死の瞬間 マーラー 交響曲第6番

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マーラーの交響曲第6番、その第4楽章です。

幸せで、前向きに生きていた者を襲う運命の打撃、立ち上がり、再び奮闘する者を襲うさらなる打撃・・
戦いの末の明るい勝利を目前にまた倒れ、もう虫の息という者に運命は最後の止めを刺す・・
みたいな音楽なわけです。マーラーはこういうテーマが好きですね。
これを違う方向から見て、さらに深度化させたのが交響曲第9番の第1楽章じゃないかと思ったりします・・・結論が違いますが・・・


ネットでマーラーの交響曲第6番の第1稿を見ることができます。
マーラーが演奏してみた結果、改善点を盛り込んだ第2稿をすぐにつくっており、第1稿で演奏されるということはないんだと思います。そう考えるとこれを眺めてもしょうがなさそうですが、改訂でオーケストレーションが大きく変更されている箇所のほか、音楽そのものを変えている箇所があることに気づきます。
そのことによって今聴いている第2稿のその場所がなぜそうあるべきなのか・・みたいなことが浮き彫りになって大変興味深いです。

この楽章といえばハンマーの話ばかり出てきますよね。2回か3回か・・みたいなの。
避けて通れないとは思いますが、あえて曲の最後から・・・だってここが一番大事でしょう・・・

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第1稿 終結部 (最初のアイディア)

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第2稿 終結部 (改定後の現在演奏されている形)


曲の最後、初めに完成した第1稿はトランペットのイ短調主和音が弦のピッチカートと同時に消えることとなっていました・・よくありますよねこういうの。
同曲のアンダンテの最後もホルンの伸ばしがピッチカートとともに終わります。

で、それをどう変えたかというと、
トランペットは先に終わり、 ‘ (一呼吸、Tpの余韻が消えるえるのを聴いてから)ピッチカートを打つ・・
という変更がなされています。

トランペットが消えた瞬間、これはまさに死の瞬間だと私は感じます。
肉体だけでなく、魂まで殺されているような気がします。
運命はその死をしっかりと見届ける。 
そしてゆっくりピチカートのエンドマークを打つ・・・

これはものすごい音楽ですよ・・
運命って、こんなに無慈悲で残酷なのか・・

改訂前はただ音楽の最後という感がしてしまいます。比べればですが・・・

別途書こうと思うんですが、この改訂で同楽章のとくに後半の分厚くど派手な表現を削っています。
3度目のハンマーも・・・そのことで、この最後の衝撃がかなり強調されています。

いままで、3回目のハンマーも鳴っちゃうど派手演奏を愛聴盤としてきましたが・・
もっといろいろ聴かないとな・・



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