ひばり

10月に入ってからも咲いて見せてくれた朝顔。
日が出てしばらくたっても咲いていてくれて、お別れを言っているみたいだった。
そういわずにもっとずっと・・
わたしだって長生きしたい。
作曲家で長生きといえばリヒャルト・シュトラウスが85歳くらいですか、後期ロマン派の大作曲家なのに第2次大戦後の1949年まで生きていた。
晩年自分でも「歴史上の作曲家としては私はもう過去の人間だ」みたいなことを言ったらしい。
第2次大戦中の行動によってこの人もだいぶ苦しい思いをしたのかもしれないがよく知らない。
その偶然生きていた最晩年に「4つの最後の歌」という作品もあります。
時代は無調前衛みたいになっていたと思うけれど、安定感のある暖かい19世紀から続くロマン派の音楽だと思う。
どれも深くて素晴らしい曲ですが、最後の「夕映えの中で」という曲に特別なものを感じます。
夕日のさす中人が死んでいく曲ですが、ちょうど今頃の季節の夕日の少し前くらいから始まるイメージがあります。

2羽のひばりが高い高いところを鳴きながら旋回して・・
ドイツではひばりは死を象徴する的なはなしでもあるんだろうか?コウノトリが連れてきて、ひばりが連れていくみたいな・・何も知らないけど。
これが気に入ったというわけじゃないけど、こんな曲だよなというイメージ・・
広い広い空
少し赤みを帯びてきた西日
遠くには岩山がみえる
風はない
ショルティーさん。
やってるねー、死ぬまでせっかちにしゃべってバタバタ動いてる人いますよね。
そういう人の最後だよねこれは。
でもそれはまさにその人の人生そのものだし、
この演奏も、ショルティーの演奏そのもの。これが大好きな人がいて少しもおかしくない・・
私はもうちょっとゆっくりしてもらいたいけど・・
最後、不思議な転調を繰り返す臨死体験的な音楽の上で
「これが、死というものか?・・・」と言い残し旅立っていきます。
残された音楽は夕刻の空を描く。

大変感動的な最後のページ。
シンプルで小さな歌曲なのにこんなに分厚いんだよ・・
練習記号Iに入る前のFes(F♭)・・書いてないけどみんなここでふっと間を開けます。でもセルはあんまり開けてないですかね・・
ショルティはFesが短いような・・ただの私の好みですけど・・
このFesのゴーッ という伸ばしはなにかこう・・永遠とか・・でっかい自然とか・・
人が死んでもこの世は永遠に何も変わらず続いていくんだよ・・みたいなことを言ってると思うんですよね。
その上空でひばりの声・・・
私もこんな風にいけたら・・
まだ当分先でいいです。
朝顔、今朝も咲いてくれた。

もう終わったと思ってた弦も花をつけてた。
なんだみんながんばれ。