祖父

私の父方の祖父は硫黄島で戦死しました。
硫黄島といえば激戦地なんですよね。
戦後30年以上たってから一人暮らす祖母の家へある人が訪ねてきました。
硫黄島で祖父とともに戦った人だという。
祖父たちは死を覚悟した時、
「もしどちらかが生き残ったら、相手の妻にこの最後の時の様子を伝えよう」
と約束したんだそうです。
絶望的な状況での最後の希望、救い、願い・・であったと思う。
その人は約束を果たさ(せ?)ずにいたのですが、枕元に祖父がなんども現れて約束を果たしてくれと言いにに来たんだそうです。
どうやって祖母の家までこれたのか・・約束をしたときに聴いたメモのようなものをずっと持っていたのか・・わかりませんが・・
戦時中には
祖母と姑が大きな音を立てて飛んできた光の玉みたいなものが家の中の仏壇へ入るのを見聞きしたそうです。
まっすぐ家へ帰ってきたんだろう。
誰のところだったか忘れましたが枕元へ立って祖母と父を頼むといったそうだ。
こんなことをここに書いていいのかわかりませんが、私が死んだら世の中から消えてしまう話ですし、祖父も怒らないんじゃないかと思って。
父はまだ2歳くらいだったと思う。
祖母も大事にしてやりたかったと思う。
無念だったろうな。
祖父が亡くなった年齢を私はとっくに超えている。
いろいろうまくいかないですが、妻を大事にしてやりつつ、生きられるだけ生きたいと思う。
生きられるという事がどんなに大事なことかよく考えないと。
今の世の中は、いつ戦争になってもおかしくない気がする。
スマホに振り回されてわかったような顔なんかしてると危ないよ。
若い人だけじゃない。
祖父の行った世界はこんな洋風の楽園じゃなくてもっと和式な感じかもしれない。
楽園になんか行っていなくて、誰かが思い出したらそこにいるというだけかもしれない。
祖父のさらに前、さかのぼっていけば代々の先祖がいるんだと思うと不思議な気持ちになる。
皆どこいっちゃったのかな?俺の事なんか知らないんだろうな。