マーレリアン

マーラーにはまっちゃってる人のことをマーレリアンというみたいですが、ショスタコーヴィッチもそうでしょう。
ソ連共産党のもとでものすごく苦労したみたいですね。
あんな体制下ではマーラーの生演奏なんて聞けなかったんじゃないのかなぁ?・・
ワルターが交響曲第1番を聴いて彼の才能を絶賛し・・とかなんとかありましたよね。若いころはどこかで聴くチャンスがあったのかな。
彼らはスコアを入手できればスコアを読んで実演を聴くよりも細かく深い演奏を頭の中で鳴らせたりするんでしょうね。
ショスタコーヴィッチは自作のほか、他人の曲を自分の曲の中に取り込んで何かをほのめかしたりする作曲家です。
交響曲第4番は若い作曲家の芸術的欲求みたいなのが暴走して押さえきれなかった!みたいな曲なんですが、ある時は露骨に、ある時はひそかにマーラーの音楽がちらつきます。
そこで何か深いことを言おうというより単純に好きすぎてそうなっちゃったぁというかんじかなぁ。
内容がやばすぎるとか言ってしばらくお蔵入りだったこの曲ですが、第1楽章にマーラーの交響曲第1番の郭公が引用されていることがまず有名ですね。
でも私が大好きなのは2楽章に突然マーラーの「復活」が露骨に出てきちゃうところ・・
マーラー 交響曲第2番の第3楽章冒頭

前の楽章がちょうちょがいっぱい飛んでいそうな花園になっているところを
ティンパニが切り裂きます。
ちょっとオリエンタルな感じで怪しく魅力的な踊りが始まるんですが、このクラリネットがなんか印象的でいいですよね・・
衝撃的で、曲の顔みたいな部分です。
タコ4の2楽章の途中で・・

これを初めて聴いたのもラジオでしたが、ものすごくびっくりした。
椅子から落ちはしなかったけどそれくらいに。
あぁ、この人マーラーが大好きだって言ってんだなと思った。
国のために頑張ります見たいな曲を書けという共産党政権下でこんな曲初演したら確かにシベリア行きだよな・・
他のところは適当に「これは闘争なのだ」とか訳の分かんないこと言っとけば何とかなったりして。
有名なマラ1のかっこう

最初にEsクラに出てきたところ・・ずいぶん甲高い声のかっこうです。
またハープがすごく低い音域でこれに答えるのがちょっと面白くて笑いそうになる。

このかっこう、ただの飾りでは終わらずにこの後巨大化して吠えたり暴れたりしだします。
フィナーレの後半、バカ騒ぎの手前で出てくるこれ、

手前の旋律から導き出されたようにみえる低弦の動き・・これも

マーラーの巨人のスケルツォのこれのパロディーでしょう?
直接の引用以外にもマーラー風味みたいな部分もたくさんあると思う。第3楽章の冒頭付近とか・・
へんてこりんな曲ですけど面白い曲ですよね。