やっぱりやってた 2重テンポ マラ3

一つの曲の中で2つのテンポの音楽が同時進行してしまう2重テンポ状況。
いろいろあると思うんですが、この人もやっています。・・
マーラーの交響曲第3番にははっきりとそれとわかる2重テンポ状況が発生しています。
展開部の最後は嵐になっていますが、

嵐がフェードアウトする前から舞台裏の小太鼓が乱入
ごちゃごちゃと文字が書いてあり、小太鼓には「チェロとコントラバスに構わず冒頭のマーチテンポで入れ」
チェロとコントラバスには「マーチのテンポで入ってくる小太鼓にかまわず、嵐のテンポを維持しろ」みたいなことが書いてあります。(多分)
実演を聴きに行ったとき、指揮者はチェロとコントラバスに向かって指揮をしていました。
舞台裏の小太鼓にはノータッチで、チェロとかが終わっちゃうともう何もしない・・・次のホルンに向けて・・・
明らかに異常な状況が目の前に展開します。
楽譜的には小節線が縦に通っていて全パートが同一時間軸に乗っているように見えるけど、実際は演奏が進むと時間的な位置もずれていくわけで楽譜的には理屈が崩壊しているわけですね・・
多重テンポの音楽というと後の時代で挑戦的にやっているようなイメージもありますがやっぱりこの人やってますよね。
街に出たとき、あちこちからいろんな音楽や音が聞こえてきて交じりあり、耐えられないような騒音状態となているのを聴いてマーラーは「これこそポリフォニーだ!」とか言って喜んだそうです。
そういう人が、伝統から外れたことをやると酷評されてつぶされる音楽界に切り込んでいこうという・・
聴いていると短い間ですが、マーラーの喜んだ不思議な感覚が味わえます。
やる方はやりにくくないのかな・・
小太鼓が舞台裏なのもミソなんですかね・・遠くから夏の行進がやってくる的な・・

第3楽章スケルツォでトリオに入っていくところ。
音楽はテンポを落としていくんですが、ここで鳥が鳴いています。
普通のルールでいけば鳥の鳴きようも音楽に合わせてゆっくり鳴くようにになっていく・・
ここで鳥の鳴き声はいつも同じはずでしょ的に主部と同じ鳴き方で・・という演奏があります。
これも部分的に2重テンポと言えるんじゃないでしょうか・・ちょっと違うけど・・聞いたときのインパクトは結構あります。
楽譜にそうしろという指示は見つけられないのですが、マーラーだとそういうことをやっても説得力が出てきますよね。
実際どうしてたんでしょうね・・どっちかに決めちゃわないでその時々いろいろやったんじゃないかと勝手に想像しています。