叫び?

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トーンクラスターといえば・・
マーラーの交響曲第10番の修羅場で・・
説明端折りすぎなのもあれですが、この曲、妻の浮気が作曲のきっかけだと言われています。
実際には浮気がばれる前から作曲し始めていたらしいですが、
別な音楽をあるテーマにいかにもそれらしく充てらるなんて言うことはよくあることです。
なんでお前が分かったようなこと言ってんだと言われちゃいますが・・

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第1楽章

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第5楽章

複雑で悲痛な不協和音の叫び・・・・その中からトランペットのAだけが突進する。
Aは妻のAlmaを指しているというのは誰も異論はないでしょう。
名場面なんていう言葉を当てていいかわからないですね。

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書いてみるとこんな感じでしょうか・・・ちょっとちがったりして・・
前衛でよく見る上から下まで真っ黒というのとは違うんですよね。
12音中何音だこれ・・なんだかすごい不協和音ではあるんですが、広い音域の中で
隣り合う音域では派手にぶつからないようになっているのかな・・
プロコフィエフなんかに出てくるあの攻撃的な不協和音とも違うんですよね。

この前の9番の第4楽章のクライマックスでもいくつかの和音が複合されて強烈な不協和音となっていました。
オーケストラで演奏されると暖かい協和音と激しい不協和音とその両方がこえるという・・・
すごいことになっていた・・
あれもそこをCesが切り裂いていた。

10番のこれも唐突にすごいものが出てきたのではなくてこれまでやってきたことのその先にあるという感じがしますよね。

しかしこの場面すごいですよね‥音楽としては・・
第1楽章では直後にヴァイオリンが叫びますが、もはや奇声ですよね・・

悲痛な思いが爆発している・・または
いやというほどいる多くの人間の中からお前だけを!・・みたいにも取れますが、
そんな単純なもんじゃないかな・・

これを境に音楽は柔らかく温かいものへ変化していくことも重要だと思います。
重要な覚悟も込められている的な・・

食い入るように聴いて、もう全身で聴いて感じて圧倒されて・・
で、なんですけど・・もう100年もたってるんだから・・・妙に具体的なアルマとグロウ何とかが浮気してたとかそれはこの曲を理解するうえで大変大事ではありますが、いつまでもそれ並べて分かったような顔してなくていいんじゃないかと思うんですよね。
それが事実で起源だったとしても、この音楽もそんなもん超越したところに行っちゃってると思うんですよね。

昔、若いころに女の子を取られちゃったかなんかで「俺は泣きながら畳をかきむしったことがある」とか嬉しそうに話しているおっさんがいましたが・・・
かなり年下の最愛の妻の不貞を知って・・これもそういう・・いやもっとギリシャ神話的にすごいことにでもしとけばいいんでしょうか?
でもさー、
こんなことを言ったらほんとにあほ見たいですが、
マーラーくらいの人だもん、
実は自分も各所にいい人いたとかだったら笑いますよね。
それとこれとは別だっていうんでしょ?
・・・まぁいいか、そういう話は別として、

この曲や前作では作者はものすごい悲劇の渦中にある人みたいになちゃってるけど・・
フロイトの診断を受けたとかもあるけど・・・
こんなすごい曲が出来ちゃってるけど・・・
自筆譜には悲痛な走り書きがされているとか・・
顔面蒼白で涙を流しながら差曲したようなイメージもあるんでしょうけど、
このアイディアを思いついたとき・・うれしくて笑いが止まらなかったはずだと私は思いますね。
素晴らしい作品を生み出すことができる・・

強い感情の動きが創作の原動力となり・・みたいな話は感動的なんですが、
一方でそれを題材としてそれとは独立した冷静な芸術家が新たな作品をものにしていくみたいな側面もあると思うんですよ。
そこを置いといて目先の知ってるネタばっかりを気にして聴くのはどうかと最近(私個人は)思うんですよね。


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