5とか7

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なんとなく7連符とか考えていて・・
マーラーの交響曲第3番第4楽章です。
構想時の副題は「夜が私に語ること」
ニーチェのツァラトゥストラはかく語りから「ツァラトゥストラの真夜中の歌」が歌われますが、何しろ夜です。



曲中のいろんな動機が第1楽章で提示されていて強い関連を感じさせますが・・
ホルンの2重奏が歌って・・ノクターンでもありますね。
実演を聴きに行ったときこのホルンの2重奏が月の光に見えた。
ほるの旋律に月に光が当たっているように聴こえたんです・・よかったあの時。
低弦のDとAの伸ばしは闇を描いています・・ニ長調だから・・でしょうけど、自然というか宇宙の真理みたいなことを言ってるんだと思うんです。巨人の冒頭の霧もAの伸ばしですね。
チューニングもAですが、Aは自然の象徴かなんかなんだろうと思います・・私は絶対音感もなく屁理屈で聴くだけですが、感じる人は感じるんですか?自然感みたいなの。高いだ低いだってそういう話じゃなくて・・
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フラジオレットの弦とハープがスーッ!と走る光を描いて・・・マーラーマジックみたいになっていますが、よく見るとピッコロが変に低い音域で吹いていてまた何か企んでる感じがいいですよね。
そしてこの7連符・・
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間奏を挟んだここは7連符と5連符がいっぱい・・
こういうの普通の感覚だと6連符とか8分音符だとかになると思うんですが、7とか5とか割り切れない数字をここに充てているのは明らかに狙ってやっていますよね。
なんでしょうかこう・・・人の手の及ばない・・自然の摂理・・みたいなことかなぁ・・
実際ここは聴いていてああ、7連符だなとか5連符7連符がさっこうしているんだななんて感じることはできません。
でもなにかウニョウニョウニョと変な波が発生しているのは感じる・・とても面白い部分だと思います。
よく見るといろんな楽器が歌う主要旋律も7や5に支配されています。
天才的聞き取り力を持った特殊な人以外は気付かない様な仕掛けを、楽譜の中に込めるのはバッハとか昔からありますよね。
こういうの書いてて楽しいでしょうね。

ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」は読まなくちゃいけない気がして昔買ってきましたが2ページ目くらいでどっかいっちゃってそれっきりです。
リヒャルト・シュトラウスの超絶有名曲、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」そのおしまいのほうには鐘が12回ガンガン鳴らされる部分があるんです。マーラーのこの曲はあの鐘の鳴るところと同じ場面なんですよね。
だけどリヒャルトのそこはものすごい大騒ぎなんですよ。
この曲の世界に浸っているとき、リヒャルトのあれを思い出すと笑いそうになる・・
あちらは最も遠いロ長調(人間)とハ長調(自然)が同時進行して、絶対に相いれないものだみたいなことを言ってるらしくまた面白いことになっちゃているわけですが・・

こちらのこの5と7も何だか深い意味があるんじゃないかなぁ・・
リヒャルトと違って「おお人よ、よく聞け!」という言葉を受ける人間が音楽の中に描かれていない気がしますが、呼びかけられている人というのはほかならぬ聴き手自身なんじゃないかなぁ・・
聞け!って言ってますから聞かなきゃならないですよ我々。

そういえばこの曲もニ長調なのにAで終わって永久に完全終始しないんですよね。
この永遠というのも意味があるんでしょう?ニーチェ的に・・ちゃんと読んでいなくて何だか知らないけど。

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ビオラがゆっくり振動し始めてトリルに移行していく・・
イングリッシュホルンに被って、またピッコロが低域で・・
音だけほしいならこれはフルートでやればいいんだしこれも何か狙っているネタですよね・・

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旋律も7に支配されてる。

詩の意味が音楽にどう反映されているかを知るとまた面白くなりこの曲がいとおしくなってきます。
またそのうち書いて見ようと思っています。

そうだ・・
死の床にあるマーラーへ宛てた、リヒャルト・シュトラウスからの手紙が残っているみたいです。
リヒャルトはマーラーがあと数日の命だと知っていたようだ。
そこには「今、君の第3交響曲を演奏すべく準備を進めているところだよ。もちろん僕が指揮をするつもりだが、君が望むなら君のこの素晴らしい作品を君自身の指揮でも聴くことができるととてもうれしいのだけど・・きみの手を煩わせないよう、僕がしっかり稽古をつけておくから・・」ということが書かれているそうです。
妻によるとそれを読んだマーラーはとても喜んだという・・

(;_;)

やっぱりやってた 2重テンポ マラ3

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一つの曲の中で2つのテンポの音楽が同時進行してしまう2重テンポ状況。
いろいろあると思うんですが、この人もやっています。・・

マーラーの交響曲第3番にははっきりとそれとわかる2重テンポ状況が発生しています。
展開部の最後は嵐になっていますが、

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嵐がフェードアウトする前から舞台裏の小太鼓が乱入

ごちゃごちゃと文字が書いてあり、小太鼓には「チェロとコントラバスに構わず冒頭のマーチテンポで入れ」
チェロとコントラバスには「マーチのテンポで入ってくる小太鼓にかまわず、嵐のテンポを維持しろ」みたいなことが書いてあります。(多分)
実演を聴きに行ったとき、指揮者はチェロとコントラバスに向かって指揮をしていました。
舞台裏の小太鼓にはノータッチで、チェロとかが終わっちゃうともう何もしない・・・次のホルンに向けて・・・
明らかに異常な状況が目の前に展開します。

楽譜的には小節線が縦に通っていて全パートが同一時間軸に乗っているように見えるけど、実際は演奏が進むと時間的な位置もずれていくわけで楽譜的には理屈が崩壊しているわけですね・・

多重テンポの音楽というと後の時代で挑戦的にやっているようなイメージもありますがやっぱりこの人やってますよね。
街に出たとき、あちこちからいろんな音楽や音が聞こえてきて交じりあり、耐えられないような騒音状態となているのを聴いてマーラーは「これこそポリフォニーだ!」とか言って喜んだそうです。
そういう人が、伝統から外れたことをやると酷評されてつぶされる音楽界に切り込んでいこうという・・

聴いていると短い間ですが、マーラーの喜んだ不思議な感覚が味わえます。
やる方はやりにくくないのかな・・

小太鼓が舞台裏なのもミソなんですかね・・遠くから夏の行進がやってくる的な・・


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第3楽章スケルツォでトリオに入っていくところ。
音楽はテンポを落としていくんですが、ここで鳥が鳴いています。
普通のルールでいけば鳥の鳴きようも音楽に合わせてゆっくり鳴くようにになっていく・・
ここで鳥の鳴き声はいつも同じはずでしょ的に主部と同じ鳴き方で・・という演奏があります。
これも部分的に2重テンポと言えるんじゃないでしょうか・・ちょっと違うけど・・聞いたときのインパクトは結構あります。
楽譜にそうしろという指示は見つけられないのですが、マーラーだとそういうことをやっても説得力が出てきますよね。
実際どうしてたんでしょうね・・どっちかに決めちゃわないでその時々いろいろやったんじゃないかと勝手に想像しています。

ピッコロ4本

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マーラーの交響曲第3番ですが、はじめのうち「夏の交響曲」みたいな副題がちらついてたんでしたっけ・・
行ったことがないけど日本の夏を想像してもしょうがないんですよね?
どんな感じなのかな?6月ごろにサロベツにいった時は感激したなぁ・・あんな感じかなぁ・・
また行きたいなぁ・・と思って何度も言ったのに毎回雨だったんだよな・・

マーラーの交響曲第3番でさわやかな初夏の世界・・から夏の行進・・みたいなのへ場面転換していくところ・・
トロンボーンと、低弦が掛け合いみたいなのをやっているんですが、

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トロンボーンが本数は減らしながらダイナミクスは上がるという・・
だから何だってなもんでしょうか・・

その行進的場面で
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ピッコロが4本・・
4番のフルート4本ユニゾンというのが天使の笛みたいで有名ですが、ここはピッコロ。
オーボエが4本ユニゾン(結構ある気もする)でも別に驚かないんですが、ここはピッコロ。
ピッコロって1本でもホール中に突き刺すような音を充満させられるスーパー楽器だと思っているんですが(えっちがう?)それが4本。
なんというかここは音色がほしいとかそういう事じゃなくて、これ自体がもうネタなんじゃないかと思うんですよね・・・
指をさしてあっ!ピッコロが4本もいるー!って叫ぶ(もちろん心の中で)場所なんじゃないでしょうか・・
実演を聴きに行った時もすごいことになっていました。
今度聴きに行ったら(心の中で)やってるやってるとか言って笑いましょうね。
よく見るとオーボエとクラリネットがたがいに出たり入ったりしてるんですね・・なんか技術上の理由があるのかな?音色変化を楽しめばいいのかな・・あんまり気付いてなかった・・

フルートって柔らかくて上品なイメージもありますが、こんないつもてっぺんで目立ちまくている楽器をやろうという人はやっぱり私が!!っていうような人なんでしょ?
楽器をやろうという人はみんなそうなんでしょうけど。

降り注ぐ天使の声 マーラー交響曲第3番

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マーラー 交響曲第3番 第5楽章
3人の天使が美しい歌をうたい、その声は幸福に満ちて天上に響き渡り・・
だそうで児童合唱は高いところにおくというような指示があります。
高いところから声が降り注ぐ的な・・

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面白いのはスコア上でも4つの鐘と天使の合唱がフルートより上、スコア最上段に置かれていることですね。
通常なら児童合唱は打楽器と弦楽器の間に置かれるはずで、入りきらなかったけど女性合唱はそこにあります。
楽譜の中でも天使の声は空の上から降り注いでいるんです。
この楽章はヴァイオリンが休んでいてよくあるレクイエムの1曲目なんかみたいですね。
きっとこれ宗教音楽(のパロディ?)のフォーマットなんですよねこれ・・
こういう、音楽の内容がスコア上に絵的に表れているシーンは面白いですね。

この交響曲は演奏時間が100分越えだったりしてとても長いうえに、この楽章の次に弦楽器主体の第6楽章が来きます。
その為にここでヴァイオリンを休ませる狙いというか設計なのかななんて考えたりもしますが、どうなんでしょうか?
オペラなんかだともっと長時間弾きっぱなしですか?ヴィオラはいいのかよとなっちゃいますか・・

ユーリ・テミルカーノフ指揮、読響を聴きに行ったときも児童合唱は最上段で歌っていました。
2階席だったので、上の方から聞こえる感はありませんでしたけど、意図みたいなものは伝わってきた・・
天使はほとんどずっと鐘の音を模してビン!バン!とか言っているんですが、最後の方で歌詞をもって高らかに歌う部分があります。ドイツ語なんて解らないだろう女の子(もちろん私も解りません)がけなげに歌っているのを見たとき突然涙がに出てしまった。
自分でびっくりして、歳食ったのかなーと思いながら聴きました。
感動ってどっからやってくるかわかんないもんだなぁ・・・

鐘はどこでたたいてたっけ?・・忘れちゃった・・・
よかったなーあの日・・

マラ3 この世はこんなに美しい!!のとこ

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マーラーの交響曲第3番も旧版のスコアを見ることができますね。いろいろあると思うんですけど、、

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第1楽章提示部の終わりと、再現部の終わりに「この世はこんなに美しい!!」みたいな部分がありますよね。
実演を聴きに行ったときの、ホール全体に音が充満しているような・・あの感じが忘れられない。
あれは耳で聴くというより全身で体感という音楽だと思う・・
この部分、第6楽章で再現されますね。

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暖かい愛の楽章ですが、この部分は嘆きというか叫びのように聴こえます。「この世はこんなに美しいのに!」という感じでしょうか。

第1楽章はいろんな楽章への付箋が貼ってある感じになってますが、
この曲実は第1楽章は最後に完成しているので後からそれを拾う形で第1楽章を書いているんですね。
・・そんな単純でもないかな・・7楽章になるはずだった4番の4楽章の冒頭旋律も拾ってますね・・

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初稿を見てびっくりしたのはこの小節、トランペット1番2番にあるはずの上昇音型がないんですよね・・
ここ、現行はトランペットが全体を主導してトランペットの3番4番他が答える・・みたいな音楽ですが、
当初は最初のみトランペットが引っ張り上げてあとは終楽章と同じく3,4番の旋律が主体の音楽だったんですね・・

オーケストレーションの変更だけでなく、曲自体を変更している例ですね。
作曲の過程をのぞいてしまったようでうれしいような申し訳ないような・・

木のところで弾け マーラー交響曲第3番

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マーラー交響曲第3番 第3楽章の終わり付近
チェロとヴィオラに弓の(馬の毛のとこじゃなくて)木の部分で弾けという指示があります。木の部分でたたくコル・レーニョという奏法は一般的でよく出てきますが木のとこで金属の弦を弾いちゃったら弓も痛むし、奏者もいやがるだろう・・
実演を聴きに行ったときこの部分で迷わずチェロを見てた。
たしかに弾いてた。オーバーアクション的に シャッ!という感じで・・勘違いかもしれないけど微妙な笑顔でやってやってたような・・
でも自分はよくわかってないけど、そういうのがほしかったら4分音符で書くんじゃないかなぁ・・・
二分音符とffで書いてあるところを見ると変態的にギー!ってニスもはがす勢いで擦ってほしいんじゃないかと思ったり・・・
やってもらえないですよね・・そんなの。
残念ながら音は聞き取れなかったけれど明らかに普通と違う景色が目に入ってきて忘れられない。
マーラーなのでそれで狙い通りなのかも。

マーラー 交響曲第3番のヴァイオリン分割

もう飽きちゃいましたでしょうか。
今度はマーラー交響曲第3番です。
この曲では弦楽器を細かく分割し、片方やって片方休み、今度はこっち、今度は両方・・とスイッチングみたいなデジタルな変化を狙うことが第2、第3楽章で徹底的に追及されています。

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実演を聴きに行くと音的な効果もありますが、プルトの片側だけ弓が動いてる、あっ今度はこっちか・・みたいな目で聴く効果が大変面白い音楽です。
でそれを見えないオーディオでもといういつもの話ですが、、人数の変化による音色の変化は結構聞きとれます。
第1、第2ヴァイオリン的な話ではなく、プルトのあっちとこっちみたいなのを音像定位感で表現しようって、これは結構難しくないでしょうか?
でもだから余計に萌えるという・・
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ここ、分割された第1ヴァイオリン内で同じ音のトリルが受け渡されますが、音も移動するかな?

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このちょこっと乗っかるとこ、大好きなんです。




マーラー交響曲第3 番のコントラバス

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マーラー交響曲第3 番第6 楽章
愛の楽章ですが何度か悲しみの底へ落ちます。
落ちたところ、コントラバスとヴァイオリンが同じ音を弾いてる。
ここはとても効果的。苦しい、しぼりだすような叫び!
実演に行って驚いたのは、このコントラバス、高い音のせいか奏者が前のめりいなって指を抑えていた
それが視覚にはいることでこの叫びが強調されて聞こえます。

トランペットにヘ音記号

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マーラー交響曲第3 番第1 楽章展開部
スコアを見ていてトランペットにヘ音記号があるのを発見したときは笑った。
B管は楽譜通り出るのかな。F管はこんな音出せるんですか?

トランペットの位置

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マーラー交響曲第3 番第1 楽章提示部の終わりのあたり
似たような音型をトランペットの3 ・4番と1・2番が吹きます。B 管とF管なので音色も違いますが座ってる場所も違うので音像も違う位置になります。
くだらないといわれそうですが、オーディオ的に萌えるところ。