トライアングルで笑ったけど マーラー交響曲第9番

マーラーは交響曲第8番までは自分で指揮することができました。
優れた演奏家でもあった彼は実際に演奏してみた結果から作品をさらに最適化させていった。
ちゃんと調べてないのであれですが、少なくとも6番までは作者自身の改訂に起因する複数の出版譜を見ることができます。
よく知りませんが、いろいろなところに残された資料の研究が今も行われ、つい最近も新版が出たりしているようです。
ある本によると大地の歌と交響曲第9番もスコアの校正刷りにマーラーが手をいれる段階までは進んでいたようです。
しかし、予期しない死によって自分で演奏してみることができませんでした。
この曲も演奏の結果で改訂するつもりがあったのかもしれない・・
過去の出来事を知っている我々は、さらに改良された違う稿の存在を想像し続けることになった・・えっしない?・・
そういう感じですが、この曲にも旧版と新版みたいなのがあります。
私は多分古い稿を使っていたと考えられるブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団(1961)でこの曲を覚えました。
いつ頃切り替わったかは知りませんが、録音を聴いていると明らかにワルター盤と違うとわかる箇所が何か所かあります。
詳しいことは知りませんが2つの楽譜が見られるので、何度かに分けて・・
思い切り音程が変わっていてびっくりする箇所です。
第1楽章展開部でポジティブに盛り上がっているここの第2トランペット

旧版でフラットがついているこの音

新版はフラットがありません。
聴いて自然なのは旧版の方。
勝手な想像ですが、写譜屋さんが明らかに不自然な不協和音を誤記と判断してフラットを追記したんでしょうか・・
ロマン派の作曲家ならそれで正解なのかもしれません。でもマーラーでこの曲なので、明らかに不自然なそれこそが狙いである可能性があります・・ということで書いてあるとおりにしたのではないかと・・・
ここ何しろ目立つんですよね・・
その少し先にあるここ、聴いてるだけじゃわからないんですが、楽譜の絵的に自分には面白い。

このトライアングル、連続していますが最初の小節がトレモロ、次の小節はトリルで書いてあります。
えー!これたたきわけるの?どうやるの?なんだこれ!
と一人で盛り上がってしまいました。
が、

改訂で普通になっていました・・・
なんでああなってたんだろう?
ハープも旧版にあったzu2の表示がありません。
旧版はここは2台、ここは1台で・・という指示がありましたが改定でハープは1パートにしたみたいです。
どうしてそうなっていたのをなんでそうしたのかな?
1台とか2台とかだれがいつ判断したんだろう?
作曲者はどう書いて残しているんだろう?
実筆譜のファクシミリ売ってるんだよな・・・
この曲大好きだし買ってみようかなぁ・・・