階段

休みの日には犬とちょっと長めのお散歩。
大人だねぇと思うことも多いけれど、子供のように無邪気にはしゃいでいるときも。
みてるとこちらもなんだか楽しくなってくる。
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階段をいっきに駆け下りるのが大好き。
すごいでょ?っていうのがやりたいんだよね。
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芸術家というのは常に自分だけの表現を探していていくもので、時に常識をぶち壊していきます。
周りはみんな凡人だから始めはついていけなくて、批判を浴びせたりする。
その闇の中に沈んで行った人がたくさんいたと思う。
それでもそこを押し通して人の心とチャンスをつかんだ人間が歴史に名を刻むんでしょうね。
既存の価値観に乗って安定した答えを出し続け大人気になった人もいたわけですがどちらかというと芸術家というより職人なのかな。
なにに偉そうにごちゃごちゃ言ってんだという話ですがそういうブログなのでゆるしてという事で・・

マーラーの交響曲7番のフィナーレのおしまい近くに、音楽が数小節ごと多段階スイッチみたいに半音ずつ下へ転調していくという部分があります。
それ以前の時代には禁じ手とされていたようなことをあえて連続的にやっていて、実験的というか挑戦的というか。とにかく聴いていて耳に残るし面白い。

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そのあたりのベースのパート譜。なんか練習曲の楽譜みたいですけね。
いろんな調の”ソ”に相当する音を出しながら半音づつ下へ転調してるのがわかりやすいでしょう?
無茶なことやってるのを聴き手に分かりやすく印象づける工夫も考えてると思うこの人なら。
この曲は全体にこういう常識破りがちりばめられていてかなり挑戦的な曲だ。
でもロマン派の終焉付近で暴れていたマーラーの作品それももう7番だし、それくらいやるよなという気もする。

今言いたいのはマーラーじゃなくて、それよりはるか以前のまじめが常識な時代に一人ぶっ飛んでいた挑戦的なおっさんの曲。


クラシックの音楽の総本山みたいなベートーベンの
これまた超絶ポピュラー作品の交響曲第3番変ホ長調「英雄」
その第1楽章、再現部がめでたく終わって一息つくところ・・

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主調の変ホ長調に安定しさあというところから、何のブリッジもないままいきなり全体が変ニ長調にガクっと降りる・・と思ったらすぐまたハ長調に・・
階段をいきなりガタガタ降りていく・・・全然バリアフリーじゃない。
西洋音楽はルールに基づいて作られていくというのが大前提なんですね。もっと自由に振舞う音楽が受け入れてもらえるようになるのはまだ100年くらい後のことなはず。
この頃こういう転調は禁じ手というより音楽を知らない素人だとかいう嫌味とともに馬鹿にされちゃうような内容だったと思うんですね。
ものすごい挑戦的なことをやっている超前衛的場面じゃないのかなぁ。
この時代の人にとってこれはウルトラ変な事だったと思うんですよね。
それがまたベートーベンの交響曲第3番という超王道みたいなところに勿体ぶりもせずぽっと置いてあることがとても面白い気がして。
こういうのあれですよね、その後のいろんなものを聴きなれちゃってる我々の耳はぼーっと聴いてると少しも衝撃を受けないで聞き流しちゃうんですよね。でも作曲当時はそうじゃなかったわけだから。

法隆寺の五重の塔とか今見てあれくらいに見えるけど、高い建物なんかどこにもなかった時代の人には今のスカイツリーなんかよりずっと高く見えたんでしょうね。
平等院とかも本当に天国みたいに見えたんでしょうかね。

この後コーダに入っていくわけだけどもう一回この素材で新しい展開見せましょうかみたいな話が始まっちゃてコーダじゃないみたいんだよね。古典派の常識を超えているというか・・この曲不協和音をガンガンぶつけたりいろいろぶっ飛ばしてますよね。
その意味でマラ7みたいだ。
じっさい、マーラーの長大な交響曲の先駆けみたいですよねこの楽章。

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犬はこの階段を登るのも大好き。
私よりも素早く登ってすごいね!みたいなのが・・・
実際すごい。
この時点ですでに坂と階段をいくらか登ってきたところ。
中学生のころここを上って学校へ通いました。あの頃息はぁはぁいってたかもしれないけどこんなにぜーぜー言ってなかったと思う。
体が重いなんて思わなかったよな。
なんかここを楽しく降りた日の記憶が目に焼き付いて出てくる。
あのまま楽しい日が続くのかと思ってた。
まぁまたここから楽しく続けるから。

Tag:ベートーヴェン  Trackback:0 comment:0 

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Author:unagi
誰にも迎合できません
2022年11月からピアノ習い始めました

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