うめ

近所の何に使われるでもない土地にある梅。
いつの間にかこんなに大きくなって。
しばし見とれる。
観光梅園みたいなところに行った日もあったけど、これで満足。
ドビュッシーの牧神の午後への前奏曲という大変有名な曲。
ドビュッシーも作風を大きく変化させていった人だと思います。
後期の前奏曲集とかは変態世界みたいでずっと拒絶してきました。
面白いかもすごいかもと思いだしたのがやっと最近。
初期の傑作で、このモネの絵みたいな柔らかくわかりやすい感じがドビュッシーだと思っている人も多いでしょう。
こっちはみんな好きでしょう?
後半に出てくるこの部分

木管が大きく歌って非常に優美でいい世界・・
3/4拍子の音楽なんだろうけれど、この旋律は拍をまたがってわざと拍子感をぼかすように歌われてる気がする。
正直に言うと私はこの旋律がなんとなくおおきな4拍子的に感じられたりもします。
ゆったりとしたテンポでふくよかに歌われるのでそれの不明確な感じにそのまま乗ってしまう。

続くいて弦楽器がユニゾンで歌いだす・・ハープも出てきて・・
薄く青い空の下、桃色の花吹雪の中を・・夢のようである・・が
ここで木管が3連符のうち2個を一組・・みたいなパターンをやりだすのでまたさらに拍子感が混乱する。
今どこにいて何がどうなってるのかわからない感覚に陥る。
何もわからないのだけど異様な心地よさに包まれている。
この曲を聞いてもう20年どころじゃないけれどいまだにここはあれぇ~?なんて思いながら聴く。
これは私の頭の悪さをあざ笑おうという音楽・・ではないはず。
よく見ればここも調性は変ニ長調だ・・どの作曲家も天国や夢のような世界を音楽に表そうとすると変ニ長調にたどり着くものらしい。
この多重拍子感みたいな世界は地上のごたごたから完全に離れた夢の世界なのである。
余計なものが見えて余計なことを考えて無駄にとげとげざらざらしていることが多いけれど、
そんなもの一切から離れてこの桃色の花と青い空みたいな世界に佇んでいたい。
考え方や感じ方ひとつでできる気もする。
なかなか難しいけど。