味付け

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michaelさんがG線上じゃないアリア・・という記事を書いておられて・・
音楽に目覚めたばかりのころ、中学校の音楽の先生が教材のCDを借してくれた記憶があります。
物に隠れるように生きてたはずなのにどうして音楽好きなの伝わったんだっけ?
「バロック音楽の楽しみ」というパッヘルベルのカノンやアルビノーニのアダージョなんかと並んでバッハのこれが入ったアルバムでした。
入っていたのは単純にバッハの管弦楽組曲第3番の2曲目というのではなく、低弦をピッチカートで弾かせロマン派風の味付けで歌う演奏。アンコールやファミリーコンサートみたいなのであるようなサロンミュージック的な・・
こういうのを「G線上のアリア」と呼んだりしますよね。本来間違いなはずですが誤用も一般化すれば正しいことになっちゃうのが世の中だから。
※もとは何とかという人がメロディーを低い音域でハ長調に移調しソロヴァイオリンのG線一本で弾くネタみたいな曲を指すはず。昔聞いてあまりのつまらなさに・・

そのCDで「G線上のアリア」には聞いた瞬間やられました・・・何だかわからないけれど懐かしい響きだと思いながらヘッドホンをして何度も何度も聴いたのを覚えています。懐かしいたって13年くらいしか生きていなかったわけだけど。
後日バッハの管弦楽組曲第3番を聴いてみると聞きなれたあれと違う・・ピッチカートじゃない・・歌もなんか違う・・
それが本家なんだけど・・

ということで

そのよくある低弦はピッチカートで色濃く歌う演奏のルーツは実はマーラーじゃないのかみたいなお話で。
マーラーがバッハの2組の組曲から抜き取った曲を再編成し色濃く味付けしたマーラーのバッハ組曲というものがあり出版もされています。
この組曲、オルガンと専用に調律してチェンバロ風の音を出す変なピアノのパートが追加されていたりします。
手紙の中でバッハピアノ?を弾きながら指揮をした昨日の演奏会は楽しかった・・とかなんとか言ってたと思う。
聴くと分厚い響きにくどい歌いようでわっ!なんだれ?みたいな印象もあります。今の時代から見ると逆にそこが面白いと思って楽しんどけばいいんでしょう。
100年前のバッハに対する聴衆の感覚もこんな感じだったのかなぁ。

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ペザンテなんて書いてあったり、オルガン(下の3段)もクレッシェンドしていたり・・現代のバロック音楽感からすると面白すぎ・・

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変なピアノ、通奏低音の域を超えて自由に振舞っちゃて・・
またペザンテとか・・
ティンパニはニ長調のD-Aで調律されているんだけど、楽譜は移調楽器みたいにドとソで書いてある・・・
こういうのは初めて見た・・・と思ったら自筆に始まり原曲の出版譜もそういう記譜法だった。
中学生の時、初めて買ったスコアはこの曲だった・・
散々眺めたはずだけど…なんにもわかんなかったもんなぁ・・

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バッハ組曲第3曲Airの楽譜。
さすがにここは変なピアノは休み。
低弦にピッチカートの指示。
ダイナミクスが細かく設定されている。原曲にはこれらの指示はありません。
初めて聴いた時印象的だったあの和音が静かにクレッシェンドしていく様子がここに・・・
旋律の歌い終わり、原曲は二分音符が置いてあるところに休符を記して・・・


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バッハの自筆譜も面白い・・
紙を倹約するため序曲が終わった余白にアリアの前半を押し込めてある・・
五線は熊手みたいな道具にインクをつけて自分で引いたんだと昔本で読んだ。

その借りたCDは今でも売られているかもしれない。
15年くらい前には懐かしくなって探したらあったので買った。
アルビノーニのアダージョは実はアルビノーニのものではなくて、発見したとか言い張る現代のおっさんが作ったものらしいことを知ったのはずっと後のことだ・・・
なんだそれ!?
言われてみれば全然バロックらしくなく、映画音楽みたいな感じ・・・でも結構聞ける曲なところが笑う。
またそれが「バロック音楽の楽しみ」というアルバムに堂々と入っているところが面白い。
世の中なんてそんなもんか。
そもそも自分はしばらくの間アルビノーニをアルビニーノだと思っていた。



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