非日常

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調子に乗ってこんな湖のほとりの・・みたいなところへ・・
いかにも非日常という感じで・・

でも向こうに見えるあの山を超えてそのまま下っていくと私の家があります。
その間に家はなく、延々杉の植林地帯。杉花粉が噴煙みたいに渦巻いてるのを見たことがあります。
ここへ来るには車で結構大回りしながら山を登ってくるのでかなり遠い別世界の観光地的印象もあります。
でも、近所の生きていれば100歳をずっと越えるだろうというおばあちゃんに聞いた昔ばなしで、
旦那さんは午前3時に起きると「馬をつれて山へ柴刈りに出かけたんだよ。」
「峠を超えて湖までいってたんだよ。」
と聞いた。それはまさに見えている対岸のあのあたりだろう。
私にとっては非日常なこの光景が、昭和初期くらいまでの家の近所じゃ日常見る景色だったわけだ・・
今はもうその道はだれも通らないので途中で途絶えていると思う。
山の中腹程度まで、馬はいないので犬を連れて自分も登ったことがあります。
あの倍以上をしょっちゅう往復して・・それからまた別な仕事もしてたんだから・・
昔の人はすごいな・・

ホテル経営のここは、何を頼もうにもかなり値段高め・・と思ったけど
ポットに入って出てきた紅茶はものすごい量があっていくら飲んでも終わらない。
混んでるわけでもないのでゆっくり気が済むまで飲み続けてたら
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日が暮れちゃった。
私は紅茶なんて全然よくわからないけど、なんだかおいしかったよ。
20代の頃にここへきて、店の外のメニューと価格を見て逃げたっけな・・・
いい時間を過ごしたと思えば高くもない・・またこよう。

非日常というか、異常な音というか・・・

サンサーンスのピアノ協奏曲第5番は「エジプト風」という名前がついていて、実際エジプト旅行の印象をもって書かれているらしいです。
第2楽章は仕掛けだらけでちょっと狙いすぎじゃない?というくらいエジプトになっています。
色々ありますが目立つこれ・・

変な音がして面白いでしょう?

仕掛けの種明かしはこれで
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左手がコアで、右手で怪しい倍音みたいなのをまとわりつかせるんですか・・
こういうの昔からわかる人はわかって遊びでやってたんでしょうね。
でも芸術作品に堂々と取り入れちゃうっていうのはあんまりないんじゃ?

サンサーンスって、ものすごいインテリで低俗と見るや嫌味ばっかり言いそうなイメージがあるけど、自分もこんなもん作るんですね。

そういう人いますよね。
笑顔で「さすがですね!」とか言っとけばOK。

十字架

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サンサーンスについて書かれてたものを読んでいるとこの人インテリを絵に描いたみたいな人だったみたいでなんだかおもしろくありません。
でも悔しいことにこの交響曲第3番はよくできたいい曲ですよね。
オーケストラにパイプオルガンを内包した音楽というのが最大の特徴で、その後似たようなのがいっぱいありますがバランス、効果・・あとなんすかそういう巧さはこれが一番じゃないかと思っています。

ベートーベンの交響曲第9番は合唱が出てくるまでの3つの楽章がとても素晴らしく、そこも含めての第9なんですよね。
でもそのあたりは前座みたいなもので後半の合唱ばっかりが第9だと思ってるような人がいるんじゃないでしょうか。
いたっていいんですけど人それぞれだし。
この曲もオルガンが出てくるトラック2からしか聞かない人がいたりして・・
Allegro moderatoもいい音楽なのでちゃんと聴きたいですね。
その第1主題、トレモロみたいに細かい音を繰り返すのが特徴ですが、
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頭が16分音符一個ぶん歯抜けなんですね。
弾くのはプロなのでこんなの朝飯前でしょう・・問題は私がちゃんと聴けてないことで、どうしても最初に8部休符があるように認識してしまうんですね。
実際にはこの主題は音楽のビートみたいなのといつも不安定な感じにずれて聴こえなければならないはず・・
たまに木管なんかとずれてるのを感じるんですが、全体的には合っているように聞こえちゃうんですよね・・・

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再現部は繰り返す二つの音がタイでつながっています・・ついに本当の姿を現した・・みたいですが、
これ本当は旋律が拍から滑り落ちているように聴こえなくちゃいけないんでしょう・・

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このホルンやトランペットの上昇していく旋律と弦楽器は16分音符一つ分タイミングがずれているはずですよね。
でもおなじに聞こえちゃう・・・

このずれてる主題、

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終楽章の後半のいいところで再び出てきます。でっかく重くなって・・
切り込むように入ってくるオルガンは拍に乗っかっているので緊張が生まれており最高です。


Allegro moderatoからPoco adagioへ移行してく部分・・
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暗闇のような序奏の音楽に戻ってうろうろしていると、2本のホルンがボーとかいってオルガンの登場を暗示します。
でも何も解決しないまま謎めいた感じですぐに消えてしまいます。
もう一度低弦が何か言うと半音上に乗っかるように今度はオルガンのAsが聴こえ・・・突然ペダルのDesと右手のFが鳴って変ニ長調が確定し、弦楽器が祈りの歌を歌いだす・・

このハ短調の暗闇から突然暖かい変ニ長調の祈りの空間へ連れていかれるところが最高なんですよね。
手前でホルンが一回とぼけた感じでオルガンを模倣することが効果につながってるんじゃないかと思ったり。
以前はふっとい音のペダルにのった包み込むようなオルガンが好きでした。‥ppの指定だけど・・
最近は小さいというかかなり遠くで鳴っているようなオルガンも好きかな祈りの世界みたいでいなぁ・・

この柔らかいオルガンの響きにに乗って弦楽器がコラールを歌う・・・もしかすると昔からあったコンセプトかもしれないし、単純なアイディアですが最高ですね。
この後、似たようなことをやってる曲がいろいろありますが、みんな二番煎じ感が・・・
最初にやったもん勝ちですよねこういうの・・

先日聴きに行ったときは入りの直前でオルガニストが鏡の位置を直してた・・鏡で指揮を見ながら演奏するんでしょう?
オルガンはだいぶ奥にあって遠いからオケの音楽を聴いて弾いたら全然合わないんだそうです・・
別なホールは液晶モニターだった。
鏡だと指揮者とオルガニストが目で会話できるんだって、どこかで読みました。

そういえば昔よくN響アワーを見た。NHKホールはオルガンが明後日みたいなところにあって、演奏者はステージ上の電気式コンソールだからさらにやりにくいんじゃないかなぁ・・自分が弾いてるのと聞こえてくる音がすごくずれてるんでしょう?

オルガン+弦楽器の歌が一段落すると、
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今度は弦楽器が伴奏に回って管楽器が歌いますが面白いのはユニゾン管楽器のがクラリネット、ホルン、トロンボーンなことですよね。当たり前なんでしょうけど楽器間のバランスで音色が全く変わります、クラでもホルンでもトロンボーンでもない不思議な音色を聴かせてほしい・・

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循環主題が怪しく表れた後再び祈りの主題が歌われてクライマックスに至ります。
素晴らしいですよねこのあたり・・
頂点を過ぎてちょっと行ったところでオーボエとがひそかに上っていきます。
神聖な高い高い山を上る・・頂上を過ぎるとそこに十字架が立っていた・・
いや、こんなのただの合いの手だろ・・と言われちゃうんでしょうが・・私には十字架です。
この十字架が聴こえない演奏があるんですよね・・・それは悲しいです。

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最後の転調もなんか変ホ長調和音から変ニ長調和音へ動いてるんですか・・不思議なかんじですよね。
残ったオルガンにmorendoの指示、ここで音量が落ちていく感を味わいたい・・こういうのはオルガンの性能で決まっちゃうんだそうですが・・


若いなぁ

サンサーンス交響曲第3番で

前項でオルガンについて書いて、次にこの曲だとベタ過ぎて負けたみたいですけどね。書きたくなっちゃった。
サンサーンス交響曲第3番ハ短調作品78・・
音楽なんて聴かないようなオーディオマニアも聞くらしいオーディオ名曲。
そんなこと言ってないでまじめに聴いてもいい曲ですよ。
色々ありますがとりあえず最大の見せ場、第2楽章第2部冒頭。
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澄み切ったト長調和音の余韻が消えると、問答無用のハ長調主和音でオルガンが登場ーーー。
マエストーソ=荘厳にってここで覚えた。
楽譜をよく見ると一回目のオルガン、てっぺんの音がGなんですよね!
ここ、その上のCも鳴ってると思って聞いている人いるんじゃないでしょうか?
オルガンて、こういうとき楽譜の音のオクターブ上とか下の音も同時に鳴らすから、そう聴こえちゃうんですよね。
えっ?わたしだけ?
ちょっと聞いてみますか?
初めて聞いたのがデュトワN響だったので。デュトワMSOが愛聴盤です。
でも細かいところ、N響のがよかった気が。。30年たってもまだ耳に残ってます。、このCDの演奏は細かいところ、荒いと思う。
もう一つは最近気に入っている巨大戦艦みたいなスヴェトラーノフ スウェーデン放送交響楽団 ライブ

後者はGな感じ少ししますね。でもどうしてもCが勝って聴こえちゃう。

ずっと先、中間の山場。
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こういうの良くありますが、トランペットの1番、高い音は出ないでしょうからと、途中からオクターブ下に降りる。
こういうとこ、音楽的にほしいからと上の音を書いちゃうと、楽器の扱いを知らないみたいな烙印を押されちゃうんでしょ作曲家は。
このサンサーンスっていうおじさん自身が他人に向かてそういうことばっか言ってそうなイメージがありますね。
当時からすごい奏者は吹けたんだろうし、今の人にとってはわけなかったりするので上でやっちゃう演奏があります。
近年、そういうのは楽譜道理やりましょう・・ていうのがはやりですが、、

われらがデュトワMSOはスカッと上行ってますね。。
いいな!と思う反面、この曲にふさわしい楽音の域を超えてる気がしないでもない。
スベトラさんのほうは・・楽譜道理ですかね・
この演奏の場合、もうそんなことはどうでもよくなっちゃっててこの巨大戦艦的なテンポがいいですね。
作曲者が想定したテンポとはたぶん全然違うけど、異様な説得力があります。
パターンやってるヴァイオリンが一瞬オクターブ上がるとことか、ティンパニーがパターン叩くとことか、あっこういう曲だったの!?みたいな。ティンパニのffなんかテンポが速すぎると生きないもんね。。
よくある、ものすごく遅い演奏、ていうのはイヤーなイメージがあるんですが、これはいいな。
昔聴きすぎてあきちゃた(どんなに聴いても飽きない曲もある)この曲をもう一度楽しませてくれます。
この曲も色々聴きどころがあるのでまたいつか・・