春と闇

近所の河津桜が花を付け始めていました。
もう春なんですね。
ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲
の第17変奏から・・
この次の第18変奏は大変有名で昔TVCMで流れたりもしたので聞いたことのある人も多いと思います。

変ニ長調で虹色音楽・・春とは違うかな・・でもわかりやすく絵にかいたような美しさ・・
こういう弦楽がユニゾンでガンガン歌ってピアノが和音連打を重ねる・・みたいなのはピアノ協奏曲の2番3番のクライマックスでもやってます。
モデルはあからさまにチャイコフスキーの1番協奏曲。
今言いたいのは、
美しくてしょうがないこの曲の看板娘みたいな第18変奏の直前にいる第17変奏は

変ロ短調、真っ暗な人生のどん底で泥のなかを宛てもなく這いつくばってるような音楽となっています。
この山城の空堀りみたいなのがあるから本丸も高く見える訳だ。
よく厳しい冬があるからこその春の喜び、美しさ・・とかいいます。
その変奏みたいなネタが無数にあって事あるごとに人生の困難は乗り越えられるみたいな名言に使われているわけだ。
調子が良ければなるほどななんて思わなくもない。
しかしほんとに凍えてるときには安全なところからの無責任なきれいごとのように感じられ・・・
じゃなくて
今、虹の光を放つ18変奏よりこっちのほうがしっくりくる人もいるかもしれない。
春なんか全然来る気がしない人もいるでしょう。
いていいんだよ。
殺風景なようなうちの庭もよく見るといろんなものが芽を出していて花をつける準備をしている奴もいる。
去年も見たなこの光景。
そういえば今の自分を去年の今頃想像もしなかった。
来年の今頃はまた想像できないようなことにできるだろうか・・
別に再来年でも5年後でもいいのか小さくてもいいから光の当たるほうへ。
寒い人にもいつか春が訪れますように。