自分も歩いてみたり・・・別に何にも出てきませんが・・
あの日記は面白いです。
日本人のことをまじめで礼儀正しいとほめた後、本音を腹の中に隠してずるがしこいみたいなことも言ってた。
コンサートの報酬が安すぎるとか作曲の報酬をふっかけてやったみたいなこととか・・
日本の聴衆は不協和音に驚かない・それは・もともと(忘れちゃたけど自然のありのままをとらえる日本人的感覚を指していたと思う)そういうものを聴いてきたからだろう・・というのもあった。
これは興味深い。
どこかで接待を受けて両側に芸者がついた。とても楽しかった。
みたいなのもあった。

ピアノ協奏曲第3番は1921年の完成だそうですので日本に滞在した後のものですね。
昔は3楽章に越後獅子というのが使われていると解説に書いてあったのですが、最近はそんなの間違いだろということになっているようです。実際聴いていてもそんなところはありません。

で第1楽章を聴いていて
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このあたりに日本の音楽というか光景というか・・感じるんですよね。



あっという間に終わっちゃいますけどね。
赤い鳥居?お祭り?歌舞伎?芸者?何だろうこれ・聴いたことあるでしょう?この感じ・・
私たちは、賛美歌を歌って育ったヨーロッパ人の不協和音への驚き体感することはできないのかもしれません。
でもこの音楽の中に隠されている日本を感じることができるのは私たちだけの特権だったりしないのかな?

ほんの一部すぎ

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これほたるです。
たくさん光って飛んでいたので写真をなんて思いスマホを取って戻ってきたら、みんな光るのをやめてしまった。
次の日に見に行ったら一つの光も見えなかった・・
あ・・・・
次の日・・また無邪気に光って飛んで見せてくれた。


私クラシック音楽が好きで30年くらい聴いてきましたが、聴いている曲の大半は10代のころに覚えたものなんですよね。
どの曲について書こうとしても「この曲を初めて聴いたのは中学生の・・・」。
いろんな曲を聴いて知って色々聴きつくしてやるんだ・・みたいなイメージが何となくあったんですが、実際は結構有名な曲も未聴なまま・
中高生の俺は訳もわからないのに貪欲にいろんな音楽を知りたがったんだな・・その後の俺は何やってんだ。

ブログを見に行かせていただくと聴いたとないけど聴いてみたいと思うような曲のYouTubeを貼ってくださっている方がいてしばし聞き込んだりしています。
知らない曲を聴いてみようと思う力がかなり弱っているので思いがけず出会う音楽はありがたいし楽しみです。
コメントでいろいろ教えていただけるのも楽しいです。
一回きりの人生、知って面白いとか楽しいとか思ったことの積み重ねですので豊かになると思います。


中高生のころにビデオに録って何回も聴いた曲が何曲かあります。
あまりにも聞きすぎてそれが頭の中に固着してしまい・・どの部分で何が写っていて奏者がどんな表情をしていたのか、弓がどう動いていたか・・鍵盤のどの位置に手があったか・・みたいなのが今でも出てくる。
CDを買っても頭にあるそれとの違いが気になってしまい、同じような演奏を探してしまう。
同じ演奏者のCDを見つけてもあの時と違う・・
というのに苦しんだこともありました。
色々な演奏を受け入れて聴けるようになったのは本当いつい最近。


そんな1曲のなかにプロコフィエフのバイオリン協奏曲第2番ト短調があります。
よくまとまった2番よりも1番のが好きだ・・とか言って通ぶりたいところですが2番のが好きです。
みたのはN響アワーで独奏はチョー・リャンリン、指揮はデイヴィッド・アサートン。
これが特別な名演だったとかいうんじゃなくて何もないところに刷り込まれて固着してしまったんだと思う・・いや、名演だったかも。
この曲のあらゆるところが好きですが、例えば二楽章の後半
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このあたりを聴きながら萌えていた覚えが・・
悪魔の歌のように始まりグロテスクな部分も多いこの曲の中で、汚れを知らない子供の心のような音楽・・これまで変奏されてきた要素が皆出てきてコラージュみたいに重ねられている・・そこに独奏ヴァイオリンが(書いてあるけど)即興的に絡んで歌う・・・

ヴィオラのピッチカートとクラリネットが重なる伴奏音型にはちみつとレモンみたいなイメージがあります。

独奏ヴァイオリンはすごく高い音域でやさしく小さく歌い始めるんですが、熱く叫んだり、色々やりながらG線にまで降りてきて深く太く歌いこんだり・・
見ると特に表情の指示は書いてないんですね。
独奏者、あなたの心で歌ってくれ・・みたいな。
書いてなのに勝手に歌わないで!・・みたいなのありますよね・・・ここでそんな解釈したらダメだけど
ここでグッとくる演奏をしてほしいな・・心は人それぞれだもんね、自分の心と合わないとあれーなんて思っちゃうんだよな・・

聴いているとこの音楽はクラシック以外のジャンルの影響を受けているような印象を受けます・・他のジャンルを聴かないのでなんかいいようもないんだけど・・
ロシアの作曲家たちが革命後欧米に亡命して映画音楽文化みたいなのを作ったとどっかで読んだこともあるし、順番が逆かもしれない・・



昨日は別な曲を聴いていたんですが、プロコフィエフという作曲家も面白いですよね・・多作家みたいだけど、なにやってんだこれ?みたいな中に泣きたくなるような音楽がぽっと出てきたりして・・
日本に来たこともあるらしい・・どこかで読んだ日記が本音だらけで面白かったような・・
まだ聞けてない曲がたくさんあるんだよな・・聴けるかな。

ついでに
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プロコフィエフのスコアは、移調楽器がすべて in Cで書いてあるんですよね。
楽器の配置も音高順なのでトランペットがホルンの上に書いてある。
かえって見にくいような・・・
in Cは私のような素人が面白半分で眺めるのにはいいですが・・・
伝統や他人の都合より書いていく自分の都合優先で押し通そうとしたみたいですが、
普及しなかったんでしょう?
普通の作曲家がやったら馬鹿にされそうだもんね。
これを堂々とやれるところもこの人のすごいところなんじゃないでしょうか・・