裏方
昨年末にSL列車に乗りに行った。

C10という蒸気機関車が発車前に蒸気を貯めてみたいなところですが、車体中央はボイラーが占領してしまっているのでその側面にいろんな機器が取り付けられています。
運転席のすぐ前で蒸気を上げているのはタービンで回す発電機だと思う。すごい音がする。
今は保安装置だとか無線なんかの電気的な設備を積まないと走れないけれど、基本的にSLというのは前照灯と他のランプ以外は電源不要で動作するような設計になってるんだと昔何かの本で読みました。
なんでも電子制御の現在からすると驚きの機械というか。

発車10分前くらいになると機関士の一人がここへきて小箱みたいなもののふたを開ける。
開けると回転するレバーがあってぐるぐるぐるぐる回していました。
これにどんな役目があるのかは知りません。
例えば各動作部分へ自動的に注油するためのポンプみたいなもの?
とにかくぐるぐる回してた。

これ、蒸気の力でも回るようになっているらしく、みている機関車の排気に合わせて時計の秒針みたいに少しづつ動いているのがわかる。
それがどうしたという話かもしれないけど、これが面白いと思ったわけなんですね。
みんなこんなのどうでもいいでしょう?
でもみんなにとってどうでもいいものが不要なものかというとそんな訳わなくてこれは多分とても重要な役目を持っていたりするわけですよね。
なんかこれが面白すぎというか・・
ブルックナーの交響曲第8番ハ短調の第1楽章。
展開部が終わって第1主題の再現っぽいけど第1主題は単純に出てこなくてここもまだその展開みたいな感じでもあり・・
ほっといても大変面白いこの部分、

第1主題が振り回されてる。
弦楽器のユニゾンを管楽器が縁取りして・・ffで七転八倒しているみたいです。
さらに超絶面白いのがトランペット

周りが全部ffで叫び転げまわっている中、トランペットによるこの運命そのものと言える第1主題のリズム音型には
Sehr leise 非常に静かな・・・その先に immer leice常に静かな・・・という指示があります。
マーラーくらいになるとfffとppが同居していてもありそうな話で不思議ではないですが、
ブルックナーだとまだびっくり指示ですよね。
作者も特別な指示だと考えているんでしょう。あえてppと書かずに言葉で指示しています。
ここ、トランペットは大音響の他の楽器にかき消されてしまいいながらも音の合間から微かに聞こえてくる。
七転八倒している子の人間を支配している運命が遠くに見える・・・みたいですごくいいんですよね。
オーケストレーションはどのパートもはっきり聞き取れるよう効率よく楽器を配置するみたいなのが基本だから、これは明らかに異常な指示、異常な光景。
でもそれを交響曲のでやっているというすごい場面なんだと思うんですよね。
昔読んだ本でどうせ聴こえないんなら吹くのやめちゃおうかと実験してみたみたいな話を読んだことがあります。
やめてみると何か足りないからやった的な普通のオチだったけれど、目立たないから不要かというとそんなことは全くなく、目立たないこれこそがなによりも重要だったりしているんですね。
マーラーとかじゃなくてブルックナーがやってるところが面白いんですよねこれは。
この曲の第1主題には厳しい運命みたいなものを感じますが、ベートーベンとかブラームスに出てくるような個人に降りかかる困難とかいうような運命ではなくて、すべては神が作ったもので人間なんかに動かせるもんじゃないんだよという厳しさ荘厳さみたいなものを言ってるような気がします。
鉄道写真を撮ってる人のブログを見ると今でも電気機関車なんかのことをカマと呼んでいますよね。
お湯を沸かして走る蒸気機関車は走るお釜なんですね。

この時運転席に座らせてもらいましたが目の前はボイラー。
暖かいんですよ。
生きてるという感じがする。
実際、同じ型式でも能力に差があり、癖みたいなものもあって人間みたいだったみたいですよ。
どこの機関区の何号機は名機・・みたいな話でしょう。
蒸気の排気音、煙の臭い・・・写真じゃわからない生きた世界がありました。
今電車の運転席もグラスコックピットみたいだもんね。
例えば副都心線なんかATOとか言って実際自動運転だもんね。
運転士さんは非常時にブレーキを引く構えはしているけど直接の運転操作はしない・・
お客さんは全員スマホを見てる・・時代が変わりましたね。

C10という蒸気機関車が発車前に蒸気を貯めてみたいなところですが、車体中央はボイラーが占領してしまっているのでその側面にいろんな機器が取り付けられています。
運転席のすぐ前で蒸気を上げているのはタービンで回す発電機だと思う。すごい音がする。
今は保安装置だとか無線なんかの電気的な設備を積まないと走れないけれど、基本的にSLというのは前照灯と他のランプ以外は電源不要で動作するような設計になってるんだと昔何かの本で読みました。
なんでも電子制御の現在からすると驚きの機械というか。

発車10分前くらいになると機関士の一人がここへきて小箱みたいなもののふたを開ける。
開けると回転するレバーがあってぐるぐるぐるぐる回していました。
これにどんな役目があるのかは知りません。
例えば各動作部分へ自動的に注油するためのポンプみたいなもの?
とにかくぐるぐる回してた。

これ、蒸気の力でも回るようになっているらしく、みている機関車の排気に合わせて時計の秒針みたいに少しづつ動いているのがわかる。
それがどうしたという話かもしれないけど、これが面白いと思ったわけなんですね。
みんなこんなのどうでもいいでしょう?
でもみんなにとってどうでもいいものが不要なものかというとそんな訳わなくてこれは多分とても重要な役目を持っていたりするわけですよね。
なんかこれが面白すぎというか・・
ブルックナーの交響曲第8番ハ短調の第1楽章。
展開部が終わって第1主題の再現っぽいけど第1主題は単純に出てこなくてここもまだその展開みたいな感じでもあり・・
ほっといても大変面白いこの部分、

第1主題が振り回されてる。
弦楽器のユニゾンを管楽器が縁取りして・・ffで七転八倒しているみたいです。
さらに超絶面白いのがトランペット

周りが全部ffで叫び転げまわっている中、トランペットによるこの運命そのものと言える第1主題のリズム音型には
Sehr leise 非常に静かな・・・その先に immer leice常に静かな・・・という指示があります。
マーラーくらいになるとfffとppが同居していてもありそうな話で不思議ではないですが、
ブルックナーだとまだびっくり指示ですよね。
作者も特別な指示だと考えているんでしょう。あえてppと書かずに言葉で指示しています。
ここ、トランペットは大音響の他の楽器にかき消されてしまいいながらも音の合間から微かに聞こえてくる。
七転八倒している子の人間を支配している運命が遠くに見える・・・みたいですごくいいんですよね。
オーケストレーションはどのパートもはっきり聞き取れるよう効率よく楽器を配置するみたいなのが基本だから、これは明らかに異常な指示、異常な光景。
でもそれを交響曲のでやっているというすごい場面なんだと思うんですよね。
昔読んだ本でどうせ聴こえないんなら吹くのやめちゃおうかと実験してみたみたいな話を読んだことがあります。
やめてみると何か足りないからやった的な普通のオチだったけれど、目立たないから不要かというとそんなことは全くなく、目立たないこれこそがなによりも重要だったりしているんですね。
マーラーとかじゃなくてブルックナーがやってるところが面白いんですよねこれは。
この曲の第1主題には厳しい運命みたいなものを感じますが、ベートーベンとかブラームスに出てくるような個人に降りかかる困難とかいうような運命ではなくて、すべては神が作ったもので人間なんかに動かせるもんじゃないんだよという厳しさ荘厳さみたいなものを言ってるような気がします。
鉄道写真を撮ってる人のブログを見ると今でも電気機関車なんかのことをカマと呼んでいますよね。
お湯を沸かして走る蒸気機関車は走るお釜なんですね。

この時運転席に座らせてもらいましたが目の前はボイラー。
暖かいんですよ。
生きてるという感じがする。
実際、同じ型式でも能力に差があり、癖みたいなものもあって人間みたいだったみたいですよ。
どこの機関区の何号機は名機・・みたいな話でしょう。
蒸気の排気音、煙の臭い・・・写真じゃわからない生きた世界がありました。
今電車の運転席もグラスコックピットみたいだもんね。
例えば副都心線なんかATOとか言って実際自動運転だもんね。
運転士さんは非常時にブレーキを引く構えはしているけど直接の運転操作はしない・・
お客さんは全員スマホを見てる・・時代が変わりましたね。