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富士川橋梁。
石とレンガ詰みの橋台は歴史を感じさせ近くで見ると感動します。
1889年の開通時からのオリジナルは撤去されてしまい今はもうありません。
手前のトラス橋は多分1910年くらいの複線化の時にできた物じゃないかなリベット打ちで。
その裏にある現上り線は昭和30年代くらいのだったと思う。
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美しいアーチが並ぶこのトラス橋、なんで真ん中の2連だけ形が違うのかというと、
台風で流されちゃったから。
これだけのものを2か月くらいで復旧させたんじゃなかったかな。すごいことだと思うんですよねそれは。
時代が違うからトラスの設計も全く異なるんだけど、面白いのはそれぞれの継ぎ目。

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既存のトラスには大きな変更を加えないで、後からできた方が腕を組んで抱きついているような構造に見える。
このつないでいる部分は強度など機能的に意味があってこうなっているのかな?全然違う形のものを一体感を持ってみせるという意匠的な目的で作られているのかな?

独立した曲を連続して演奏する場合に間につなぎのような部分を入れることがあります。
全然違う曲想をつなぐアダプタみたいな役目をする場合もあるでしょうし、バレエなんかの場合は踊りだから曲ごとに一度びしっと決めてから次に行きまーすみたいな移動の時間が必要なんでしょうかね。
ラヴェルのマ・メール・ロアというマザーグースもとにした子供向けのピアノ連弾組曲が有名ですが、
そのオーケストラ版を発展させてバレエ公演用に仕立てたバレエ版というものがあります。
2度ほど実演を聴きに行きましたが何曲かが独立して演奏されるオリジナルの組曲版でした。
でも私はブリッジを介して連続演奏されるバレエ版が好き。

新曲を追加して曲順も入れ替え・・まあいいか細かいことは
この音楽、バレエ、子供向けの話なのかもしれないけれど、わたしは大人の中にある子供のような心へ向けた世界というか音楽だと思いますね。


各曲間に設けられたブリッジはつなぎの役割だけではなく曲頭に追加された前奏曲と素材を共有することで強く結びついており、全体を一つ世界にまとめる役目も持っています。
明るくにぎやかな中国調の音楽から妖精の国へ移行する最後のブリッジが特に感動的で私は大好き。

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この人鳥の声の音楽化に天才的な物がありますよね。
薄暗く、深い深い森・・今ここは現実の人間世界からはずっと遠いところにあることを示している気がする。
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実際のバレエで何がどう動いているのかは知りません。
ヴァイオリンソロは手前で演奏されてた眠れる森の美女のパヴァーヌの旋律、ハープとともに包み込むように現れる木管の柔らかいファンファーレは妖精の国。
さらにこの前に演奏された美女と野獣で魔法が解けて出てきた王子様をソロヴァイオリンが演じていました。
その印象が強く残っているのでここは王子様がみんなを王女が眠る妖精の国へ連れて行ってくれるようにも聴こえるかなぁ・・

私自身はバレエと関係なく勝手に自分の世界をこの音楽にみていて心の奥ふかくの大事なところへ入っていくイメージがあります。
何にしろ綺麗な心で聴かなくちゃならない音楽を前に心を落ち着けて心の中のごみとかトゲに蓋をするところというか・・

この組曲ができたのも1910年くらいだからあの橋と同い年くらいなんですね。
音楽も時代とともに大きく変化しているから作品に対して時代感覚を持って聞くんだけれど、
ラヴェルやこの曲には非常に近代的な手法を感じてとても新しいものだと普段は思っています。
彼の弟子や教わった人がつい最近まで生きてたりしましたもんね。
でも同じ時に作られたあのレンガ積みの橋脚にはものすごく古い時代を感じたりして・・
このねじれ感がちょっと面白い。
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私が音楽に感じる時代感覚はベートーベンに比べると・・みたいな相対評価的なものなんですね。だから周りとずれている。
マーラーもかなり近代的、現代的だと思ってるけど明治時代の人だもんね。
でも日本の明治時代を連想すると彼にまつわるエピソードとの間にギャップを感じる。
この頃欧米は50年くらい先を行ってたような印象がありますかね。
私的にはショパンが鉄道を利用したことがあるというのがとても面白い。
それがまた日本はまだちょんまげでござるの時代ですよね。
ショパンてそんな古い時代の人なのかと思うと同時に彼の音楽は100年後の感覚を先取りしたような自由さを持っていたりすることに改めてうなってみたりして・・

鉄橋も芸術みたいなところがありますよね。
大阪南港の赤いでかい橋とかなんだかすごいよね。
この富士川鉄橋はまだ大型機械もない時代に国力増強のためとか言って一生懸命作った・・そこにはさらにデザイン的な要素もあって・・その作品の中に昭和50年代なものが挟まってるんですよね。
普及を急ぐとかコスト感覚とか現代の生産設部や技術に合わせなきゃとか色々あってこの形になんだろうけど、今となってはこの全然違うものが溶け込んだ感が一つの作品の顔となって面白い。

この鉄橋もう100年以上働いてるんですよね。
すごいね。

Tag:ラヴェル  Trackback:0 comment:0 

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Author:unagi
誰にも迎合できません
2022年11月からピアノ習い始めました

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