偽物だと知っても好きなら本物。

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バッハの・・クラシック音楽の中でもっとも有名な1曲かもしれないトッカータとフーガニ短調BWV565

これなんですが、冒頭部分ならほとんど誰でも聴いたことがあるんじゃないかと思うんですよね。
皆がバッハの代表作だと思っていて、
バッハのオルガン曲集みたいなCDを買えば必ず入っている、それもトラック1に・・
インパクトのある冒頭に聴き映えのする音楽が続く・・私も嫌いじゃないですよ・・

この曲、バッハオルガン名曲集の頭に必ず入っていたりするのでマヒしがちなんですが・・・
実は全然バッハらしくないと思うんです。
バッハのオルガン音楽が好きで自由曲を色々聴いたことがある人なら誰でも一度は考えることだと思うんですけどどうですか?
ものすごく乱暴で単純な言い方をすると、バッハにしてはあまりにも単純すぎな上に外面的な効果を狙いすぎ・・
もとはヴァイオリン独奏曲だったんじゃないのかという説もあるそうですが、バッハの全ての曲にあるいくつもの声部が複雑に絡んでいる感が感が・・全然ない・・
いつもなら各声部がそれぞれ自由に動いた結果としてその瞬間瞬間にいろんな和音が生まれる・・実際はここでこういう和音みたいなのも狙って高度に計算してるんでしょう・・なのにこの曲単純に最初から和音狙いな箇所がいっぱい・・
構成的にもフーガとそうじゃない部分が混在している感じでメリハリがない・・
というより厳格なフーガが全く書けていなくて、効果を狙ったようなもので何とかしてあるような・・・
もう一つ、ニ短調のまま終わるというのもかなりイレギュラーな感じがする。
短調の曲のほとんどが同主調の長調和音で救われるように終わるというのがバッハのオルガン音楽の特徴だと思うんだけど・・

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オクターブユニゾン・・・ずっと・・・バッハこんなのやるかな?

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フーガが始まる。
主題を歌った声部が全然違う形の対旋律となって歯車みたいに別声部の主題に嚙み合わさる・・
という面白さを高度な技巧で徹底的に追及するのがJ.S.バッハなのに、この曲対旋律が主題とおんなじ動きでハモっちゃってるんですよ・・
いくつかの声部が動いていそうで、動きとしては一本しかないじゃんという場面がかなり多くあるんですよね・・・
作曲の勉強で若手がこんなの書いたら田舎へ帰れくらい言って怒られるんじゃないの?
あのバッハがこれでよしとしたかなぁ?

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このページなんか見てるともとは独奏ヴァイオリン曲だろ説もうなずけるような・・・
私はバッハよりも後の時代の別人の作品なんじゃないかと思ってみたりしています。
でも、この曲が嫌いかというそんなこともない・・これはこういう良い曲。

仮にこの曲が別人の手によるものだという決定的な証拠が発見されたらどうなるでしょうか・・
バッハの作品集からは除外されるでしょうが、「以前はバッハの作といわれていた」みたいな説明付きで演奏され続けるだろうし、オルガン名曲集のトラック1に収まり続けるんじゃないかなぁ・・・
聴き映えがしていい曲だし、聴かれ続けると思うんですよ。
そうでもないかなぁ・・・



自分もそうなったかもしれないので偉そうには言えないのですが・・・・
数年前、一部で大絶賛されたらしいオーケストラ音楽が別人の作だという事がばれたという事がありました。
よく知りませんが、その後曲は演奏されないし、それを望む声があるともきかない。
論理的には本当にその曲を聴いていいと思ったのなら、作者が誰であろうと、目が見えようが見えまいが、芝居だろうが嘘だろうがそれとは関係なくいい曲だから好きだと主張し続けてもいいはずなんでしょう?
実際できないでしょうけどね話が陳腐すぎて・・
この件一般人はテヘヘとか言ってればすむ話で何の問題もない訳ですが、絶賛した中に音楽評論家がいたらしいですね。
こういうピンチな状況で人を唸らせるようなことを言えれば逆に株を上げるチャンスでもあるけど・・どうだったのかな・・・



バッハのトッカータとフーガニ短調はもう1曲あります。
ドリア調と呼ばれたりするBWV538です。
こちらはバッハだなーと感じる。
文句なしに大好きな曲です。
この曲の楽譜は作曲者による鍵盤の指定があります。
あぁ、こんな風に弾いてたのかぁ・・と思いますね・・書いてないことのが多いので・・
いつもは指定がないのは多分そんなもん毎回その場で変えていく、そこも含めて職人芸・・だったからかな?
なんでこの曲は書いたんだろう?
宝永10年とかですよ書いた年・・
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フーガの後半、ペダルに長いトリルが出てくるんだけど8分音符でその序奏みたいなのが書いてあるんです。
バッハがどんな演奏していたかを聴いた気がするんですよねここ。

奇跡が起こってバッハの時代に行けたら・・
思うんですけどちがう世界でちがうものを見て感じて食べて育ち生きている私たちにも、彼らが良いと感じるテンポや演奏のスタイルを同じように良いと感じられるんだろうか?
意外と同じなのかな?感覚・・

Tag:バッハ  comment:0 

プロフィール

unagi

Author:unagi
誰にも迎合できません
2022年11月からピアノ習い始めました

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