記念日

いつの間にか見かけなくなってしまった外観から店内から昔風の喫茶店。
メニューの冒頭には料理も店内も芸術品なんですみたいなことが書いてある。
ここは嫁さんと初めて会い話をしたお店。
とっておきの店だった。
私は忘れちゃうんだけど嫁さんは日付を覚えていて、記念日というやつだ。

テーブルの配置変わったよな・・
あの辺りに座ったような。
飲み物結構残してるのをみてあれ口に合わなかったのかな?なんて思ったりして・・
後で聞けばその後のトイレを考慮してただけらしい。
あれから16年だっていうから驚いちゃた。
さあ飯でも食おうか・・

チキンステーキ。
うめぼし?
いいね喫茶店のデミグラスソース。
ほんとは量的に足りないんだけど・・
ショパンのこのワルツ、
いつも変ニ長調は天国の調だとか言っていますけど、この曲は地上にある気がしますね。
それも家でお茶でもしてるような・・

聴いてるといつも二つの声部が歌っていて二人でしゃべって歌っているみたいですね。

結局ケーキセット頼んじゃって・・
いいよね記念日ですもん。
チーズケーキ。
ちょっと小さいけどこれくらいでちょうどいいんだよね最近は。
ここはカフェじゃなくて喫茶店。最近よく見る泡で絵が描いてあってみたいなのはない。
こちらもそんなの欲してないからいいの。

中間部はデュエット。
フラット6つの変ト長調には甘いクッキーを甘いチョコレートでベターっとコーティングみたいなイメージがあります。
でもここはそんなにくどくないね。
ほんとは別な曲について書いてたんですが、言いたいことがエスカレートして騒がしい感じになっちゃったんでやり直し。
記念日な話なんだから。
お店の人が驚異的なぶっきらぼうだったりするけれどもうそれ自体ネタみたいでいやな気もしない。
以前来たときは別な席のお客さんとは楽しく話してるのを見聞きして落ち込んだりしたけれどこちらも歳くってそんなもんどうでもよくなった。
こういう喫茶店もなくなってきましたよね。
しかし一見おしゃれだけど冷たいというか何だか居心地の悪いカフェも多い。
出来れば長くやってもらいたいなぁ。
子供のころから一人でいることが当たり前だったけれど思春期に恋愛感情というか恋愛欲求みたいなものに目覚めたりもした。
腐る前にあれがあって本当に良かった。
人が嫌いとか言っている私に嫁さんがいるのはほとんど奇跡であると思う。
ずっと1人でいいなんて思っていたら今頃さみしかったろうなぁ。
またここにこれた。

外に出れば大きな木。
実だか何だかわからないけど雨みたいにバラバラ振ってた。
あの時もそこから見下ろしてたのかな。
この先、また何年かたってもそこから見ててくれるかな?