ルフトパウゼ マラ4

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マーラーの交響曲第2番には ’ がSF的ともいえる効果を狙って存在していたわけですが・・・
これは交響曲第4番の第3楽章。
この曲は終楽章が「天上の生活」天国こんなとこみたいな歌なわけですが、
手前の第3楽章は終盤で天国への扉が開かれるかのようなシーンを持っています。
という事はその手前はまだ人間界の音楽のような気がするんですよね・・
人間の世界の優しさ、悲しみ、苦しさ、楽しさ・・みたいなものがいろいろと・・
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冒頭からずっと低弦で歌われ、最後にティンパニが両手でたたいたりするこの音型は、人々の歩みを示していると私は感じます。
その上に乗ってこの優しさを秘めた美しい音楽はなんだ・・ここで ’ が出てきます。
ここでふっと止めるというか空白を見せてくれる演奏とそのまま行っちゃう感じの演奏があります。
前者がいいなぁ・・・優しく大事に大事に語ってくれているみたいで・・・
後者だとちょっと悲しい・・

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自筆草稿を見てみるとまだ書いてないですね・・
書いてないだけじゃなくてチェロの伸ばしなんかタイでずっとつながっちゃってるんだからまだ ' の発想はないんですね。

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その先のここもいいよなぁ・・
雪景色、夕暮れ、遠くには小さな家の明かり・・中には幸せな家族の愛があるんだろう・・日はさらに暮れていく・・あの明かりの中で歩みは止まることはない・・

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自筆草稿・・書いてないですね・・
決定稿はずっと第1第2ヴァイオリンでオクターブを分担して歌ってきたのがこの辺りで第1ヴァイオリンの分奏でオクターブを受け持つように変わります。
まだそれもやってないのかな・・
ハープも後から追加なんだ・・ここハープいいよねぇ・・

ここでのルフトパウゼというかブレスというかこれは泣かせるよねぇ・・

名人芸 

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マーラーのスコアを見ていると ’ が打ってあってルフトパウゼが指示されているのをよく見ます。
指揮者だったマーラーならではだなという気もします。他の人の曲でもふっという間を効果的に入れて聴衆をあっと言わせてたんでしょうね・・

交響曲第2番の第1楽章
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展開部の頭で非常にわかりやすい感じに奈落の底みたいなところへ落ちていくんですが・・

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泥の中から這い上がるように重い足取りでまた歩き始めます。だんだん勢いもついて、

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復活のテーマが出てきてなんかこう「よーし頑張るぞー」くらいまで言えるところまで来ました。

そしてその勢いに乗って何か結論を言おうとしたら・・・

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突然場面は戦乱の真っただ中なかみたいになっちゃってそのなかへ放り出されるわけですよね。
なんか飛んでくるし、降ってくるし・・
頑張ると言ったな?・・じゃぁやってみろ・・、みたいな
ここで、
短い間に ’ が3回出てくるんですね。
最初の突然戦乱の世界に放り出されるところは矢印とがごちゃごちゃ文字とかものすごいことになってますね。

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自筆譜ですでにこの指示明確化していました。
ものすごく粘って・・・ふっと間をおいて・・・突然突進する!だそうです。
いいですねー何とかしてここを劇的なものにしたい作者の気持ちが文字になってあふれちゃている感が・・

どちらかというとこの木管が三連符で降りてきたところの ’ のほうが衝撃的ですよね。
ものすごい勢いでなんか落ちてきているのに着弾寸前に全楽器が一瞬止まる・・・
目の前で起きていたことが急に映像の一時停止みたいにピタッと止まったらものすごくびっくりします。そんな映画があった気がしますがあれみたいですね。
こういうの一歩間違えると陳腐な印象になっちゃうけど、ここはすごいということで喜んでたいなぁ・・

さらに同じことがもう一回繰り返されるんですが、ここも同じように間を取っちゃうと個人的にはシラケるんですよね。
受けちゃたからまたやっちゃったみたいな・・・
次はさらっと進んじゃうくらいが好きです。
YouTubeを見るといろいろありますが、この間って難しいですね。思い切り開けると緊張がゆるんじゃうし、やってんだかやってんだかわかんないんじゃ効果がないし・・指揮者の名人芸的な部分なんじゃないかなぁ・・・
昔聴いててびっくりしたのがあったんだけどどれだったんだろ?
聴きすぎて慣れちゃったのかな・・

この修羅場的な音楽が第5楽章で再現されるんですが、
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ここはルフトパウゼなしで進みます。
ティンパニを3人でたたいていて見せ場・・
ここのティンパニ、楽譜的にはすごい感じですが、聴いてても見ててもなんかあんまり盛り上がんないんだよな・・私的に・・
落ちてくる三連符、よくみると一度目はfffで二度目はffなんですね・・
そう書いてるんだから聴く方もそう感じないといけないんでしょうねこれ・・
ここをちゃんとわかるように聴かせてくれる演奏っていうのもあるのかな・・


第5楽章、合唱が盛り上がってクライマックスを迎えるところにも ' があります。
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自筆譜にはルフトパウゼ!!っという念押しがしてあった。
!を2つかいてアンダーラインもひいちゃってもうどうにもルフトパウゼなんですね・・
ワルターのステレオ盤はここルフトパウゼなしで進んでたと思います。
1楽章もそう・・基本的にマーラー特有の極端な癖のある表現はぼかしていることが多いと思う。
できるだけ多くのまだマーラーを知らない人に受け入れてもらいたかったから・・・なのかな?
マーラー本人も何度も演奏するうちにそんなことやらない演奏をしてたこともあったりして・・

ほたる

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うちの裏に蛍がいます。
恥ずかしながらながら自分の住んでいるうちのすぐ裏の話なのにずっと知らなかった。
蛍なんて、ほたる祭りなんていうのをやっているような・・駐車場が有料で渋滞していて・・というところにいるものだと思っていました。
ある時、深夜腐ったような気持ちで家に向かって歩いていると一匹のホタルがふらふらと・・
あの時はびっくりした。
あーっほたるだ!どこからきたんだ?
うちの裏にいっぱいいるのを見つけたとき感動しました。
住宅街の隅を流れる一見生活排水路にしか見えないその川を流れているのは実はすぐそばの団地の地下から滾々と湧き出る湧き水なんですね。

ふと思い出して先程見に行ったんですが・・いないなぁ・・・と思っていると一匹・・もう一匹・・・あっそこも・・ここも・・・とたくさんの蛍が光って見せてくれました。
時々2匹の蛍がじゃれあうかのように絡み合いながら飛んで見せてくれたりする・・
彼らは私に見せようとして光っているんじゃないわけですが・・見ている間は嫌なことも忘れる・・癒されるってこういうのだろう。

昨年は見るのを忘れていて時期を過ぎてしまたからか、見に行った時にはもういなかった。
その前は時期はよかったはずなのにあまりいなかった・・
今年はこんなにたくさんのホタルを見られているんだからきっと私はこれから幸せになれるはず・・等と訳の分からないことを考えてみたり・・

で、先日ちょっと書いたラヴェルでも・・
ラヴェルがどんな人だったかは本でちょっと読んだ程度の私にわかりません。
ラヴェルの音楽というとふわっとしたおしゃれなお菓子みたいなイメージもあるけど、結構グロテスクな場面も多い。
第一次大戦だっけ、自ら志願して兵役についたりしていたと思う。
ふっとい心の豪傑だったかもしれない・・
ラヴェルに限らず他人のことなんか全然わからないんだけど、
ラヴェルが心に優しい優しい世界を持っていたのは間違いないと思う。
ピアノ協奏曲ト長調の第2楽章はその告白だと思います。

実際、彼は自分のピアノでこの曲を初演しようと考えていたらしい。
周りがなんとなしてやめさせようとしたというようなのを本で読んだような・・
ずっとピアノが一人で心の大切なところみたいなのを語ります。オーケストラは余計なことを言わずに見守る。
ひとしきり歌ったところで、あっ、みんなもいるのか・・・いるよーとオーケストラが優しく参加してくる・・


昔コンサートでこの人のピアノでこの曲を聴いたことがあります。
演奏が終わると普通のお姉さんだった。

で、この曲を耳で聴いて頭に浮かんでいた楽譜はなんとなくこんな感じ
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今はネットで何でも見られるようになった。
以前は田舎の楽譜屋にはラヴェルのスコアなんてあんまりおいてなかった・あっても他と比べてすごく高かったような・・

で実際見てみると
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左手が予想外すぎで驚いた記憶があります。
これがどうしてこうなのか・・これだとどうなるべきなのか・・・いまだによくわからない。
私はこの曲をちゃんと聞けてないのかもしれません。
でも、この音楽は蛍の光(あの曲じゃなくて)みたいなものだと思う。
今も、聴けば心を癒してくれる。

白い道

ショパンとか・・親しい友人が囲む中ピアノを弾いて曲が生まれていくような様子を読んだりすることがあります。
そんなところに立ち会えた人は幸せだな・・と思う。
楽器の巧い人の家族はいい演奏聴き放題なのかなと思ったりもする。
でも自分は、聴きたいときの聴きたい曲意外は何にも聞きたくないという超わがまま人間だからそういう友人失格だと思う。
何言ってるかわかんないような文章になってますが・・


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季節感がずれてるのであれなんですが・・
クラシックの有名曲に歌詞をつけて・・みたいなのがよくあります。
結構売れたりするのもありますよね、でも私は大事なものを取られちゃったような気がして(ちょっと頭がおかしいんですね私)そういうの苦手なんです・・・
子供のころNHKの「みんなのうた」で聴いたある歌がずっと記憶に残っていました。
それがヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲「冬」の第2楽章のメロディだと知ったのは少しあとのこと。


これは原曲
中学校の授業で習うんでしたっけ?多分音楽なんてくそくらえと思っていたころなのでなにも覚えていません。
でも初めて買ったCDはバッハのオルガンとこの曲でした。
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YouTubeで色々聴いてみるとこの楽章で低音が32分音符を刻んでいる演奏がたくさんあるんだけどなんでだろう?
そんな版があるのかな?
現代人はあれくらいでないとイライラしちゃうのかな?
私は八分音符のゆったりとした音楽が好みです。
作曲した本人は300年も先の遠い島国でこの曲に歌詞がつけられて・・なんて想像もできなかっただろうなぁ・・

30年たってあの歌が聴きたくなったので調べてみました・・
YouTubeで見つけたそれは・・・全然違う調に移調されており聴いていて気持ちが悪い・・こんなはずじゃなかった・・・あの時いい曲だと思ったのに・・・・

少し寂しい気持ちでいろいろ見ているとさらにその原曲だというのが出てきました。



アレンジに時代を感じますが、これは結構嫌いじゃないです。
やっている人たちの名前は聞いた事があるけど、詳しいことはよく知らない。
親の年だな・・・

で、私の友人に乳白色の声で歌うソプラノな人がいるのですが、これをその人が歌ってくれた。
素晴らしい音楽は切符を買った先にだけあるわけじゃなかった。
ショパンの周りにいた人みたいになれたと思う。



男がいる

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いろいろありますが、
またいつかいい時も来るだろう。
北海道行きたいなぁ、今くらいから一番いいころじゃないかなぁ・・一人で道北をうろうろしたいなぁ・・

ここに来てくださったり、拍手ボタンを押してくださる方々、本当にありがとうございます。
救われています。


ショパンのこのノクターンも好きです。
この曲、聴いていて二人の人物を感じるんですよね。
1人は右手の主旋律。心に悲しみを持っているが希望もある。美しい女性でしょう。

もう一人いる思う。
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このあたりから、左手は何かを語っていると感じます。
強く主張するでもなく控えめにしているけどとても強く大きな心を持った・・男・・
女性を支え、守ろうとしている。でも決して話しかけたり触れたりすることはない。
ホ長調の安定した場を作ってやさしく差出す・・そのうえで美しく歌いはじめる女性・・

もちろん、ショパンはそんなこと考えてこの曲を書いてはいないでしょう。
書いたの17歳だそうです。希望に満ちてた頃だろう。

いい年をしたおっさんが何を書いてるんだという話ですが、どう感じるかは私の勝手なので許してください。
ブログっていいですよねこんなこと書けて。
やったことがないですがSNSとかいうのでこんなこと書いたら気持ちの悪いと思われるんじゃないのか。


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ピアノやってる人には当たり前なのかもしれませんが・・
ルービンシュタインもそうですが、例えばこの歌いだし、左手のEの上に乗るのは前打音ではなく次のGですね。
YouTubeでいくつか聞いたものはみんなそう弾いてます。
でもそれは間違えで前打音がベースのEと同時に鳴るのが正しいとどこかで読んだ気がします。
正しいというのはショパンがそう考えていたという事かな・・
そっちのが演歌っぽくていいかもな・・


それっぽい?

同じような救いの旋律が始めはロ長調で最後はホ長調で2度歌われますが、
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1度目

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2度目
前打音の置いてある位置が違うんですよね。
ボーっと聴いてて何も意識したことがなかった。

聴いていて思ったけど
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旋律が半音上がっていく版と、同じ音を繰り返す版があるんですね。
前者のが好きだけど、どっちが本当なんだろう?
ペダルも違うんですね。

女の子がいる

この写真を撮ったのは2日前くらいです。
風邪をひいて体調は最悪、結構つらい。
音楽を聴こうとしたところふらふらでダメでした・・
後でわかってきたんですが、ふらふらの原因は薬の副作用みたいだ・・
でも飲まなければ咳やのどの痛みに悩まされるんだろう。
健康のありがたみがよくわかります。

ふらふら病院から帰ってきて、とっとと寝ればいいのに庭の木
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すだちとと思われる花は終わっていてよく見れば実らしきものをすでに抱えていました。
実ってここにできるんですね・・
がんばれ。

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ボンタンの花
実も大きいですが、花びらもごついというか・・・
ほのかにいい香りがします。
昔は庭に雑草が生えていていても気にもならなかったのに最近は気分が良ければ草取りも楽しいと感じるようになってきた。
近所のおっさんが「若いときには土いじりなんかまったく興味がなかったのに、最近興味が出てきた」みたいなことを言ってた。
そういうものなのかな?
そういえば子供の頃、歳をとると演歌かクラシックを聴くようになるものだという固定観念みたいなものがあった・・
前者はわからないけど後者は違う気がしてる・・
私もいずれ野菜をつくるとかやりたくなるんだろうか?
まず、そのころまで心身ともに元気でいられるようにしないとね。

わずか31歳で人生を閉じてしまったシューベルトの交響曲第9番。
9番とか、最後の作品とかいうと円熟した人生の集大成的な印象があるけど、これからという青年の作でもあるんだよな。
シューマンが天国的な長さと言ったんでしたっけ・・リピート全部やると長いのかな・・
その後のいろんな曲を知っているとあれだけど・・
演奏者側のやっててきっついよ的な話?・・
またテンポが速いから楽譜的にものすごい量があるように見えるんですよね。
そんな低次元な話じゃないか。

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グレートの4楽章、早すぎて楽譜入りきらないんですけど、第2主題をオーボエが歌う部分。
小さな女の子が小さく歌ってるように聴こえるんですよね。一生懸命・・・
でもそのあとみんなが出てきてみんないるから・・とても大きな力を得ているような気がするんですよ・・

これを聴くと元気が出るとかそんなことじゃなくて・・
なんだかうらやましいんだよなこの子が・・

くだらないかもしれないけど書かせてください。
シューベルトは
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こう感じてこう書いているわけです。指揮者は1小節を一つで振るから結構なスピードで進んでいく音楽となる・・



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こう書いて四分音符一つ振りで演奏したら、全然別な音楽が聞こえてくるんでしょうか・・・
見てるほうには同じに見える・・・DTMだったら同じに聴こえるはず。
そりゃ違うにきまってるだろ!
お前はなにもわかってないな!
なのかな?
きっとそうなんでしょうね。
重くなっちゃうかな?


楽譜を見てみたら思ってたのと全然違った・・というのありますよね。
ラヴェルのピアノ協奏曲の第2楽章とか・・・普通に四分音符のワルツが書いてあるのかと思ってた・・

十字架

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サンサーンスについて書かれてたものを読んでいるとこの人インテリを絵に描いたみたいな人だったみたいでなんだかおもしろくありません。
でも悔しいことにこの交響曲第3番はよくできたいい曲ですよね。
オーケストラにパイプオルガンを内包した音楽というのが最大の特徴で、その後似たようなのがいっぱいありますがバランス、効果・・あとなんすかそういう巧さはこれが一番じゃないかと思っています。

ベートーベンの交響曲第9番は合唱が出てくるまでの3つの楽章がとても素晴らしく、そこも含めての第9なんですよね。
でもそのあたりは前座みたいなもので後半の合唱ばっかりが第9だと思ってるような人がいるんじゃないでしょうか。
いたっていいんですけど人それぞれだし。
この曲もオルガンが出てくるトラック2からしか聞かない人がいたりして・・
Allegro moderatoもいい音楽なのでちゃんと聴きたいですね。
その第1主題、トレモロみたいに細かい音を繰り返すのが特徴ですが、
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頭が16分音符一個ぶん歯抜けなんですね。
弾くのはプロなのでこんなの朝飯前でしょう・・問題は私がちゃんと聴けてないことで、どうしても最初に8部休符があるように認識してしまうんですね。
実際にはこの主題は音楽のビートみたいなのといつも不安定な感じにずれて聴こえなければならないはず・・
たまに木管なんかとずれてるのを感じるんですが、全体的には合っているように聞こえちゃうんですよね・・・

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再現部は繰り返す二つの音がタイでつながっています・・ついに本当の姿を現した・・みたいですが、
これ本当は旋律が拍から滑り落ちているように聴こえなくちゃいけないんでしょう・・

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このホルンやトランペットの上昇していく旋律と弦楽器は16分音符一つ分タイミングがずれているはずですよね。
でもおなじに聞こえちゃう・・・

このずれてる主題、

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終楽章の後半のいいところで再び出てきます。でっかく重くなって・・
切り込むように入ってくるオルガンは拍に乗っかっているので緊張が生まれており最高です。


Allegro moderatoからPoco adagioへ移行してく部分・・
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暗闇のような序奏の音楽に戻ってうろうろしていると、2本のホルンがボーとかいってオルガンの登場を暗示します。
でも何も解決しないまま謎めいた感じですぐに消えてしまいます。
もう一度低弦が何か言うと半音上に乗っかるように今度はオルガンのAsが聴こえ・・・突然ペダルのDesと右手のFが鳴って変ニ長調が確定し、弦楽器が祈りの歌を歌いだす・・

このハ短調の暗闇から突然暖かい変ニ長調の祈りの空間へ連れていかれるところが最高なんですよね。
手前でホルンが一回とぼけた感じでオルガンを模倣することが効果につながってるんじゃないかと思ったり。
以前はふっとい音のペダルにのった包み込むようなオルガンが好きでした。‥ppの指定だけど・・
最近は小さいというかかなり遠くで鳴っているようなオルガンも好きかな祈りの世界みたいでいなぁ・・

この柔らかいオルガンの響きにに乗って弦楽器がコラールを歌う・・・もしかすると昔からあったコンセプトかもしれないし、単純なアイディアですが最高ですね。
この後、似たようなことをやってる曲がいろいろありますが、みんな二番煎じ感が・・・
最初にやったもん勝ちですよねこういうの・・

先日聴きに行ったときは入りの直前でオルガニストが鏡の位置を直してた・・鏡で指揮を見ながら演奏するんでしょう?
オルガンはだいぶ奥にあって遠いからオケの音楽を聴いて弾いたら全然合わないんだそうです・・
別なホールは液晶モニターだった。
鏡だと指揮者とオルガニストが目で会話できるんだって、どこかで読みました。

そういえば昔よくN響アワーを見た。NHKホールはオルガンが明後日みたいなところにあって、演奏者はステージ上の電気式コンソールだからさらにやりにくいんじゃないかなぁ・・自分が弾いてるのと聞こえてくる音がすごくずれてるんでしょう?

オルガン+弦楽器の歌が一段落すると、
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今度は弦楽器が伴奏に回って管楽器が歌いますが面白いのはユニゾン管楽器のがクラリネット、ホルン、トロンボーンなことですよね。当たり前なんでしょうけど楽器間のバランスで音色が全く変わります、クラでもホルンでもトロンボーンでもない不思議な音色を聴かせてほしい・・

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循環主題が怪しく表れた後再び祈りの主題が歌われてクライマックスに至ります。
素晴らしいですよねこのあたり・・
頂点を過ぎてちょっと行ったところでオーボエとがひそかに上っていきます。
神聖な高い高い山を上る・・頂上を過ぎるとそこに十字架が立っていた・・
いや、こんなのただの合いの手だろ・・と言われちゃうんでしょうが・・私には十字架です。
この十字架が聴こえない演奏があるんですよね・・・それは悲しいです。

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最後の転調もなんか変ホ長調和音から変ニ長調和音へ動いてるんですか・・不思議なかんじですよね。
残ったオルガンにmorendoの指示、ここで音量が落ちていく感を味わいたい・・こういうのはオルガンの性能で決まっちゃうんだそうですが・・


若いなぁ

マラ4の自筆草稿にTUBA

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マーラーの第3交響曲は世界の全てを見て回るツアーみたいな曲ですが、計画段階では天国も見てくることになっていて先に完成していた「天上の生活」という歌曲を終曲として組み入れる予定でした。
しかしそれでは曲が長くなりすぎるため、「天上の生活」は第3交響曲からは外されました。
そこで「天王の生活」を終楽章に据えるべく新たに3つの楽章を作曲して完成したのが交響曲第4番です。
全体的に疑似古典的なフォーマットになっていて終楽章とバランスをとるべくトロンボーンとテューバを含まない編成でかかれています・・・と思っていました・・・

ネットに4番の自筆草稿みたいなのがあったので見てみたんですが、驚いたことにテューバが入ってるんですよ。
この稿は作曲の途中段階に当たるもので、この内容で演奏されるという事は絶対にありません。
なのでこれを見て騒いでもしょうがないのかもしれません・・・
作者も、これを見て喜んでいる馬鹿(私のことです。他の人は馬鹿ではありません。)をみたら苦虫をかんだような顔をしていやがるかもしれません。
でも、私にはこの事実が面白いんです。

例えば
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第1楽章の山場、ハープのトレモロ他オルガンのペダルのような低音の伸ばし上でトランペット他が歌うところ・・・
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ハープはいなくてテューバが低音をやってます。


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その先、再現部の第2主題が出てくる直前のところ
ティンパニがやけに歌っていたりしますが、

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もとはティンパニじゃなくてチューバに歌わせるイメージだったんですね。
逆にここのティンパニは特別な感じで歌わなきゃいけないんでしょうね。



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第3楽章の後半山場、ティンパニが両手でたたいたりする付近

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テューバ伸ばしもやってますが(スクロールして右のほうも見てみてくださいね)、
ティンパニが音量を落としながらエコーみたいなのをたたくところ、名場面ですがテューバがやることになってるんですよ!
ティンパニはあとから追記してる・・
あそこなんかは、最初から作曲者の頭の中でティンパニが鳴り響いていたんだろうと勝手に想像していました。
でも全然違ったんだね。

その上の方でハープのグリッサンドが上がって下がってまた上がるところ、最初は普通の上昇するグリッサンド一本だったんですね・・
こんなの見てると楽しいねー

これはとりあえず一度書いてみて検討するための楽譜といったところなんでしょうか・・
これを見て最初はこうするつもりだったのか・・と思うのは違うかもしれませんね。
交響曲第4番は3番にはない細かなオーケストレーション上の工夫を取り入れ始めてると思うんですよね・・そういうのはまだここにはあまり見えない。これを見ながらいろいろ工夫を考えていったんだろうなぁ・・

思うのは、マーラーの作品は天才の一瞬のひらめきで出てきて固定された・・のではなくて
書いては消し・・みたいな試行錯誤の上に出来上がっているんだなぁ・・より良い姿を求めて何度修正し練り上げっていったんだろうなということ。
もう一つはオーケストレーションは大幅に変わっていても、旋律や構成などの音楽そのものは一貫して変わらないらしいということでしょうか・・

ブルックナーみたいに曲自体が全く別なものになっていく作曲家もいるわけですが・・作曲自体には迷いがないんだよな・・

解説などにマーラーの交響曲第10番について第1楽章とプルガトリオの一部は総譜化が行われ・・と書いてあったりします。
第1楽章は完成しているとまで書いてあったりもします。
でも残されているあれは4番のこれと同じような段階じゃないのかなぁ・・・彼の特異なオーケストレーションという面でまだまだ全然完成じゃないんでしょうね・・
半面音楽そのものはずっと変わらないはずだから、補筆演奏にはものすごい価値というか説得力があるとも思います。

なんでいろいろあるのか?

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先日、プーランクの2台のピアノのための協奏曲を聴きに行ったんですが、
気になるところがありました。
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1楽章の終わりにバリ島のガムラン音楽みたいな部分・・でもガムラン音楽そのものでもない、神秘的なのに優しさを感じたりする素敵な音楽です。
ここでチェロのソロがあります。いつもうちでで聴いているのよりオクターブ高く聴こえてびっくりしました。

とりあえずYouTubeを漁ってみたら・・この曲人気なのかいっぱいありますね・・


.Allegro ma non troppo. Played by Sylviane Deferne (piano 1), Pascal Rogé (piano 2) and the Philharmonia Orchestra conducted by Charles Dutoit.
うちでいつも聞いてたのはこれです。7分くらいのところにこのチェロのソロがあります。
仮にこれを低いとすると・・・


Poulenc Concerto for Two Pianos and Orchestras with Francis Poulenc, Jacques Février and Orchestra National de la RTF conducted by Georges Prêtre.
プーランクの自作自演映像付き・・これも低いかな


- Orchestra: Orchestre de la Société des Concerts du Conservatoire
- Conductor: Pierre Dervaux
- Soloists: Francis Poulenc (piano), Jacques Février (piano)
- Year of recording: 1957
もう一つの自作自演、これは高いです。



Piano: Martha Argerich, Theodosia Ntokou
Conductor: Ricardo Castro
Orchestra: Youth Orchestra of Bahia
アルゲリッチとか・・高い


Live performance of the Concerto for two pianos in D by Francis Poulenc, played by Sara Gutiérrez and Federico Mosquera with Codarts Symphony orchestra under the baton of Hans Leenders on January 30th 2015 in the Grote Zaal of de Doelen (Rotterdam, The Netherlands).
よくわかんないけど低い・・

なんでいろいろあるんでしょうか?
作曲者が弾いてる2種の演奏も高いのと低いのがあって・・どっちが正しいの?どっちでもいいのかな?

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plaintifは悲しげ?
ハーモニクスの指示・・

私は弦楽器弾けませんし、ハーモニクスのこのなんかよくわかりません。
適当に調べるとハーモニクスってなんだか奥が深いんでしょう?
なんでも弦の半分を触っとけばオクターブ上の音・・・じゃないんですよね?
物理の勉強みたいになっちゃっててすごいですよね。
でこの楽譜はどうなんでしょうか?
この楽譜は複数の音高があり得るような解釈が可能なんですか?
低いように聞こえているのもそう聞こえてるだけ?
実は複数の版があったりして・・
何もわかりません。

どの演奏も、指板の上で指を滑らせるように移動させるから?音がつながっちゃってこうよちよち歩きみたいに聞こえるんですよね。
これがピアノと合わさって子供のころの大切な記憶・・・みたいに聴こえるんですよね・・
作者はそこまで狙っているんでしょう?

この不思議な世界が
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突然舌を出すみたいに終わっちゃうとこがいいですよね。

暗雲の正体

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マーラー交響曲第1番の第1楽章、明るく爽やかな音楽と見せかけて暗雲が立ち込めてますよの続き。
序奏が終わると明るい日差しのもと美しい野を歩いた・・みたいな音楽が提示されます。
ここだけ聴いていると本当に明るく幸せな音楽ですね。
同じ音楽が別な歌曲の中にも存在します。ほぼ同時に作曲されているそちらの歌曲も聞くとこの交響曲に描かれている世界、人間、何が起こっているのか・・が読めてくるという・・
おもしろいですがあんまりこだわりすぎてると狭く凝り固まった範囲内で曲を聴くことになってしまい危険だとも思ったりして。


この曲は交響詩として発想され、改訂を重ねながらそれを交響曲というフォーマットでまとめることを考えていったようです。
交響曲という形の中で大きな何かを表現しようという作曲家マーラーの誕生なわけです。
交響曲の第1楽章ということでソナタ形式感を明確に打ち出すべく?提示部にリピートが追加されました。
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後付けなので提示部が終わるところの繰り返しを歌いだすチェロの記述が何だかいかにも後付けです。
提示部はいくつかの要素が提示されますが、明確に第1主題、第2主題という感じではなくて連続する一つの歌みたいなイメージですよね・・
私はリピートをしないワルターのCDでこの曲の洗礼を受けたので今でもリピートに違和感を感じるようになってしまいました。

提示部が終わると再び序奏の朝霧が戻ってきます。
弦楽器の霧が一小節ずつ高い音へ登っていくんですが、各パートタイミングをずらしながら徐々に徐々に上っていくんですよね。
ぼかされているんだからぼけっと聴いとけばいいんしょうけどその変化を聞き取ろうとしてしまう癖があるんですよね。
オーディオとか言ってるとそうなっちゃうのかな。

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鳥が鳴いていたりするんですが・・
先ほどまで楽しく歌ってたあの旋律がチェロに出てきて・・・何だか不穏な空気感です・・

で13から不穏な空気そのもののテューバ登場です。
その前にヴァイオリンの霧がひそかにオクターブ下がっているんですがふと気が付くと急に暗くなってたみたいなすごい効果が出てると思います。・・・
またここでppで鳴らされるバスドラがラップ音みたいじゃないですか・・お寺の裏で鳴ったりするやつ・・・聞いたことないけど・・
欄外に”テューバ奏者がこの低い音をpppで吹けなければコントラファゴットに吹かせること”みたいなことが書いてあります。
そんなこと言われたら奏者は意地でもやりますよねきっと。それよりこの伸ばし長いんですよね。ブレスどうするんだろう?
2人いる楽器だとひそかに継いでとかできるんでしょうけど、テューバが二人というのはないですもんね。
外人だといけるのか?

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4楽章第1主題から来ているあれが早速出てきます。
今度はハープに・・・
この曲を初めて聴いたころ、ハープといえば天使みたいなひとが天上の音楽をというイメージがあったのですがここは低音で怪しく・・
結構インパクトがあった。
ここはまだ意味不明なんですが一歩進んでアウフタクト(前の小節に一つ音があります)から始まっています。

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その次、アウフタクトは無くなっちゃうんですが、三連符が8分音符2つになっている・・・これは

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4楽章、心の嵐の主題なんです。
やっと正体を現すみたいな・・