メリザンドの歌

フォーレの組曲ペレアスとメリザンドは前奏曲のほか、糸を紡ぐ女、メリザンドの歌、シチリア舞曲、メリザンドの死という構成なんだと思いますが、必ずしもこの通りに演奏するわけじゃないみたいですね。
持っているCDはもう一曲劇音楽からの一曲?が演奏されています。
Youtubeなんか見てるとメリザンドの歌は省略されていたりする。スコアも見つからなかった・・
コンサートなんかだと一曲のためにソプラノを呼ぶのは・・とかあるんでしょうかね。
でもこの曲もとてもいい曲ですね。
音小さいよね?聞こえないかも。
もう30年も聴いてるんだから驚かないけど、歌詞が英語なんですよね。
フォーレだからフランス語かと思う・・かな?
イギリスで上演する目的で書かれたから?
でも不思議な空気を持った印象的な曲ですよね・・
クラシックばっかりしか聴かないのでドイツ語やフランス語・・ラテン語?・・ロシア語・・みたいなのには聴きなれているんだけど意外にびっくりするのが英語ですね・・変に聞きとれる感が気持ち悪いというか・・
ヴォーン・ウィリアムズの「海の交響曲」はそういう意味で気持ち悪かった・・

3人の盲目の王の娘が塔の中にいる
彼女たちのランプは金色の光を
みたいなことを歌うわけですが、盲目でランプというのがいきなり矛盾していますよね。
ランプは心の希望を象徴しているとかなんとかでしょう・・
弦楽器による5つの和音が上っていきます。
暗いニ短調ベースなのですが最後のは変ロ長調和音です・・この明るさに心のランプの光を感じますよね・・
たったこれだけなのに・・これものすごい表現だと思うんですよね。
色々聴いていますと、演奏によって旋律の音高に違いがあることに気付きます。

この音、楽譜通りCで歌ってイ短調になっているものと、Cis(C♯)で歌ってイ長調になっている物があります。
勝手にやっているんじゃなくて両方の版があるんでしょうね?
これはイ長調
イ短調
暗い歌を普通に暗く歌うメリザンドと、
怪しい笑みをうかべて歌うメリザンド。
私の個人的な好みではここだけイ長調になったほうが異様な光が音楽に深みを与えてるような気がして好きです。
これだけじゃなくてそもそも歌い始めの3つ目の音符も違いますね。
ここは長調版のが中世的な旋律に聞こえてを感じさせて好きだけどな‥私は。
なんで違う版?があるのかとか何もわかりませんが、なんかこの曲面白いですね。
検索してもシチリア舞曲の話ばっかり出てきてうんざりですけど。
来ない王が迎えに来ることへの希望が歌われてたりするんだと思うんですが、
最後に三人目の娘がもう望みはない。ランプの光は消えた・・といいうと
音楽はニ短調の闇へ沈んでいきます。
これはメリザンドが歌う歌かなんかなんでしょう?
でもメリザンドの死と同じニ短調に沈んでいくのは未来を暗示しているという事?
劇に興味がないのでよくわかりませんがなんだかいいですね。
ピアノ伴奏版も聴きましたが、ピアノでこういう単純な和音の持続音しかないなものは一歩間違えるとチープに聴こえてしまいます。
どうやるとそう聞こえない演奏ができるかなんて私にはわかりませんが、こういうの演奏はかなり難しいんじゃないかなぁ・・
「メリザンドの死」

もとはメリザンドの死を予告する音楽だった?らしいこの曲にもランプの光が出てきます。
ただ事じゃないでしょうこれ。
曲尾でも出てくるんですが、救われていきそうな雰囲気を一瞬感じさせて・・結局ニ短調の暗闇に沈んでしまいます。
希望が断たれたて死んでいくという事?
言いたいのは原作の内容や、作曲者の考えを外れたところでも、この音楽は私を引き付けた離さないということ・・
かな・・・・?