悲劇的序曲は悲劇的なのか

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マーラーの「悲劇的」について書いてたらブラームスの悲劇的序曲が頭に浮かんできちゃいまして・・
こちらは作曲者が命名したんでしたよね?
冒頭、運命の衝撃のような2つの音で始まるわけですが、・・マーラーのハンマーみたいなもんですよねこれ。
この曲、変形ソナタ形式ですがおおざっぱに言って第1主題からは悲劇的な運命・・圧倒的で迫りくるもの、第2主題にはそれと闘おうとする人間の心、勇気、希望、あたたかさ、みたいな者を感じます。
ネガティブな運命と戦っていく人間の意志とか姿が描かれて(この曲、決して標題音楽ではありませんが・・)います。
基本的にブラームスってそういうの好きね。

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第2主題は2つの旋律が寄り添い絡み合うようにできていて、一人ではないという事が勇気につながっているような気がして大変感動的です・・
交響曲第1番も過酷な運命に苦悩しながら立ち向かう姿なわけですが、あちらは必至感がすごく気を抜くと沈没みたいな感じもするのに対して、こちらのほうが大人の余裕というか、なんかそんなのが感じられる気も・・寂しいのかなと思うとこも・・

最初の厳しい第1主題が終わった後、
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このテューバの一言をきっかけに空気が変わり、あの暖かい第2主題へとつながっていきます。
これ重要だと思うんですよね。
ブラームスは反ワーグナーはを装わなくてはならなかったせいかテューバをあえて避けていたようにも思えます。。
実際はそんな理由じゃないでしょうけど。
2番とか、ドイツレクイエムとか使った曲もありますし。
そのブラームスがテューバに重要な役を与えています。
私、出来損ないですが自分の楽器がテューバなのでここ大好きなんです。

再現部での該当箇所は
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私はこの付近にこんな視覚的イメージがあります。空は分厚い雲で閉ざされている・・一面の葦原・・遠くには鉛色の海・・・
バイオリンがオクターブでのばしていますが、2小節目の前2拍、ほかの楽器一切が沈黙し、このオクターブだけが浮き彫りになります。
このオクターブだけが光ったところ、厚い雲が途切れて光が差したように感じるんです・・・
そしてまたあの暖かく力強い第2主題を迎える・・・・

この曲、闘っていますが、決して負けていませんよね。
厳しいニ短調で閉じられるのですが、その最後は消して悲劇に負けてボロボロになっている姿ではありません。
”闘いは続く・・(やってやるぜいつでも来てみろ)”みたいな力強く肯定的な終わり方だと思うんですね。。
この「悲劇的序曲」もきわめてポジティブな音楽だと私は思うんですよね、で大好き。 

ブラームスのこれも、マーラーのあれも決して標題音楽ではなくて絶対音楽なんですよね。
具体的な説明書きなんかあるわけないよ見たいな。
でも聴けばかなり具体的な何かを強烈に表現していて・・ロマン派の音楽ってそういうものなのかもしれませんが、この2人の音楽って違うようで強く結ばれた同じ一本の路線の上に乗っかってると思うんですよね。。

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