とどかない

新宿湘南ラインに乗ってボーっと外を眺める。
新宿を出てちょっとすると西武新宿駅が見える。
皆が入ってる新宿駅には入れず、仲間外れになったようになところに・・
もともとレールはさらに前進して新宿駅に到達するはずだった。
それまでの仮駅のはずであったが、新宿駅へ入ることをあきらめ本設としたらしいことを何かで読んだ。
駅が入る予定のビルの構造的問題とかなんとか書いてあったけど、そんなことより政治的陰謀みたいなものがあったんじゃないだろうか?
重い交響曲よりも重いんじゃないかと思えるブラームスのピアノ協奏曲第1番ニ短調。
知らないけどピアニストにとっては内容的にも体力的にも重く大きな曲なんじゃないだろうか?
そんな曲なのに、曲の終結部は最終和音を目前にして

ピアノは終わってしまいます。
西武新宿線である。
ベートーベンの皇帝とかピアノは手前で弾ききってオーケストラが締める曲は他にもありますね。
でもこの大曲を弾いてきたら最終和音を豪快に鳴らしたいんじゃないかなぁ・・なんて
昔、N響アワーでアルフレッド・ブレンデルがこの曲を弾いていたのを見ました。彼はピアノで最終和音を弾いてた。
ピアノのおしまいの部分、オーケストラと対等にその歌を歌い継ぐという豪快な場面でもあるんですが、聞きようによっては主役が大見得を切って終わるというより、コーラスみたいなのが
きょーうもいい天気(^o^)
とか歌ってるみたいにも聞こえて・・・妙に軽いようにも・・
若者の、どこへぶつけていいかわからない巨大なエネルギーが炸裂している音楽・・
第1楽章の冒頭なんかマーラーもびっくりの重戦車爆走的音楽(演奏にもよるけど)なのに・・
でも、それこそがまさに狙いだったりするのかな・・
この直前でピアノがカデンツァを弾き、トリルで締める部分がある。
あそこが高田馬場だろう。
バカなことばっかり書いてごめんなさい。
この曲を書いていたころのブラームスは

こんなブラームスなんじゃないか。
こんなのが超絶才能をちらつかせて登場したわけである。
クララ・シューマンだってそりゃ特別目をかけてやりたくなるだろう。
こんなに好条件がそろっているのにこの男はそっち方面は煮え切らない感じで終わってしまった。
ワーグナーみたいに人の嫁さんでも何でもバンバン手をだして・・とはやらなかった・・
みたいな話になっているわけですが・・
実際はどうだたんですかね。
歴史的にはなかったことになっているけど、実は・・とかないのかな。
技術的にはさらに難しいらしいピアノ協奏曲第2番の最後はピアノが華麗に上昇した後分厚い和音をたたいて終わる。
あの曲は技術的難易度もラフマニノフみたいなすごいところにあるらしいのですが、リストみたいに技巧をひけらかす系の曲ではなく、むしろ隠すような曲だ。
妥協のない、これ以上ないというものを用意はするが、解るものにだけ解ればいい。みたいな。
聴き手はある程度能動的に探るように聴きに行かなくてはならない。
女性にも、能動的に来てくれる事を求めちゃったタイプじゃないかなぁ。
西武新宿線には用もないのでほとんど乗ったことがない。
所沢のホールにオルガンを聴きに行くときに乗った。
航空公園という駅だったと思う。
いいホールで選曲も演奏もよくてあの時は楽しめた・・
だから西武新宿線には少しいい印象がある。
あの時は新宿からじゃなくて中央線のどこかから支線を乗り継いて行った。
いろんな私鉄を買収していった結果からか、あの辺りは路線が綾取りみたいに絡まっていて面白いといえば面白い。
ちょっとだけ調べると、西武の新宿駅乗り入れ計画についてはいろんな説や噂があって、想像の域を出ていないもの、検証すればすぐに違うとわかるものなども含みどれが真実というわけでもないらしい。
書籍やネットに真顔で言うような書き方で書いてあるとすぐになんでも真実だと思ってしまう。
でも、みんなあやしいのか。
クラシック音楽の伝説的解釈みたいだな。
オーディオマニアの格言とか・・