うちから少し歩いたところかにお堂があって、一本の大きな銀杏の樹があるんです。
廃仏毀釈の前は寺だったんだっけ?わすれちゃった・・
お堂は少なくとも江戸時代からあるみたいだ。
犬と散歩に出かけたら
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葉が黄色くなりかけていました。
大きすぎて写真でとらえきれません。

この近所に住んでいる人から聞いた話。
子供の頃、弟が高熱を出したが何日か経っても一向に熱が下がる気配がない・・
どうしたことかとなったとき弟が
あの銀杏の樹で昼寝をしようと幹に板をに五寸釘で打ち付けた・・という。
皆で見に行くとその通りになっていたのですぐに釘を抜いて樹に謝った。
すると熱は下がり・・
昔話とかじゃなくてまだ生きているおっさんの話です。
人に熱を出させる霊力みたいなものがあるかはさておき、木だって生きているんだから魂を持っていると思う。
人と同じく魂も年月とともに成長すると思うので何百年も生きた樹は深い心を持っているのではないかと思うんです。
人の言葉でべらべらしゃべってたりはしないだろうけど、歌ぐらい歌ってるかもしれない。

銀杏じゃないですが、
マーラーの「さすらう若者の歌」という連作歌曲集の終曲に菩提樹が出てきます。
失恋に苦しむ若者の歌ですが最後の部分
自分に残されたのかなわぬ愛と苦しみだけだと、あてのない旅に出ます。
街道沿いの菩提樹の下で寝ていると



すべての苦しみは幻だ、もう忘れた、もうどうでもいい・・
私の上には花弁が舞い落ち・・
みたいな安らぎを得る。
ハープと3本のヴァイオリンが、心地よい木陰を見せてくれているでしょう・・

でも、
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音楽がこの安らぎでは永遠ではないこと、この先にある黒いものを暗示して曲は終わってしまいます。
希望や慰めを見せておいて、絶望的な現実を突きつける・・みたいなの好きなんですよねこの作者。

ほぼ同時に作曲されていたらしい交響曲第1番の第3楽章にも全く同じ音楽がでてきます。
この手前は死の世界へ導いているようなグロテスクな葬送行進曲。



音楽は全く同じだけど調が違うんですね。
ここで起こっていることはどちらの曲も同じものだと思う。

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シンフォニーの安らぎの時間も歌曲と同じように中断しますが、こちらには続きがある。
若者のその後を我々は知ることになる。

というこのあたりの話は、マーラーに入門すると解説かなんかで読んで両曲を聴きへーと思う話なんですね。
この相互引用は有名で作者自身も狙ってやっているのは間違いないんですが、考えてみればどちらか片方しか知らなくてもその内容は十分伝わってきますよね。
とはいえ、かなわない愛と苦しみをもって・・みたいなのを思うと交響曲のフィナーレがとても分かりやすく聴くけたりもする。
作者もシンフォニーを聴く聴衆が歌の詩ににとらわれすぎてしまう事に気付き、まずいと思ったらしい形跡があるようなことをどこかで読んだ。
まあいいかそんなの。

お釈迦様が悟りを開いたのも菩提樹でしょう・・菩提樹って何か特別な力を持っているんでしょうか・・
私も菩提樹の下へ行ったら何か悟ることができるのかな?

私は、お堂の銀杏の樹でいいです。
よく言うパワースポット的なパワーをくれるなんていうのはないですが、
行くとなんというかホッとする。
見ていてくれているんじゃないかなと思うんです。
静かに
「おう、きたか・・・」
みたいな・・



Tag:マーラー交響曲第1番  Trackback:0 comment:2 

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どうも発達性協調運動障害(DCD)じゃないかと思います。
クラシック音楽が好きです。

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