ベートーベンコンプレックス

私の家の駐車場は狭い道に斜めに接しているため、車の方向転換ができません。
東から来てバックして停める。出るときは西へみたいな・・

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これちょっとわかりにくいですが、家へ向かう道です。東から来る方というか・・
右側の草の向こうはかなり低い位置に田んぼ・・はみ出れば落ちます。
左へカーブを描いているため、車が右側へ落っこちるような感覚が強調されます。結構怖い。
でビビって内側へ逃げると左側の石垣・・草に隠れてますが下の方の石が飛び出ている・・でガガガ!っと・・
前の車は納車後にサイドスポイラーを後付けしたんですが、つけて帰ってきたところでいきなりガガガ!
気を付ければぶつけずに通れるんですが、もう一つ困るのは向こうからくる人や自転車・・
いま、私を含めてみんな自分最優先だと思っているので・・

ここを通らざるを得なかったんですが、数年前から隣の田んぼのトラック駐車スペースて方向転換させてもらうようお願いして
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こちら側(西側)を行き来しています。
でも田んぼの持ち主が代替わりしてしまったので、何時までそうさせてもらえるのかわからない。
そこで方向転換できなくなったらまたこの変な道を走るか、西側ルートをずっとバックして入ってくるか・・

この道こんなですが、背後に団地をいくつか控えているためか近道や散歩道として結構人が通るんですよね。
毎日顔を合わせる人が何人もいます。
大きな声で挨拶してくれる人、挨拶しても無視する人、無視どころかいやそうな顔をする人・・
よく顔を合わせて話をさせてもらった人の姿をいつの間にか見なっていることに気付いた。
色々勝手に考えてしまい・・結構・・寂しい。

今日、犬と散歩をしてる時にふと・・ベートーベンの交響曲第5番が聴きたいなぁ・・と思った。
「運命」というやつだ。
今は知らないが私の子供の頃、聴かない人がクラシックといえば「運命」か「エリーゼのために」だった。
被害妄想なんだろうけど、そこにはちょっと子馬鹿にしたニュアンスがあった気もする。

クラシックを聴かない人でもちょっと詳しいと「海外では運命とは呼ばないんだよね」みたい事を話したりします。
交響曲全体をいちいち運命と呼ばなくてもいいとは思うけれど、あの動機はのちの作曲家への影響も含めて運命そのものだと思う。
運命というか宿命か・・
ベートーベンがこう言ったみたいな話は関係ない。答えは音楽の中にあるのだから聴いて感じればそれでいいと思う。

自分の音楽部屋で運命の第1楽章を聴く・・別にうちの前を歩いている人に聞かれたってどうってことはないはず。
法的にも問題ないし、倫理的にもおかしくない・・
なのになぜか・・できない・・
もう何年も聴いていないあの曲を・・
純粋に曲としてみて大変いい曲でくだらない思い込みを取っ払って聞きたいんだけど・・・
2楽章以降は平気で聴くことができる。
誰も知らないと思うからだろう・・


ブルーノ・ワルターはここでも提示部を反復しません。
さすがにこの曲はそのまま展開部に入られるとあれ?みたいなものを感じる。


同じ理由で9番も第3楽章までは聞ける・・
私は、何におびえているんだろうか?

昔見た海外映画で悪の組織の親分みたいな人がくつろぐシーンで、皮のソファーに深く座り運命を聴きながら腕を指揮者みたいに・・というシーンがあった。
その人はその直後、敵対勢力が送り込んだ刺客みたいのにめった刺しにされていた。
あれがトラウマになってるんだろうか?
運命を聴くと殺されるとか・・・

子供のころに見たテレビドラマで嫌な奴を象徴するシーンとして・・自宅でくつろぎレコードに針を落とすとクラシックが流れるというシーンがあった。
曲が運命だったかは忘れたけど、ちがうにしろ、そんなようなもんだったと思う。
こっちかな?

私は、馬鹿にされたくないとか、いやな奴だと思われたくないとか思っているんでしょうね。
クラシックなんか聞いている自分が恥ずかしいとも思っているんでしょう。
いろんなトラウマが重なって・・子供みたいだけど。
しかしそれが出てくる場所が間違ってる気がする。
いい曲が聴けないじゃないか・・
実際、仮に外を歩いている人に運命交響曲が聞こえたとして、指をさして笑われるとか家に火をつけられるとかそんなこともあるわけない。
私が馬鹿にされたり人に嫌われる事があったとしてもその理由は多分音楽とは別なところにあると思う。
こういう、至極単純な意識の整理みたいなものが、苦手なんだよな・・子供のころから・・

でっかい音で5番を聴けたらまた一つ前進だな。

しかしこの曲の存在感は圧倒的ですよね。
そう思うのは日本人の私たちだけじゃないと思う。
ブラームスという人間の曲を聴いているといろんな曲でもういい加減にしろというくらいこの運命のタタタ、タンという動機が出てきます。
昔の日本人もその圧倒的ななにかにやられたのかな?


余計なことを言ってよければ、指揮者ブルーノワルターの特徴としてよく言われることの一つに
彼の特色はベートーベンの交響曲だと偶数番号の曲でこそ生かされる・・みたいなのがある。
とがって暴れる曲より丸く優しく歌う曲のが向いてるという話だ・・
でも、私個人的には7番のフィナーレとかいろいろ聴いてると奇数曲でも他の誰よりあばれて見せてくれるのがワルターだと思っています。

クラシック音楽が好きですなんて言っているけど、ベートーベンの5番もちゃんと聴けていないんだから、まだまだ何にもわかってないのかもしれないですね。私は。
ベートーベンは超絶名曲がたくさんあるんだろうけど、恥ずかしいくらいそれらをまだ聞いたことがないと思う。
また恥ずかしいとか書いているわけです。

最初の写真、昔は田んぼの人がしょっちゅう来て右側の草地はいつもゴルフ場みたいにきれいになっていたけど今は違う。
左側の地主も訳があってもうここには来られないと思う。
夏草はものすごい勢いで伸びてみちを埋めています。
自分もこちらを通るわけではなくなったので刈ってやろうという気もないんです。
どんどん荒れてっちゃうのかな・・

先日ホイールをぶつけちゃったと営業に言ったら一言目は「お怪我はありませんでしたか?」だった。
前の車のスポイラーをぶつけたとき、担当営業は指をさして大笑いするような奴だった。
車が売れないんですとか言ってたけどそりゃそうだろうなと思った。

田園

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趣味で野菜を作っておられる方がいて、苦労もあるんだろうけど、楽しそうですね。
最後に美味しいもの食べれるっていうのがまたいいよなー

うちの向かいもおばあちゃんの趣味の畑です。
宅地として造成されたところに・・元々の地主さんなんだっけ・・その向こうには住宅。
向こうの家の人がこちらへ用があるとき、まともな道から来るとかなり大回りになってしまうため、畑の中を歩いてショートカットしてきます。
自治会のゴミ置き場掃除当番札みたいなの、つぎの家が空き家になったので向こうの家に置きに・・あっ雨だ・・
急ごうと畑の中に踏み出して気づいた・・俺ここ通るの初めてだ。
40年近く、自分は入ってはいけないのだと思って入ったことがなかった・・

この一歩は小さな一歩だが人類ににとっては・・みたいな・・

この畑の主のおばあちゃんは結構ご高齢だと思うんだけど毎日畑の世話をしにくる。
それはいいんだけど、最近強風で警報がでてるような日にたき火するんですよね。
火の粉とんでんの。
でまた火をちゃんと消さずに帰っちゃうんだよね・・風にあおられて火が吹き返してんの。

畑というか・・

今の自分の気分からすると、もう少しテンポ速くてもいいかなぁ・・
これがしっくりくる日もあるんだろう。


いっぱい貼ったってしょうがないけどね。

いい曲だよねぇ・・
田園ていうタイトルは作曲者じゃなくて出版屋がつけたんでしょう?
どの解説にもそればっかり書いてありますよね。
ベートーベンって頑固偏屈親父みたいなのにこんな世界も持ってるんだよね。
うちの向かいの畑はこんなに美しくないけどね・・・

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ベートーベンの自筆譜って、ごちゃごちゃ書きなぐってて判別不能というイメージがあるけど、この余裕を持った楽譜の風景は作者の心も現れたまさに田園でしょう?

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第2主題を支える麦のざわめきみたいなのは略記・・そりゃそうだ書くのめんどくさそうだもん。
自筆譜でこういう×で撤回してある箇所はとても興味深いよね・・それよりいいと思った今がある・・今の理由というか・・・

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2番括弧、嵐の予感・・

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再現部、このオクターブを1拍ずらすのは嵐の後の心の余裕みたいで聴いてて豊かな気持ちになりますよね。

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1楽章終結部、2小節くらい消した案がある・・
今みたいにかわいく終わるんじゃなくて、上品に消えていく案を一瞬は考えてた・・・


中学生のころこの曲を練習してるようなことを言っている女の子がいた。
でも気の強そうな自称「ピアノは私が一番うまいのよ」みたいな子と親友でその子に遠慮してるようだった。
一度も聴いたことなかったけど、なんで聴かせてって言えなかったのかなぁ・・・
そりゃ言えないよなぁ・・
もう会う事もないんだろうけど、どこかでもう一度会ってみたいなぁ。

ベートーベンもこんなことするのか・・ ピアノ協奏曲第4番

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ベートーベンのピアノ協奏曲第4番は曲早い時期に知りました。知って適当に気に入った記憶もあるのですが、いつか聴こうなんて思っていてそのまま30年近くたってしまいました。
気に入って聴きだしたのがつい最近。

シューマンがベートーベンの交響曲第4番のことを「神話の巨人に挟まれた乙女」みたいに評した話が有名ですね。
でも4番交響曲は意外に男っぽいんじゃないかと思ったりもして・・。

わたしはこのピアノ協奏曲の第4番は女性のイメージがあります。
でもただの綺麗な女性じゃなくて・・みたいな・・
この曲、ベートーベンが今までの典型的なピアノ協奏曲の形を打ち破ろうとしたみたいで冒頭からピアノで始まったりするんですけど・・

もう今日言いたいのはここです。
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提示部
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再現部
楽譜的には再現部のが解りやすいですね。
クラリネットがC管なのでちょうど見やすいのですが、あるべき旋律に対してピアノが半音の上下から挟んでいるんです。
不協和音的に旋律が進んでいく・・・
えー!?ベートーベンがこんなことするんだ!?・・・と驚いちゃいました最初・・
ラベルなんかが歌うソロの向こうで半音ずれた楽器を歌わせて調子っぱずれな感じを演出する・・・みたいなのは面白いし、ありそうだな・・と思うけど・・
これきっと、中学生くらいのときに聴きこんじゃったらこれはこういうものだと思って何も感じなかったかもしれません。
でも、これはすごいな・・

ここ、初演の時みんなどう思ったんだろう?
いまもみんなどう思ってるんだろう?

この曲、女性だとして結構美人ですよね。頭もよくて立ち振る舞いも素晴らしい・・・みんなに好かれている・・・
でもこの部分、後ろを向いて「私の好きにさせてもらいますー(*・з・)」みたいな感じに聞こえるんですよ。
ただもんじゃねーなみいたいな・・

そもそも、ここもなんか大事な第2主題が始まったみたいに見せかけて別に第2主題でも何でもないんですよね・・
ベートーベンって、しかめっ面で聴くような重くてまじめな曲の中にも冗談みたいなものが仕込まれていたりして、そこがまたすごい人だなぁと思うんですよね。



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提示部の締め、ピアノのこの長いトリルが終わると普通はオケがバーンと出てきて・・・
でもフェイントというかその先もピアノが美しく語っちゃう・・・
ここも、好感度がものすごい美人が、「仕切るのは私だから・・」とか言ってるみたい・・

そんな女性なのに第2楽章では哲学的な深みを見せ・・

かと思うと第3楽章はなんだおてんば娘が笑いながら走り出してるみたいじゃない?・・

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演奏にもよりますけど・・

この曲好きだな・・