恐山

1101.png

結構前になると思うんですが青森の恐山に行きました。
夏休みだったと思う。
恐山というと薄暗いウズリ湖のほとりで風車がカラカラ回っているような・・霊界との境みたいなイメージだったんですが・・
実際は真夏の猛烈な暑さでそんなイメージとはほど遠かった・・ただただ暑かった・・
あの雰囲気をみたかったら雪の降る直前くらいにいった方がいいのかもしれない。

ブルックナーの交響曲第9番を聴いていると第3主題が終わったところに不思議な場面があります。
第3主題は、すべての人々が悲しみ、苦しみを抱えながらも前に向かって歩んでいる姿・・だと思っているんですが、その音楽の結論としていったん明るく柔らかい日差しのある平穏の場にでる・・

1100.png
へ長調この場でフルートとピッチカートの第2バイオリンが何かいっている・・
鳥?・・その音がHなのだ・・へ長調とぶつかって尋常でない雰囲気となっている。でも攻撃してくるような何かいやなものではない・・
暖かいといえば暖かい・・
でも人知を越えた何かのような感じもする。
人間のか弱さを示しているような気もする。
元々この曲は人間が神へ向けて捧げている音楽だと思うんです。だから、ここは人間界だと思うんですが、オーストリアののどかな田園風景とかそういうのではなく・・・
なにかこう恐山的な・・あの世との境みたいなそんな場にまで行ってしまっているような印象を受けるんです。



音量小さいと聴こえないかも・・
この演奏は、とても感動的だ。
ブルックナーの権威みたいな人なのに暗譜じゃなくてちゃんとスコアめくっていくでしょ。
これはこの音楽に対する一つの態度表明みたいなものだよね。


優良クラシックファンはワルター・コロンビア響のブル9なんて言うと「あんなのアンサンブルも稚拙でダメだ」とか言って笑うんでしょう?
でも私は大好きです。
誰が何言ってようが関係ないです。
ワルターはブルックナーが理解できるようになったのは40歳過ぎてからだった・・みたいなことを言ってたと思う。
この人の愛と歌にあふれた演奏はブルックナー演奏の本筋からは少し外れるのかもしれないけど、私にブルックナーを教えてくれたのはこの人でした。

恐山といえばイタコ。
ブルックナーやマーラーを呼んであの曲の続きはどうするつもりだったんですか?
ここは?
シンバルは入れるの?
とか聞いてみたい。

でもきっとイタコの呼んでくれたマーラーは
「皆と仲良くしろ」
「秋ごろに腰を悪くするから気をつけろ」
とかしか言ってくれないと思う。

Comment

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
  • 2017/08/13 22:29
Re: ワルター・コロンビアのブル9
一枚のレコードが人のその後に影響することがあるんですね。
ワルター、コロ響のブル9がその一枚だという方がいてうれしいです。
ありがとうございました。
  • 2017/08/15 12:50
  • unagi
  • URL
ワルター/コロンビア響のブル9録音は、世界 「芸術遺産」
ご無沙汰しておりました、"スケルツォ倶楽部"発起人です。
unagiさんの文章に 毎回深くうなづきながら読ませて頂いてます。
ブルックナーの偉大な交響曲第9番第3楽章は、私にとってレオナルドやミケランジェロの遺産にも匹敵する、もはや別格の価値を有する芸術作品です。その素晴らしさを初めて教わったレコードが、ワルター/コロンビア交響楽団(CBS)盤でした。
それ以来、神秘的な光に包まれた第3楽章には 実は秘められた標題があったのではないか、それこそがブルックナーが最期まで終楽章を完成させなかった潜在的な理由だったのではなかろうか - との天啓を得て かれこれ30年以上考え続けた末、最近ようやく一つの仮説へと至りました(URL先をご参照 )。

閑話休題。恐山のイタコと言えば、1975年頃に写真家の阿部克自さんが 当時 8年前に急逝したジャズ・ミュージシャン、ジョン・コルトレーンの霊を口寄せしてもらって その実況を放送するという興味深い試みを FM東京がオンエアしたことがありました。そこでは、イタコの口を通して伝えられた言葉が 亡くなる前年に来日した際の記者会見でコルトレーンが話した内容と一致していたっていう、ちょっと感動的な展開となったそうです。・・・なんだかお盆の時期に相応しい話題となりましたが。長文すみません。
Re: ワルター/コロンビア響のブル9録音は、世界 「芸術遺産」
発起人さん、こんばんは
私もこの曲は人類の作った・・ピラミッドとか万里の長城とかああいう重大な物件だと思います。
1人のおじいさんがやってしまったんですね。

読みました。
すごいですね。
そういえば確かに8番までのアダージョが2つの主題を細分化しながら繰り返す・・というのとは違い、
新しい要素がどんどん出てきますもんね。。
もっといろんな人に読まれたほうがいいと思うなぁ・・
発起人さんの、この音楽への尋常でない情熱と愛情みたいなものが伝わってくるそここそが、この音楽のすごさを表していると思うんですよね。

私も4楽章の補筆完成版を聴きましたが、これじゃないと思いました。
あれでは神にささげられるところまで行っていないんじゃないかと・・

イタコの話面白いですね。
イタコが英語でしゃべったら奇跡に涙しますけどどうだったんだろう?

ありがとうございました。
  • 2017/08/15 23:46
  • unagi
  • URL
Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)