天国の音楽

マーラーの交響曲第4番、その終楽章は天国の様子を歌って聞かせてくれる歌です。
その後半にこんな場面があります。

”私たちの音楽に比べられるものが
この地上にあるでしょうか。
チェチーリアとその一族は、
とても素晴らしい宮廷楽師”
歌い終わる最後の旋律をヴィオラが模倣し、ハープが答える・・・
ここで聞こえてくる音楽は天国の楽師たちが奏でる音楽に違いありません。
私たちにも天国の音楽が聴こえるのです。
この音楽でソプラノにハイパワーなオペラみたいな声で歌われると萎える。
そういう音楽じゃないと思う。
マーラーは天国へ行ったでしょう。
そこには聴いたこともないような美しい音楽が・・・
マーラーは駆け寄り、指揮をはじめます。
「だめだ、アーティキュレーションがそろっていない・・」
「そこは2本でなく1本で・・」
めんどくさい練習が始まってしまい、天使たちは困惑する・・・
こんなのが見られるなら、天国へ行ってみてもいいかもしれない。
でもきっと天国でもそういうのは有力者が席を買い占めていて・・
年中やってるから待ってれば聴けるのかもな。
でもまだ当分行きたくない。
天国とか地獄とか言うけれど、死んだらどうなるんだろう。
死んだら終わりだ。何もない。
そういうに人は本当に何もないんだと思う。
私は何もないなんて嫌だから何かがあると信じたい。
真面目と間抜けを勘違いして生きた挙句に行きつく先も地獄だったらいやだな。
プロジェクターみたいなので今までの行いを見せられて論理的におまえがダメだろろう?とか思い知らされたりして。
あんな雲の上に蓮の花が咲いているような世界はないと思う。
あの世でも人付き合いは苦手なままだろう。
墓を作ったところで誰も来ることはない。
今横でグーッ!とか言って寝てるこの犬が迎えに来てくれると信じている。