青白い気分と白い店。

波がトンネルごと削り落としちゃうような断崖絶壁に必死にはりつく道路があって、その道路からは見えないようなところに隠れるようなカフェがあるらしいとは思っていた。
やっと行ってみた。
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脇道を少し下り初めて目にしたそれはいきなりいい感じ。
でもこの時これにどんな意味があるのか、ここが私にとってどんな場所なのかなんてまだ知るわけがない。 
店じゃなくて民家の玄関みたいな入り口を開けるとどうぞお入りくださいの声。
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予想通りの世界・・
でもないな、なにかがちがう。
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BGMなんてものは流れていないので波の音が聴こえる。
お客が話せばその声が響き渡る。
ついでに照明はついていないし空調もない、
素の空間
人によっては怒りだすと思う。
多少の違和感を感じつつ、ここはおしゃれカフェとは全く別なものなのだと理解しこれはこれと受け入れる。
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巨大な絵画や彫刻が置いてあり、ギャラリーも兼ねているみたいだ・・
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猫の店員さんに案内されテラス席へ・・
まだ警戒して全然心を開けてくれないけど。

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夏はいいでしょうねここ。
今はまだ寒いよちょっと。
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水平線とコーヒー。
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ニャーっと一言。
すっと立つ姿がこう名門の出身的な・・
でもまだお前に心は許してないんだよっと逃げちゃうのね。

さあ、会計をして帰ろうか
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あっ!
あの、リヒテルってピアニストの?
そうです。ここへ来られたんですよ・・・
有名だからすごいという考え方は陳腐だし、私は特にこの人のファンというわけではないけれどプロコフィエフのそばにいて初演もやった人がここへきてあそこに座ったと聞けばそれはかなり驚きますよ。
都会の有名店でそんなもん見てもうぜーと思っちゃいそうだけど、世間から隔離されたというか取り残された感のあるこんな所でだから余計に・・
あの人は都会を避け地方で小さなコンサートをして回ったそうだけれどこの近くのホテルに滞在した数日、日に2回とかここへきて体と心をいやしていていたという。高齢で体調もあまりすぐれなかったようだ。
あのカタカナも自分で書いたそうだ。誰も読めないわよとか言う奥さんにいいんだよかなんか言いながら。

この会話からマダムとの会話が急に広がった。
最近はマニアックなコンサートに通っているらしく、あなたも是非なんてパンフレットをもらったり。
好きなのは音楽だけでなく美術、建築と多岐にわたっているようだ。
この建物について聞いてみると、ここは戦後すぐに外人が建てた別荘だったという。築70年・・・なるほど、古さというものは全く感じさせないのは逆に当時の超絶モダンな建築だということですね。
新しいだけじゃない。普遍性を持っているんだと思う。
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たくさん話をしていると猫も心を開いてくれたのかやってきてくれて
撫でてよー。
シッポをぶんぶん振り回して。


https://www.youtube.com/watch?v=3mYQuFR8R4Y
ペレアスとメリザンドはベルギー人がフランス語で書いたらしいしフォーレはフランスの作曲家だけど、これはイギリスで上演する舞台への音楽として作曲を依頼されたため歌詞は英語。
この曲、旋律の音高が異なる2つの版があるらしくちょっとのことなのに結果が全く異なるために聴いていて驚くことがある。
希望の光が消えてゆき孤独の闇の中で終わるこの曲に対し、長調的な進行から始まり案に沈んでゆくこちらの版の方が圧倒的に効果的なこちらが好き。
冒頭、非常に単純な構造ながら音楽が青白い光を見せている。
もうこれだけで、歌詞なんかいらない気もする。

いろんな話ができてよかったと明るく結ぶはずなのに虚しさと寂しさみたいなののが襲って来たのはなぜか?
色々書いては見たけれど、全部どうでもいい。
所詮、誰とも分かり合えることなんかない。
でもそれだけに、短い間でも話ができたことに感動したりするんだと思う。

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改めて、いいね。
またきましょう。

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1か月から17年とショスタコになろう

この日はある記念日。
ここは久しぶりに来てみた日本平。
久しぶりすぎて来たことがある程度の記憶しかない。
よく山の上にあるようなあるがら空きの駐車場にトイレと芝生の公園があるくらいだろうというつもりできてみればなんか全然違う。誘導員が多数出ている駐車場は満車で臨時駐車場の立て看板が立っていたりイレギュラーな雰囲気だ。
看板から察するにどうも何か新しい施設ができたらしい。
人込み大嫌いなのに行こうと思えるのはきっとこの超絶いい天気と気持ちのいい空気のせいでしょう。
よくわからないまま人の流れるほうへ歩いていくと
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あれか・・
しかし気持ちのいいい天気にみんなニコニコだ。

公園でよく見るようなメッキ鋼材を組んだ小さな展望台をイメージしてたら意外に立派な施設で係員もたくさんいた。
構造は鉄骨でもってるんだろうけど見せる系で沢山使われている木材は地元の間伐材とかかな?公共施設、世界遺産、予算、メンテナンス、合理性・・とかいちいち浮かんじゃうのは心が嫌味系になってるからかな?いい感じですよね。好きですよ。
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エレベーターもあるようだけどせっかくだから階段を上がる。
2階にはコンサートホールでよく見るような感じのちょっとしたカフェ。
いいかなと思ったけどお茶漬けが1,600円だったので通過。
3階は展望空間というか
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そりゃ展望は最高ですよね。
天気もいいし富士山をはじめ三保の松原から箱根から伊豆から何から何まで見えてしょうがない。
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すごい人。
いつもならちょっとおかしくなったりするんだけれど、
天気もいいしへらへら笑っていられた。
太陽はすごい。
人の心には太陽が必要だ。
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さらに空中回廊みたいなものが延長されて電波塔を一周してる。
夢テラスというそうだ。
いいですね。
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静岡方面
夜景がきれいだと思う。
夕景もいいだろうなぁ・・
まだ寒いかなぁ・・

昔来たのはどこだったんだろう?
あの時もう夕暮れで薄暗かった・・ロープウェイの駅を横目に見たような・・
でも夜景を見た覚えもないな。
探してみても見つけらないけれど、思い出に浸りたいわけじゃないから構わないか。

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入るとすぐに店のおばさんが貼りついてきて逃げられない昭和な土産物屋。
バスガイドさんがオーラーイとか言って誘導する昭和な観光バス。
全員日本語の昭和な団体観光客。
太陽がさんさんと輝いて気持ちがいい昭和な天気。

反対側の土産物屋兼食堂はちょっと新しめ。
前日食い過ぎたのであんまり食欲もない。
いつもはこういうところには絶対に入らないけど、ちょうどいい軽いもんでも・・
大きく見えた食堂は大半がバスでやってくる団体客にあてがわれて固形燃料燃やす的なのと空いたビール瓶、1号車とか書かれた旗・・一般客は隅のわずかな範囲に押し込まれてた。
軽いカレーとかがあるのかと思ったけどちがって桜エビとか鰻とか観光客一直線な構えたメニューだった。
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そういう店に入ったのだから高めの価格も腹は立たない。
桜エビのかき揚げ・・あれ味がない。茶そばのつゆをかけてみるとちょっと行けた気がした。でもなんかこぼしちゃってダメ人間っぽい。
出汁の味が省略された味噌汁には対抗できなかったけどまあいいよ。
ちょっとお時間いただきますと言われて30分以上の待ち時間にも腹は立たない。
どれも腹が立たないのは店員さんのシャキッとした一生懸命さと太陽のつくる驚くべき気持ちのいい世界のおかげでしょう。
みんなすごく待たされてるのにいらだってる人は一人もいなかった。
大事なものってなんなのかを教えてもらう気がした。
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関西弁な人が富士山をみてえーなーとか言ってるのを聴くと自分のものじゃないのに自分がうれしくなってくる。
えーやろー。
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桜と月。

20世紀を代表する作曲家にショスタコーヴィッチという人がいて私が生まれた時はまだ存命だった。
こんなこと書いてもしょうがないけどクラシック音楽=昔の音楽という考えは間違い。名前がそうなっちゃてるし実質それに近い形となってしまってるんだから仕方ないしほとんどの人間がそう思ってるんだからもう負けか。
彼が生きた強権的共産主義のソ連は芸術家にも国家の意向に沿ったプロパガンダ作品みたいなものを強く求め、添えなければ家族もろともシベリア送りみたいな世界だったようだし実際周囲にそういう人を見ていたはず。
交響曲第12番には「1917年」という副題がついていてロシア革命とレーニン賛美みたいな曲だと思う。共産党大会みたいなので披露する相手は音楽通というわけじゃないことを考慮しているのか非常にわかりやすくとっつきやすい音楽として書かれており聴きやすいので昔何度か聴いた。
記事タイトルが17年なので絡めようかと思ったけれどちょっと無理があるか。この日のあたりで聴いていたのは次の第13番。

https://www.youtube.com/watch?v=k9yaoTbKi-I
この曲も表向きにはその路線に沿っており、歌詞の和訳に配給場の長い列でも静かに待ちますみたいなのをみて萎えたこともあった。
しかしこの作曲家の芸術の本質はそんな表面的なところとは別にあるはずでしょう?みたいなのが今の演奏者や聴き手の共通認識で・・と長々書いてもだれが読むのかというのもあるんだけれど・・
重く悲劇的な内容を持った冒頭楽章の後にくるこの2楽章はいかなる権力もユーモアを支配することはできなかった・・みたいな内容で素直に読める反面、歌詞の通り命がけで国家への批判を堂々とちょっとおちょくりながら形にしているようなきもする。
この異様に明るく勢いづいた音楽にはそんな意味があると思う。

この状況下で自分の自由な発想だけを追求し命がけで作品を作り続けた作曲家がいたとして、その彼は偉大かというと作品も人間も抹殺されて一遍も残らないんだから誉めようもない。
強く自分をもって突き進むのもいいが枠を変えられないのならある枠の中でできることを最大限に生かせた方が勝ちなのかもしれない。
芸術とかそんなんじゃなく普段の貧祖でリアルな生活にもそれは適用できると思う。
今、私が直面しているある問題もそう思って取り組めば違う発想で進めるかもしれない。
よし、来週から俺はショスタコだ。


私は覚えられないのだけどこの日は嫁さんと初めて会った日だという。
ここへの坂を走っていると隣で
ちょうど一か月だね。あってから・・
そういうのを聞いたことを思い出した。
それだけ。
1ヶ月は17年になったらしい。
ありがとう。
よかった。


Tag:ショスタコーヴィチ  Trackback:0 comment:4 

美味いもん食ったら胃が痛くなった。

休みの日。
目覚めれば雨音。
でもでかけた。
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箱根越えをして小田原漁港。
ちょうどこの橋を建設しているころ入試の時期で行きの新幹線から見た記憶が。あれから何年だ、初めてここへ来た。
うちのそばからすぐ登りはじめる峠越えはそこそこの距離があっても信号がないため意外に近い印象。山頂付近には季節外れの雪が残っていた。
いくならやっぱり漁協がやってる的な店に萌えるよね。
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あー、あそこですか。
なんかそれっぽくていい感じだよね。
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遠慮なくどうぞみたいな表記の階段を上がると
なんかいっぱい書いてあるけれど、よくわかんない。
売り切れって貼ってある上刺身定食は普通に出てきてた。
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20分待ちとか30分待ちという張り紙があって?と思ったけど並んでてこの位置なら30分待ちとかそういうことか。
人間嫌いで行列や人込み拒否症の私がこういうところへこれるのは、仕事の都合で平日に休みを取れるおかげ。
限定20食みたいなのは売り切れ。そりゃそうだろうな。
自販機で食券を買おうにもいろいろありすぎてよくわからない。
後ろで並ぶ人の姿にプレッシャーを感じ、
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安直に海鮮丼。
結構いろんな魚が充実しておいしかったよこれ。これでよかった。
漁港付近の観光飲食店でよく見るがっかり丼とは違う。あら汁というかちゃんとした身も入ってるこの味噌汁もおいしい。
もう一品焼き物か煮つけの単品を頼めばいい感じになるだろうけど、嫁さんの食べきれない分が回ってくるので頼まなくてよかった。しかしちょっと食いすぎだ。
厨房から聴こえてくる威勢のいいありがとうございましたの声からは伝わるものがあっていい世界を作ってたと思う。
来てみてよかった。
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港の側的な食堂が何軒か続く。いつか行ってみようか。
ここは違うかもしれないけれど漁港に限らず観光地のそばにある飲食店はがっかりリスクが極めて高いですよね。でももしかすると・・ってまるで宝くじ買うみたいだな。

魚で盛り上がれなかった嫁さんが甘いもんが食べたいと言い出す。
言い出さなくても行くんだけどちょっと走ろうか。
途中旧道沿いには海とミカン畑を見下ろして地中海かよみたいな素敵な店があってよく通ったけど、前回呼び止めた店員がめんどくさそうにはぁ?みたいな返事をしたことを思い出し嫌な気分になるのでしばらく行かないと思う。
小さな希望としてはそういうのってきっといつか忘れるんだよね。対人関係だと相手に伝わっちゃって復縁不能に陥ったりするけど店は俺のことなんか知っちゃいないんだから。
そしてなんとなく湯河原。
みつけた妙におしゃれ系なカフェは休み。
昔からありそうな駅前の普通の喫茶店にいくことにしよう。
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裏の駐車場に車を止めるとものすごいカレーの香り。
すっごく旨そうな喫茶店のカレーの・・
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多分老舗の喫茶店なんだろうけど建物は新しくきれいで全席禁煙の表示。
そうすると喫茶店じゃないのか。看板には珈琲屋と書いてあった。
メニューを見るとどれもちょっとというかかなり価格が高め。
観光地だからなぁ・・なんて思いながら
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イチゴパフェ。
おっさんなのにイチゴパフェ。
写真で伝わるかわからないけれどこれはかなりでかい。
望むかどうかは別として、あの価格にも説得力が出てきた。
食べかけの写真は見苦しいけど
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解体掘削状況。
大量の生クリームを撤去すると高密度なバニラアイスが強固に守りを固めており、難攻不落感を漂わせる。
先ほどまで空調がよく効いて暖かく居心地がいいなぁと思っていたのに寒い。
大量のアイスが寒い。
でもすごくおいしい・・子供みたいだ。
負けずに立体構造を解体し、地下へ向けての掘削へ入るとよくあるコーンフレークじゃなくてこんどはイチゴのアイスが出てきて結構な埋蔵量が予想され・・

今日は平日で店内はがら空き。
ウエイトレスって今も言うんだっけ?厳格にやろうという感じの店員さんたちも気が緩むのか厨房付近に集まって羽目を外す様子から親族運営感が透けて見えた。
いいね。ああいうのないな俺は。
嫁さんが全部食べきれないと困りだしてるけどもう加勢できる余裕もなく・・
市場で嫁の飯さんの分まで食ったのを含め次の日しばらく胃が痛く、口内炎もできた。
それにしてもカレーがいい香りだった。
ネット上ですごい写真を目撃したカツカレーをいつか食いに来てやる。
食いすぎたしもう帰ろう。
目の前の道をそのまま走っていけば箱根峠にまで登っていくけれどだらだら何度も繰り返すあのカーブを思うと気が滅入る。
じゃあ熱海経由で・・

飯といえば、ロッシーニという作曲家は料理が好きすぎて仕事にしてしまいそっちの世界でも有名らしい。
序曲集かなんかのCDを持ってたような気はするけど全然聴かないので何か書きようもない。
オペラは聴かないけど成功して道楽生活に入ってから暇つぶしに書いたような小品にいい曲があるのかもしれない。

https://www.youtube.com/watch?v=etb__Zs9U6Y
これはフォーレでこの日の朝聴いたってだけだけど。
戯曲としてのペレアスとメリザンドは見たこともないし興味もないけれどなんか暗く謎めいた話なんですよね。
この前奏曲はそれをちょっと予感させつつなんでこんなに美しい光が差し込んでるんだろう?

海を横目に走り、
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初島が見えてくるとすぐ熱海。
熱海は静岡県なんだけれど、私のところから見ると箱根の向こうにあって文化圏的にも関東に属し神奈川県みたいなイメージがある。
熱海の人はどう思ってるんだろう?
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熱海の駅前にあるビル。
反対や資金面かなんかで実現しなかったけれどかつてここから海の方へ続くモノレールを建設する計画があった。
このビルはその計画を内包して建設されたため、地下に駅の構造と空間を持っているといわれている。
ただ一般には全く公開されることはなく誰も見たことがないため、事実なんだろうけどもうネタみたいだ。
でもそここそがこの話の一番面白いところだと思う。

実はこの次の日がある記念日で、ごちそう食いにでも行くかと思ってた。
ここで食いすぎて気持ち悪くなっちゃってどうすんだよ。
まあちょっと楽しかったしいいか。

Tag:フォーレ  Trackback:0 comment:2 

戻ったことともう戻らないこと

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今年もまたチューリップが咲き始めて。
小さな花には見覚えがあり、また会えたねなんて思ったり。

脱線転覆し炎上に至っていた楽器のレッスン、今回やっとなんとかレール上に戻れたかもしれないと感じて帰ってこれた。
まだ一部の車輪がレールから落ちていてガタガタなのでまた転げ落ちるかもしれないし、まあそれが私だろう。
とはいえ、微速ながら前に向けて進んでいるのかもしれないとも思えば少し明るい気持ちになってくる。
傍からどう見えるかは関係ない。
ありがとうこの世界。
ありがとう私。

散歩の途中。
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息が上がりすぎちゃってぜーぜー言ってるから近道して帰ろうよと言ってみると、何いってんのいつも通りいきますよ!と頑張ってみせたりして。
わかったからいったん帰ってお花見行こうよ。

今までは、嫁さんに犬とどっか行く?っと話しかけた瞬間に状況を察知し
いっきますよー!はいいきますよ!まだですか?
と暴れまわったもんだけれどこの日はそれが全然ないのが気になった。

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少し高いところにあるからか、花はまだ先始め。
犬はやっぱり去年と違う。
暑さのせいでもない。

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あんなに走り回りたくて仕方がなかったのに、

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ちょっとしんどそうだ。
誰でも老いてはいくんだよね。


https://www.youtube.com/watch?v=yYurA2HsIx8
ずっと当たり前にあると思った世界は
無くなってしまったらもう戻らないのね。
いっしょにでかけた散歩が楽しすぎて山中を何時間も歩いてしまい、帰ったら嫁さんに怒られた・・・
もうあれはできないのか。
そう思うと寂しいような気がしてくるけれどまだよろよろで歩けなくなっちゃったわけでもないんだから。

いろんな雑多な記憶が昨日のことのように出てくるけどもうそこへ戻ることはない。
行けば戻る気がして記憶の場所に行ってみたこともあったけど今思えばいかれてるな。
古い商店街で公衆電話のボタンをガチャガチャと一心不乱に乱打している中年女性を見かけた。
あたりを小一時間散策して戻ってきてもまだやっている。
頭のいっちゃった人かと思ったけれどふと気が付いた。
あれ昔の女子高生がポケベルにメッセージ送ってるシーンでしょ?
あの人も30年前の忘れられない世界をとりもどしたい人なんでしょ?

もう戻りたいやり直したいみたいなのは消えた。
やり直すなら生まれる前まで戻らないと。でもそれ俺じゃない。
それはいいんだけれど未来から見た今は戻りたい過去なのかもしれず、
今ここにいられることを最大限に生かしたいような気はする。
気がしているんだけれどイマイチそれができている気もしないし、どうすべきかもわからない。
分かったころには手遅れというのがいつもの形ではあるけれど、
少しでも差を縮められるように。

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毎年、桜もチューリップも花が落ちるのを見て妙に寂しい気持ちになったりする。
でもまた来年があるんだからいいじゃないかなんて思ったりもする。
人は終わったら終わり・・
ちがうか樹だって寿命を意識し悔いの無いよう必死で生きてんのかもしれない。

これを書いている今、窓の外で鳥がいろいろ歌ってるんですよね。
それだけでも生きてた甲斐はあると思うけどね。


Tag:ドビュッシー  Trackback:0 comment:6 

自分は無口でいたいけれど他人の無口は恐怖

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知らない街の、全然知らない神社に立ち寄ってみる。
多分とても古い神社。
桜がきれいだった。
付近には土壁の土蔵を持った古い家がたくさん。そのうちの一軒がいまカフェもやっている造り酒屋で素晴らしい水があるからみたいなことを言ってた。その水のおかげでもしかするとこのあたりには造り酒屋が複数あったりするのかな。
プラプラ歩いてみれば面白いかな。

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あれは実を採るんじゃなくて眺めて愛でるための樹なのかな。

近くにカフェでもないかと探してみたところ、ザルツベルグカフェというのが見つかったので行ってみた。
スマホが示しているところに店を見つけられず、あれ?なんていっていると通りかかった人が何か探していますか?と聞いてくれた。
カフェがあるみたいなんだけど・・
え?
ここにそんなおしゃれなものはないはずですよ・・・
実際あったんだけど、親切な人に会えて心が癒される。

クラシックを聴いてる人間にとってはザルツブルグといえばモーツァルトだったりするんだけれど・・
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こんな店構えで
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入ればこんな感じ。
ザルツブルグじゃなくてザルツベルグらしかった。
モーツァルトが好きな親父がやってるコーヒーショップだったりして・・なんて思ったけれど全然見当違いで都会的現代的な感じの店だ。
それより店主がいきなり超絶無口で驚く。
水も出てこなけりゃ注文を言おうにも席まで来てはくれない。
問には返事をせず頷くだけ・・・
悪気があるとかじゃなくてそういう寡黙な店主というコンセプトみたいなもんなのは理解できた。
都会の真ん中にありそうな話だけど、それがこののどかな田舎の駅前にあるところが面白いんだと思う。
BGMはよくあるモダンジャズじゃなく邦楽。と言って流行りのとかじゃなく店主の好きな音楽なんだろう。

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ミルクや砂糖は出さないからどうしてもというときは声をかけてくれとのこと。
多分、どんなに苦くても声をかけることはできず我慢して飲むと思う。
クールな店主、いいですね。
HSP基調な人だと何怒らせちやったんだろう?と不安をあおられるくらいの・・

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持ってきたものをゴン!という音とともに机に置かれると
あ、やっぱり俺が悪いから怒ってんだなという思考が自動的に走っちゃうのがHSP。
最近いろんな知識が入ってきたり幼少からの流れについて考えてみたりして自分がどんな時にどんな思考をするかの知識的なものが整理されてきた。
今のこれいつもの病気だから・・自分で自分に騙されちゃいけないぞみたいな思考が同時に走ったりもして、それらのうち強いものが勝って自分の気分を作ってゆく。
ここで私に何か不満でもあるんですか?なんて言っちゃえるような人はHSPじゃない気がする。
他人のことは知らないし、この手の用語系な話は言葉に遊ばれがち。認識に差異があったもするので他人との共有も難しいと思う。。
じゃ書くなってのをよく見聞きするけどそれは言ったらおしまいだよね。

この時は別に大丈夫。
ブログネタになるなぁ・・なんて。


https://www.youtube.com/watch?v=7kWsMexg0zg
有名な組曲の終曲ですけどちょっと不思議な感じがいいですね。
別な曲について書こうと思っていたけど思うところがあって差し替え。
むかし夕方にAMで楠田枝里子だったかの番組があってエンディングにこれをシンセサイザーでやったようなのが流れていた。まだクラシックも聴かないしドビュッシーなんか知らなかった頃。
あの頃まだシンセサイザーの音色はちょっと特殊というか特別な世界観を持っていたと思う。それが曲の不思議な感じとうまく融合して。
続きを聴きたいのにいつも同じところで終わってしまう。その続きへの期待が膨らみすぎてしまい、はじめて聞いたとき、へ?みたいな感想となってしまった。

ともかくこのカフェモカは砂糖なしでも十分おいしく飲めた。
多分ここはすごくいいお店。
もし、また来る機会があるならコーヒーを飲んでみたいなぁ。

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桜に夕日。
なんかちょっと寂し気。

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桃と夕日。
地元にはないスーパーやホームセンターが嫁さんには面白いらしく、
しばし付き合う。

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こんな桃の梱包材を売ってんのが面白かった。
ああ山梨に来たんだなぁ・・

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柿にぶどうもあるよ。
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シャインマスカットも。
ちょうど電気製品売り場のテレビがローカルニュースを流していて、農協の総会みたいなので昨年はシャインマスカットのおかげで果物の出荷量が激増したとか言ってた。
よかったね。
俺まだあれ食ってないよ高いんだもん。

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帰り道、山肌に鳥居みたいな・・
かがり火とかじゃなくて電灯かもしれない。
反対側のこちらの山にも何か光っていた。
これなに?
昔はなかったよね?
反対の今私がいる山には多分大文字焼き。
照度がありすぎて回りの畑が明るく照らされてた。

何でもいいや楽しい一日になりました。

Tag:ドビュッシー  Trackback:0 comment:2 

花のみち、自分の道

朝起きるとうぐいすが鳴いていた。
丸っこくて艶のあるかわいい声。
時々開始の音程を変えてくるのは歌っているんだろうか?
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桃の花と富士山。
のどかないい天気。
私にはわからないけれど花粉もすごいらしい。
桃花粉でも鼻水が出たりするのかな?
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桃畑の中を行く。
まだ少し早いのかな。
でもこの日すごく温かかったからこの数時間後、日没の頃にはあたりが桃色に染まり始めてた。
とまっているようでどんどん花が開いてたんでしょうね。


https://www.youtube.com/watch?v=q9umBE2Gn7Q
この時ちょうどこの曲を聴きたいところだった。
こんなに聴く喜びにあふれた音楽が他にあるだろうか・・
いやもちろんあるんだけど今はいいじゃない。
もしこの曲を弾けたら死んでもいいと思う。
絶対弾けるわけないからそんなことが言えるわけでやっぱり死にたくなんかないですよ。
花もきれいだしさ。
いいことあるよね。

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この2重トリルなんか花がいっぱい湧き出てきたみたいに聴こえますよ。

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桃と青ってのもいいよねえ。
富士山が小さく顔をのぞかせてるのがいいよね。

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結構花開いてるのか。

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いいね、桃とふみきり。

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小さな用水路が線路をくぐる暗渠はレンガ積み。
100年以上前からあるものですよこれ。
変に目立ってわかりやすいものをありがたがるのもいいけどよりこういうのにもロマンを感じるよねえ。

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のびのび育った若者と、

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英才教育で押さえつけられ矯正され育った優秀な・・

いろんな生き方があるんだろうし、何が正しいかなんか知らないし知らなくていい。
ある人にとっての誰もがうらやむ大正解な人生も、別な人間から見れば陳腐なものだったりすると思う。
世の中全体が馬鹿にしていても豊かな人生というのもあると思う。
別に負け惜しみじゃなくてさぁ。
誰にどう思われるかじゃなくて、自分の人生を自分で生きなくちゃいけないよねえ。

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桃と富士山。
もういいか。

何か考えると辞めてしまうので何も考えずに飛び込んでみたアマチュア演奏団体では結局散々な結果となり逃げるように終わってしまった。自分はどんなものなのかを知るという意味ではやってみてよかったし、その失敗があるから今やりたくてやっていることがあるとも思う。ただ泥をかけるように逃げた形になっているのが心に引っかかっていた。
先日、その代表というかお世話になった人からメールが来ておどろいた。
復帰しませんか?の文字に心が躍る・・
でもそこに甘えるのは間違えだ。
何があったのかは自分が一番よくわかっているだろう。
もらったのは復帰のチャンスじゃなく、きちんと終わりのあいさつをさせていただくチャンスなんだと考えそうさせてもらった。
とっくに納得していたことを確認しただけなのに、なんでこんなに寂しい気持ちが襲ってくるんだろう?
でも、惑わされちゃいけないと思う。
今日も楽器の練習に行ってきた。
また勘違いかもしれないが、わずかながら進歩をしているのではないかという気持ちで次のレッスンに臨もうとしている。
これでいいじゃない。
誰にも会わない小部屋で一人練習する毎日があるだけ、この先何ができるかという見通しもまったくないけれど、
それを自分が望んだんだから。
そうできているんだから。

返事もなく当然だなと思っていたその人から暖かいメールが来ているのに気づいてまた嬉しかった。
世の中、捨てたもんじゃないと思う。


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葡萄って、冬は葉を落とすんだね。
上から見ると一本の木を効率よく這わせて最高の収益を得る工夫がよくわかる。
葡萄も大変だ。

何の生産性もない奇形の雑草かもしれないけど大きなお世話だしまあなんだっていいじゃない。
実はならないけど小さく花くらい咲かせられたりして。

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え?とへこんで桃の花

昔、何も考えずに行った甲府盆地が桃の花の色に埋め尽くされていたのは忘れられない。
まだ早いかな?でも来週じゃ終わってんじゃないの?とか思って見に行った。
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行ってみると標高の高いところはまだ咲いてもいない。
見渡す盆地はまだ褐色・・あぁ、早すぎたかぁ・・
それでもあるところには結構花がついて。
まだ咲き始めというところ。
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でも、きれいだね。
桜と似ていそうで結構違うんだよね。

行こうと思っていたレストランは休み。
なんでいつ来てもやってないんだろう?なんて思ってたけどそりゃそうだ定休日だった。
たまたま近くにあったブドウ農家が自分の畑の隅でやっている感じのカフェみたいなのに入ってみようか。
いい感じに見えた店内に入ると空いている窓側じゃなく狭い席を指定され、さらにほぼ同時に入った別な客を触りそうな隣に詰め込まれる。まだくるかもしれないお客のために空き席を作っとかなくちゃなんないんだろうと思うとあっちに行きたいとは言えなかった。
待っている間、この店のレビューを見るともう2度とこねーよみたいな批判的な書き込みがいくかでてきて衝撃を受ける。
席の指定で多少気分を落としたけれどお店の姉さんは笑顔で一生懸命頑張っているようにも見え、あんなにコテンパンにたたかれているのを読んだらかえって気の毒になったりして。
こういう時に人気の裏返しでしょうとか言えばいいのか。
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蕪のスープはなんかこうよくわかんない味だったけれど、
このハンバーグはおいしかったよ。
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イチゴのドレッシングでーすとか嬉しそうだったのは季節の味だよ・・というとこなんでしょう。
おっさんとしてはなかなかなじめないけれど確かにイチゴの味だった。

すぐ横には職場の仲間らしい女性が二人。
私悪くないからぁ・・とか女子中学生みたいな口調で誰かの悪口を乱射するともう一人が祭りのお囃子みたいに合いの手を入れていく・・
こういうところに来て女性の軍団に遭遇したら、それはそういうものでしょう。
うるせーとか思うおっさんはそもそも来ちゃいけないのかもしれませんね。

触ると閉じる葉っぱとか触ると刺を出すと虫がいる。この時自分の心は別な場所で敵を感じて刺を出しながら閉じてるところだったと思う。仕事の愚痴かなんか知らないが隣でワーワー喚いてるのに自分のなかで押さえつけていたものを刺激されてイライラし始めた。
後で嫁さんにそのことを話すと
むしろ向こうが普通でうちの静かすぎるのがおかしいんじゃないの?
なんて言われてちょっと凹む。
もっと楽しい会話をたくさんしたいのに寂しい・・だそうだ。
え?・・・・・・・ そうかぁ・・・・

嫁さんと出会うはるか前にも誰かと飯食いに行って一言もしゃべらないの?なんて呆れられたことがあった。
ずっと、身を守るためには口を開かないことだったのが染みついちゃっていることを意識し・・あ今この話じゃないな、
もうひとつ暴論みたいかもしれないけれど、
いろんな話題を楽しく心置きなくやり取りできる仲になったとしたらその人とはその先もう長くないと思う。
私がそうなだけだからそうじゃない人は読み流してね。

それはともかく、嫁さんにそう言われたのがきつかった。
ちょうど前の番、別件で嫁の本音をたたきつけられたばかり・・
今後、なにかうまく穴埋めさせて。

小さな子供の声が響き渡る。
1歳?うちの孫とおんなじー
となりの女子中学生みたいな口調の人には孫がいるらしい。
店中みんなで盛り上がってなごやかな・・・
1人押し黙る私は陳腐な負け組。
ゆっくりすることもなく、嫁さんが食べ終わるとすぐに店を出た。

間違えちゃた。
しずかな店がいいのなら、観光客もくるようなところでおしゃれ店みたいなのに入ったりしたら駄目だ。
野菜の素揚げやイチゴのドレッシング、農家を意識した料理。
静かに食べれたらきっと素敵な店だったとかなんとかかけたのかもしれません。
まあそのもっと前から間違えてるからこんなにいらんことでいちいち気に障るような人間になっちゃったのかもなぁ。
そうはいったって簡単に修正もできないし、ある状況でうまくやる道を探せばいいか。


https://www.youtube.com/watch?v=LuetTNg9D3U
ショスタコーヴィッチの交響曲第14番 第2楽章は面白がる曲じゃないのかもしれないけれどかなり面白い。
歌詞は死はせわしなく居酒屋を出入りする・・とからしい。
ほんとにせわしなく動くヴァイオリンの下で四分音符で動いている低弦はときどき
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こうやってどんどん刻みを加速させ・・みたいなことをやってる。
それが次へのエネルギーを生んでというか聞いてて面白いんだけれどこれが、

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全曲を締めくくる最後の言葉ともなっている。
その意味は・・とか語れるほどまだちゃんと聴けてない。

なんかちょっと下がっちゃった気分で走り出すも花の時期にはまだ早いみたいで・・どこへいこうかぁ・・と腐り気味。
あーあ、今日は失敗かぁ・‥なんて思いながら走っていると急に花の塊が目に入る。
脇道に車を突っ込み・・

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白い花が満開・・
これも桃?

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花ってすげーな。
腐ってたような気持なんかもう消えちゃった。
見回すと、このあたりだけ結構な花が咲いているみたいだ。
いいね、ちょっと散歩させてもらおう。

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山梨に来ると、道端にハッピードリンクショップという看板と複数の自販機というのをやたらに見かける。
ただあるんじゃなくて爆弾価格で勝負みたいなの・・・
大阪の50円には及ばないにしろ、こんなものがそこら中にあるという事自体この地方の文化みたいなもんだよねもう。
見たことないようなメーカーの商品が面白いらしく、嫁さんが釘付けになってる。
何だか知らないけど楽しそうなのを見てればこっちも楽しくなってくる。

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これは桜。
この先には桃の畑。
いい午後になりそうな気がしてきた。

Tag:ショスタコーヴィチ  Trackback:0 comment:2 

謎の危機感

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そんなつもりじゃなく行った場所で思いがけず桜。
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まだ咲き始めたところかな・・
桜があるとは思っていなかったので結構衝撃的。
天気悪いけれど、何も光に照らされているのばかりが良い景色じゃないよね。

この日の夜、なんでか知らないけど嫁さんの元気がなかった。
次の日、そういうの伝染するのか私も憂鬱になり二人とも下がる。
嫁さんに飯でも食いに行く?と聞いてもいい返事が来ない。
そうですか・・
犬の散歩に入ってやらなくちゃと外へ出ると
超絶いい天気だ。
犬まで伝染して散歩いやーはやくかえるー
なんて言ってるのを無理やり引っ張って・・

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いつもの場所のいつもの景色だけど

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なんかこの絵が気に入っちゃって・・
犬にそこでいい感じになってといっても
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はぁ?


https://www.youtube.com/watch?time_continue=2890&v=oep5Rude4mQ
マーラー6番のAndante
不意に頭の中でこれが鳴ったりして。
初めて聞いたのはもう27年前の今頃、バーンスタインがウィーンフィルを振ったこれは出たばっかりだったような・・この盤不評も多いが大きなお世話である。
お告げがあったので大学に進学することにし、そのアパートを探しに行くとか言ってる頃だった。
新幹線はまだなくと在来線の特急の車窓を眺めながらカセットテープにダビングしたこれを聴いていた。
雨の降りそうな曇り空の下、ふと見ると田んぼを数匹の犬が歩いている。
リーダー格が一匹、その後ろを何匹かがお供のように・・・
ちょうどそのとき流れていたのが
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この辺り。
それがどうしたという話だけれど、ふっと焼き付いたものがずっと残たりするんですね。
その時はまさか30年後に思い出すとは思わない。

幸せな気分の中からふっと我に返るところ。
この後悲痛なまでの叫びとともにカウベルが鳴る。
この手前のカウベルはアルプスのホルンや弦楽器による草原の風や小さな花、牧場の描写ととってもいいと思う。
でもこの先のカウベルは意味が全然違う。
他楽章では舞台裏から暗示的に聴こえてくるカウベルが、ここではオーケストラの中の見える位置でで鳴らされるのには意味がある。
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私の感じるところではこれは、愛すべき家族、信頼できる仲間・・その存在をすぐそばに感じながら自分は強く未来を切り開いて進んでいく・・というようなことを言っていると思う。
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ギザギザ線みたいなのがついてるのがカウベル鳴らせ・・
弓を返しながら直線的に伸びるヴァイオリンのFisは、強い決意と力強い意志なんだと思うんですよね。
実演に行ったときにはそんなつもりじゃないのにこの場面で涙が出てしまいびっくりした。
音楽の力を思い知らされた。

私は人間世界で失敗気味なため信頼できる仲間なんてないけれど、犬と嫁さんがい・・・
とこの記事書いてあったのだけど、その後意表を突いたタイミングで嫁さんが本音をぶつけてきた。
別に別れたいとかそんなんじゃないけれど、いろいろ考えさせられる。
わたしにも言い分はあるけれど、ずっと先を見通すとやっぱり嫁さんは大事にしなくちゃいけないよね。
いなかったらどうなってたかは、いなかったこともあるのでわかる気がする。

いま、もしかすると何かを考え直さなくちゃいけない時期なのかなぁ。
逆に何も変えないように努めろという事なのかなぁ。
頭の中でなんだかわさわさガタガタしている。
一見安泰なようでちょっと踏み外せば・・みたいな謎の危機感を感じる。


日の光ってすごいな。
湿った気分を干してくれることがあるみたいだ。
嫁さんに飯食い行く?というと行くみたい。
嫁指定のお店でいい気分で食事をしていると後から来た客がたばこを吸い始め・・あれ禁煙じゃなかったの?
まあいいやもう終わりだし早くどっかいこう。

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先始めた桜と滝。

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ちょうど富士山にかかる位置にマンションが建っちゃてんのね。
いいけど。
滝壺のあたりへも降りられるようになっていて行こうかと思っていた。
そこへ若い男女の集団。
駐車場に彼らのものらしいレンタカーが2台あった。
まだ免許もとったばかりの学生とかなんかだろう・・まだ子供みたいだ。
男女別々に群れて・・川に石を投げたりして暴れている男の子の頭の中は女の子の気を引くことでいっぱいだったりするんでしょう。
いいねえ。俺にはああいうのはみじんもなかったわ。
それだけに嫁さんと知り合ったのは奇跡みたいな話のようで、単なる偶然じゃないことを自分は知ってる。
ここに滝があることは何十年も前から知っていたし、すぐわきの道路を何度も何度も走ってきた。
なのにこの滝を見たのは今日が初めて。
こういう、すぐそこにあって知らないことがまだあるなら、まだまだ生きてたほうがいいですね。
生きていくために何が必要でどうするべきかを忘れたら終わり。

Tag:マーラー交響曲第6番  Trackback:0 comment:2 

海辺にて

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飯でも食いに行こうと海辺まで来た。
いつもは迂回する有料のトンネルに小銭を払えば、意外に近いのね。

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海の前にこんな洋風の建物。
地図上の表記はカフェ
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海の見える席。

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実際は和食系魚料理の店。
嫁さんはそういうの嫌いだから海辺のカフェにいく?くらいから始めないと一生来れなそうだ。
この先に前から嫁さんが行きたがっているカフェがあり、そこへ行こうという餌に騙されたふりをして食いついてくれた。
写真だとちょっと貧弱に見えるのはこの手の店にありがちな豪華な定食とかじゃなくて安価なランチだから。提示された物の中から二品選べますよというもの。これでいいよ。
嫁さんはカレイの煮つけと・・多分魚苦手な人をフォローしてくれてるチキンカツ。
小鉢バイキングとかいって中央のテーブルに置かれたちょっとしたものが取り放題だったのでなますをやたらに食った。
嫁さんは甘い豆がヒットしたらしくそればっかずっと食ってた。
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メジカマの塩焼きと刺身。
メジカマって何なのかもわからないまま頼んじゃたけど塩焼き美味しかったよ。
ずっと海鮮丼にすればよかったかなぁなんて思ってたけど塩焼きにしてよかった。
海辺の店に行けば驚くほどうまい刺身が・・・という幻想に縛られるのはもうそろそろいいにしようか。
もちろん刺身も普通においしかったよ。
カレイの煮つけも私の口へ・・

この先次の集落まで絶壁に沿うような山中の細道を行く。
えこんなところに?というところにある嫁さんが行きたかったカフェは閉鎖中。
看板なんかが無残に打ち捨てられていてああもうやらないのかもなと思ったけれど、Twitterをみると休止中ということのようだ。
どうするか迷ったけれど、この先の港町に昭和な喫茶店があるらしいのを発見、このまま進む。

天気は悪いけれど人の手が届かない山中に白い桜の花がパッチワークみたいに炸裂してなかなかの景色となっていた。
見とれていたい景色はあっても道が狭く後続、対向車もぶっ飛ばしてくるので車を止める気にならないままだらだらと進む。
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しばらく進めば戸田。
天橋立みたいなのが防波堤になって、天然のいい港になってるのね。

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強い波の入ってこない静かな海。

学生の頃、休みの日にスクーターや自転車で海まで行った。
行って何をするわけでもない。
人なんか絶対来ないような防波堤の上にポータブルCDPを持って行き聴きながらボーっとするだけ。


https://www.youtube.com/watch?v=8liF-5JYnSg
亜麻色の髪の乙女。これ単体はいい曲だねでいいんだけど、あの前奏曲集第1巻に収まっているところが不思議といえば不思議。

多分そこでこの曲も聴いたんだろう、静かな海を見たらこの曲とあの時の景色が頭の中に広がった。
休みの日だけれど、誰とも会わないし何にもしないから何にも得られないし成長もしない。
あなた人生を無駄に過ごしていますねというやつだ。
私の場合その時はそれすらわからず、自分でそう思うまでまだ20年以上が必要だった。
まあいいよ。
あれからここまで生きてきただけでも大したもんだ。
ありがとう。
よかった。

私はフラット5個の変ニ長調にパステルカラーみたいな色のイメージがあるのだけど、
1240.png
このフラット6つの変ト長調には、ビスケットの上に甘いチョコレートがベターっと塗られているようなイメージを持っています。
この曲を聴きながら想像すると頭の中に出てくる乙女はそんな色の髪を持っているけれど多分それは亜麻色の髪じゃないと思う。

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いいねこの感じ。
うしろの深海魚料理も気になるけど。

2984.png

入るとまあ予想に乗ったような店内だなぁ
と思ったらいきなりカウンターの中からお水お願いしまーすの声。
コップを渡され、そこにある冷水器で勝手に入れてくれという・・
いいねぇ・・逆にいいねえ・・
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値段も昭和でいいね。。
モカパフェにしようか。
2985.png
休みの日には観光客が来たりもするのかもしれないけれど平日は近所の人が常連さんなんでしょうね。
それ系の人がカウンターでママと楽しそうだった。
そのカウンター内から
ヨーグルトはいれないほうがいいですかー?
えー?
モカパフェにヨーグルト?と思ったけど入れてくれるのなら何でも入れてよと思いでっかい声で
だいじょうぶでーす。

できましたぁーみたいな声がかかるので自分で取りに行く。
2986.jpg
いいね、全面生クリームにスプレー。
この銀色のスプレーなのか茶色の粉末なのかわからないけれど、お寺のお香みたいな味がした。
素朴でおいしかったよ。
量もちょうどいいし。
コーヒーゼリーがちょっと入っていたけれど全体的にはヨーグルトと生クリームの白い世界な印象で、モカパフェだったかは疑問が残る。
でもいいよ、そこがまたいいよ。

これはもう、食べ終わった食器も自分で下げないとねと思い持ってく。
笑顔のママが
おいしかった?
突然すぎておいしかったぁ・・しか言えなかった。
そこですかさず会話が弾むような人なら人生無駄にしないんでしょ?
ほんとはカウンターに座ってなんか話をしたりすると楽しいのかもね。
最後にお釣りを小銭でぴったり渡したら10円負けてくれた。
そんなやり取りで十分。
いいね・・昔どこかにあったようなお店に今行けた気がする。
そして、またいい休みの午後になったと思った。

Tag:ドビュッシー  Trackback:0 comment:4 

死神とカラスと中年

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もう先週だけど2週間ごとの楽器のレッスンは、前回のような悲惨な気持ちでじゃなくまた頑張ろうなんて思いながら帰ってこれた。
でも内容的にはレールから脱線転覆してると思う。何回か前から出ていた意識過剰になりすぎて体が硬直する病はいよいよひどくなって痙攣しながら吹いてるから音もトレモロみたいになっちゃったり。4歳とか5歳のこどもみたいだ。みたいじゃなくて実際子供のまま止まっちゃってるのかもしれません。そういうのも含めて逃げちゃってることをやってみようというのだからいいの。
最後には少し安定してきて、頑張りましょう!という先生の笑顔を見て終わったような記憶。
その後の練習で、きっかけをつかんだか?なんて盛り上がるんだけど次の日になると見つけたはずのものは嘘のようにどこかに行っちゃってるのね。今日はなくすのが嫌で家に帰るとまたすぐ楽器をもてば・・・もうどっか行っちゃってる。
それでもなくすとまた見つけるのに何週間もかかっていたものが、つぎの日の終わり際にまた見つかったりするようになってきたような気もする。それも勘違いかもしれないし、実際何にもつかめてないのかもしれないけど。
初めてもう何か月だっけ?普通の子供なら初めて楽器をもって3分くらいで通過するところがまだできないんでしょう。
まあいいや、また明日。
この先どこを目指すかなんて話も遥か彼方過ぎて想像すらできないけどいいの。当面の目標は逃げないこと。
毎日こんなことをやってること自体が私にとって何かとても大事なことだからいいの。

しかしこう文字にして並べてみると、内容はダメ人間でも方向としてはポジティブな方をむいてるのね。
それじゃあ今この頭の中のにある暗い悪臭みたいなのは何か?
ふと、10年以上前に読んでいたブログを思い出した。
探すとまだあったけれど、もう何年も前の疲れた書き込みを最後に途切れていた。
ある趣味分野でそこそこ有名だったのかもしれないその人は、趣味とは違う場面での今私が持っているのと同じ不満をちょくちょく口に出すようになった。
本人は耐えがたいなんて思っているけれど、誰もが抱えるし、どこにでもあるようなものだ。
その不満はだんだんエスカレートしてちょっとどうかと思うような状況になったと思ったらその人はその場から逃げる決断をしてしまった。解らないでもないし、自分も若いときにげた。でも年齢的にきびしいよね?
しばらくは勝ち誇ったようなことを並べていたけれど、すぐに厳しい状況に泣き言が並んだような状態となりその後消えていった。
その人が今どうしているかは知らない。きっとブログが放棄されただけでどこかで元気にやっているんだろう。
しかし最後の書き込みで若くしてがんで亡くなった人について触れていたのは偶然とはいえ象徴的な何かを感じる。

何が言いたいかというと近代的で文化的に見えるこの世も、一歩踏み外せば命もあやうい恐ろしい世界なんじゃないかという事かなぁ。
え?そんなこと?みたいなきっかけから・・
人間には生きる理由が必要だ。
死神は、意外とすぐそばにいて静かな笑みを浮かべていると思う。


長年クラシック音楽を聴くのが楽しみで生きていますが、全然理解できなかった大曲にふと目覚める瞬間というのが来ることがあります。その機会は歳を重ねるごとに減ってゆくので、うれしさみたいなのは逆に大きくなってゆき、見たことのないい新しい土地を発見し足を踏み入れ新しい生活を始めるかのような気持ちになる。
今またそれっぽい。

https://www.youtube.com/watch?v=UzI-_dJsTc0
ショスタコーヴィッチの交響曲第14番は無調で極めて難解、ちょっと俺には無理だなんて思っていた。
その中でも比較的わかりやすいメロディーらしきものがいきなりなるこの楽章が急に頭の中で鳴った。
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裸で始まるシロフォンソロは何も知らないと間抜けの踊りみたいだけど・・
行進曲調の音楽はこの作者のいつもの作風であると同時に、歌詞に登場する兵士を暗示しているとも思う。
興味をもって調べるとこの曲は近親相姦を扱った曲という解説を複数見かけたけどどうなのかなそれ?でもそれは違うでしょうという人もいた。
クラシックを聞いてきた人間ならこの楽器が死神を暗示するのに使われたことがあることがふと頭に浮かぶかもしれない。
全曲を死というテーマが埋め尽くすこの曲にあってシロフォン。
多分、作者も聴き手がそう感じることを想定していると思う。
兵士を愛おしい弟と歌うのは死神・・・

そんなことを考えながら最初の曲から聞いてみると、
わかりやすい旋律、和声、リズム、聴きなれたショスタコ節がスッと入ってきて無調の難解さなんてどこにもない。
あれ?この曲いい曲なんじゃないの・・
今こんなところ。

それがどうしたというところでしょうけれど、こんなことでもいいからあれば死なずに済むんだと思うんですよね。
もういいやと思ったらほんとにすぐおしまいだからね。
匂いでもするのか死神はすぐそばで見てると思う。
死神はもうちょっとどか行っててください。

2971.png
あのカラス
どっかおかしい。
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羽根が曲がってしまい飛べないみたいだ。
ずっと歩きまわっていて、人が来るとうろたえておろおろと逃げている。
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飛べないので歩いてどこかへ逃げていこうとする・・
しばらくたってまた場の隅の方を歩いているのを見つけた。
・・・あのまま飛べないんじゃ、もう命の危険にさらされているという事じゃないだろうか・・
絶望的な状況にこちらまで悲しい気持ちになりながら彼のを追ってゆくと
あ・・
飛んだ?
木の上に上がった彼を見ると折れた羽根の角度はさっきの半分くらいになってる。
もう一度飛んで・・
浜辺に降りた彼の羽はもう曲がってない。
もうただのカラスだ・・
なんだおまえ飛べるじゃねーか・・

よかったね。
もう全然できないと思っても、
やってみればいいじゃんてことか。
諦めたら終わり。

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どんより曇った空は海に色を与えてくれない。
でもそれなりの光を落として、一瞬奇麗だった。

Tag:ショスタコーヴィチ  Trackback:0 comment:5 

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Author:unagi
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