別れのワルツ

30年くらい前には、通り沿いにそこそこの駐車場を持ち家族が何組も入れるような和風レストランみたいなものが何軒もあった。
刺身、天ぷら、とんかつ、ハンバーグ・・・何とか御前・・みたいなの。
定食屋よりは大きくちょっと小さな子供連れの家族でも行けるし法事の後にもよれるみたいな。
すかいらーくが一軒あった気はするけどファミレス的なものはほとんどなかった。
90年代くらいからか大規模チェーン店が進出し、若い家族の好みの変化かデフレのせいか何か知らないけれどこのあたりではもう和風レストランは風前の灯火。

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近所にその最後の生き残りみたいなお店が1件あって、向かいにチェーン店が建っても踏ん張って頑張っていた。
夜は高いが昼間ランチと称して捨て身の勝負をかけて。
味も量も素晴らしく嫁さんとよく通い、先日もそこへ行こうと・・・
・・・・・あれ?・・・・あれ??・・・なんだこれ?
おい!なんだよこれ!
それはやってないとか閉店とかいうレベルじゃなく、
宴会場も店本体も看板も植木も駐車場のアスファルトも何もかも根こそぎはがされて土だけが平らになった更地だった。
え?先週この道は走ったけど気が付かなかったよ!?
先月食いに行ったばっかりじゃん。
閉店の案内なんか何もなかったよな?
いきなり現れた予想外な展開に混乱する。
建物立て直して出直すのかな?
・・・いや、あの更地感は土地を第三者に明け渡すようにしか見えないよ。
お客結構入ってたのに、なんで・・・・
・・・・・あっ
そういえば先月行ったとき、昔からアロワナが何匹も泳いでいたでっかい水槽が空になってたんだった。とても大事にしてそうだったのに・・
あれ?っと思ったけど・・
やっぱりたたむつもりだったのかな?
もうあの蜆の味噌汁食えないのかなぁ?
チェーン店のおいしいとは違うおいしいがあったのに。
また、寂しくなってきた。

すぐ近くにも同種のお店があってとてもよかったしお客も入っていたんだけど突然消えた。
ほんとか知らないけれど地上げにあったとか・・
2軒あったものが1軒になってしまうのと、1軒しかなかったものが0になってしまうのは感じるものが全然違う。
寂しいけれど仕方がない。
あるわけないと思っていたところにも別れは平気で訪れる。


ショパンのワルツ第9番Op. 69 No. 1。
別れのワルツと呼ばれているんでしょう?
実際作曲されたのは別れの場面じゃなく恋のさなかだったようだ。
だから別れのワルツという名前はおかしいだろという人もいるんだそうです。
求婚して相手もいったん受け入れた・・のに色々あって結ばれなかった。
身分とか結核とかドラマみたいだな。
ラブレターみたいなこの曲は封印され出版も公の場で演奏することもなかったという。
きっと一生忘れられず、いつも頭のどこかにあったと思う。
別れのワルツだよなぁこれは・・・
今まで解説も読み飛ばして適当にいい曲だななんて思っていたけど・・それでいいんだろうけど
いらんことを知ったらなんだか泣けてきた。

ショパンはおっさんだ。少女漫画みたいに捉えるのはおかしいだろ・・なんて思っていたけど、やっぱりこの人おっさんじゃないのか・・
いや、おっさんにだって色々あると思うよ。

Tag:ショパン  Trackback:0 comment:0 

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