ベートーベンもこんなことするのか・・ ピアノ協奏曲第4番

ベートーベンのピアノ協奏曲第4番は曲早い時期に知りました。知って適当に気に入った記憶もあるのですが、いつか聴こうなんて思っていてそのまま30年近くたってしまいました。
気に入って聴きだしたのがつい最近。
シューマンがベートーベンの交響曲第4番のことを「神話の巨人に挟まれた乙女」みたいに評した話が有名ですね。
でも4番交響曲は意外に男っぽいんじゃないかと思ったりもして・・。
わたしはこのピアノ協奏曲の第4番は女性のイメージがあります。
でもただの綺麗な女性じゃなくて・・みたいな・・
この曲、ベートーベンが今までの典型的なピアノ協奏曲の形を打ち破ろうとしたみたいで冒頭からピアノで始まったりするんですけど・・
もう今日言いたいのはここです。

提示部

再現部
楽譜的には再現部のが解りやすいですね。
クラリネットがC管なのでちょうど見やすいのですが、あるべき旋律に対してピアノが半音の上下から挟んでいるんです。
不協和音的に旋律が進んでいく・・・
えー!?ベートーベンがこんなことするんだ!?・・・と驚いちゃいました最初・・
ラベルなんかが歌うソロの向こうで半音ずれた楽器を歌わせて調子っぱずれな感じを演出する・・・みたいなのは面白いし、ありそうだな・・と思うけど・・
これきっと、中学生くらいのときに聴きこんじゃったらこれはこういうものだと思って何も感じなかったかもしれません。
でも、これはすごいな・・
ここ、初演の時みんなどう思ったんだろう?
いまもみんなどう思ってるんだろう?
この曲、女性だとして結構美人ですよね。頭もよくて立ち振る舞いも素晴らしい・・・みんなに好かれている・・・
でもこの部分、後ろを向いて「私の好きにさせてもらいますー(*・з・)」みたいな感じに聞こえるんですよ。
ただもんじゃねーなみいたいな・・
そもそも、ここもなんか大事な第2主題が始まったみたいに見せかけて別に第2主題でも何でもないんですよね・・
ベートーベンって、しかめっ面で聴くような重くてまじめな曲の中にも冗談みたいなものが仕込まれていたりして、そこがまたすごい人だなぁと思うんですよね。

提示部の締め、ピアノのこの長いトリルが終わると普通はオケがバーンと出てきて・・・
でもフェイントというかその先もピアノが美しく語っちゃう・・・
ここも、好感度がものすごい美人が、「仕切るのは私だから・・」とか言ってるみたい・・
そんな女性なのに第2楽章では哲学的な深みを見せ・・
かと思うと第3楽章はなんだおてんば娘が笑いながら走り出してるみたいじゃない?・・

演奏にもよりますけど・・
この曲好きだな・・