少し休んでいるだけ

2両の蒸気機関車。
前のC10は火が入って現役、先程まで列車を引いてきて今最後の入れ替えの仕事をしているところ。
観光用に復活したスターみたいなもんなんだろうけど、お客を下ろした後に構内をすばしっこく動きまわって日常業務としての入れ替えをやってるシーンは見ものだった。生きてんだよなぁ・・みたいな。
一方後ろのC12もかつては火が入りここで動いていたはずなんですが、いまは火を入れてもらう事もなくこの転車台の上で事実上展示物化しているみたいです。
凛々しく活躍する仲間を見ながら寂しくここに・・
この機関車、実は大井川鉄道ではなく別な寄付金で活動する団体の所有で、資金的な問題で動かす為の処置が行えないという。
今こうして休んでいるけどな、俺だってまだまだやれるよ。
シューマンの交響曲第4番もちょっと変わった感じによくまとまってとてもいい曲です。
一見ベートーベンが残したドイツ人への宿題みたいなのに乗っていて
おおざっぱに言えば、立ちはだかる運命的困難に頑張って立ち向かってパーッと開けた明るい勝利を手に入れた!
みたいな曲です。

その第2楽章というか第2部分にオーボエとチェロの半分がユニゾンで歌う旋律があるんですが、ここだけ何だかカビが生えたようなみじめな人みたいに思っていました。
それで「みじめな人」みたいな記事をいったん書いた。予約間違えて一瞬公開しちゃったら拍手いただいてしまい・・
でもこの曲、頑張って勝利する人の曲なんですよね。
この部分もロマンツェなわけで、かび臭い4畳半みたいな話じゃないだろう・・
この後すぐ運命のテーマみたいなのが再び出てきてこのヘロヘロ感の原因は運命的困難なんだとよと教えてくれる。
そこへ

ヴァイオリンソロが歌が歌い始めます。
これよりずっと後に作曲されたマーラーの交響曲第1番に傷ついた青年が菩提樹の下で休んでいると優しい風に包まれる・・みたいなシーンがあるんですがあれを思い出します。
風のような、小川のせせらぎのようなこれはまた、恋人の姿を思い出しているようにも聞こえる。
みじめな人なんかじゃないです。
今、傷つき弱ってみじめに見えるかもしれないけれど、
ちょっと休んでいるだけ。
また闘える。
そんな感じがします。
この後また黙々と働くようなスケルツォが来るんですよね。
そこにもまたこの救いのテーマみたいなのが顔を出していて・・
その後は勝利の歌。
人間、頑張るはいいけど休みも必要だよね。
ただ頑張ってすり減ってなくなちゃったらどうしようもないじゃんか。
私はちょっと休みすぎだけどね。ちゃんと仕事はしてるけど。
ベートーベンとは違う詩のような交響曲を作ろうとしていたのを感じるなこの曲。
この曲自体は大好き。
ずっと全然聞かなかったシューマンに最近妙に目覚めてきた・・
ちょっと嬉しい。
一度なくなちゃったらもう2度と戻らないものというのがあると思うんです。
全く新しく作られた蒸気機関車なんてあんまりおもしろくない気もする。
私はこういうのが好きだからそう思うけれど、興味のない人には鉄くずに見えるのかもしれない。
全国の公園で静態保存されたSLが腐ってしまって自治体の負担となりどんどん解体廃棄されているというのをどこかで見ました。
文句を言っても私にはどうにかする力もないので仕方がない。
今は動けないこの機関車を復活させる動きがあるそうです。
ぶっちゃけ寄付金次第みたい。
偉そうなことを言っても残念ながら私にはお金はありません。
お金のある人は助けてあげてください。