傘雲と神様

伊豆半島の西海岸に張り付く道路は道幅も狭いうえに山肌に取りついてくねくね進んでいくような道で気分の盛り上がっているときにはいいけれど、そうではないと長く続く苦行みたいな道路でもある。
この日、飯を食った後どこかへ行こうか・・あまり盛り上がらないままここまで来てしまった。
6422.png
富士山に傘雲ができると雨が降ると言われています。実際、そうみたい。
まあ、晴れてなくても景色は景色。
それなりに見入るものがある。
嫁さんはこの先のあるわけないところにカフェらしきものがあったことを覚えており、そこへ行ってみたいようだ。
確かあそこ長期休業中じゃ‥まあいいかこのまま行こうか。

6423.png
結構走ってあれは大瀬崎。
絶えず見えている富士山はしかし見るたびにまとった雲の形が違う。でもずっと傘雲は被ったままだ。明日はダメだな。
あの天橋立みたいなところには淡水の池があったりして・・
実際はその手前写ってないところはダイビングの何だかというので人が大勢いてなんか楽しそう。写真には写らないけどここへも歓声みたいなのが聞こえてくる。私はなんかそういうのが苦手。もうあそこはよらなくていいや。

ここからは細い山道のようになる。
ちょっと行けばえこんなとこに?的なカフェ・・
でもでっかく準備中の文字・・
いいの別にここまで来たってだけで。
木々に阻まれて見通せないカーブに馬鹿みたいなスピードと軌跡で突っ込んでくる車を予想しながら走ればそのまんまななのが・・
ああいう奔放適当に生きているのに周りが合わせて助けてくれて・・これでいいんじゃんみたいな人を時々見かける。
無神経な言葉を吐き散らし、相手が折れてくれているのを自分の正しさが受け入れられたと誤認し武勇伝として語る人や
借金があるのに思い付きでどんどん金を使い、誰かが払ってくれると笑っている人・・実際払ってもらって・・
でもみんな、周りから素晴らしい人と認知されちやほやされていたりするのを見た。
わかるよそんなに気にしなけりゃいいんだし、もしかすると自分も誰かに対してそうなのかもしれません。
じゃいいのか・・でもたまに心に刺さるんだよなぁ・・チープなひがみなのかもな。


6424.png
さらに進んで井田。あー晴れてきた。
わずかな平地で田んぼを作っていて、ここだけ周りと全然違う景色となっている。昔はあれが命をつなぐ田んぼだったんでしょうね。
今、あそこに見える何軒かの家はみんな民宿みたいだ。
いってみたいなぁ・・と思うけれど人が苦手とか酒が飲めないコンプレックスがじゃまして。
反対側には
6425.png
明神池。
なんかこう、神様がいるみたいですね。
天橋立みたいなのがは海流が運ぶ砂礫なんかでどんどん伸び、対岸とつながると入江は池となる。
このすぐ下には古墳もある。淡水化したあの池は昔から人も潤してきたんでしょう。
ここもいいところだなぁ‥

この日、頭の中に流れていたのはクラシックじゃなかった。
訳があっておかしくなっていた高校時代、通学の電車は私にとって地獄の釜。普段はいっしょになることもなかった同郷というか同じ中学出身の人間がたまたま同じ電車になって向かの席に座った。
俺に近寄れば周りから変に思われるからよせばいいのに・・何も知らないのか?
でも彼は気にせず向かいの席に座り、イヤホンの片側を私に差し出して自分の好きな音楽を私にも聞かせてくれた。
その歌手は今も現役、よく知らないけれど多分熱狂的ファンみたいなのをたくさん持った人。
ちょっとこばかにしたような歌詞を聴いて私が思わず笑うと彼も笑った・・・そのとき窓から見えていた景色・・・
そんなことをふと思い出し、その歌手の曲がずっと・・
あれから30年近く、驚くべきことにもう孫までいた彼は同窓会を企画する一団のリーダー格だった。
すげーな。それに比べて・・・なんてなんて言わないよ。


そして
6426.png
戸田。
ここにも天橋立的なのが・・こちらは規模もかなり大きく漁港も持っている。
妙に目立つある鮮魚系料理屋は知る人にはぼったくりで有名らしい。
3日くらい前に書いた嫌になってすぐ辞めた会社の上司がもう一人の同行者が止めるのを聞かずに入った挙句まずいだのぼったくりだの文句言ってたのを覚えてる。
はじめは散々の武勇伝を真に受けてすごい人なんだななんて思っていたけれど、そのうちその人の人間性全体に疑問を感じるようになり、この下にいても人生を無駄にすると思ってすぐやめた。


しかし書いてる内容がなんだか文句と愚痴ばっかりだ。
私は今何かに不満を感じているんでしょうね。
ちょっとわかりかけてるそれは考えないように蓋をしている。
こんな風でいるとそれと同じようなことが倍になって自分に返ってくると思う。・・なんて書いてたらほんとに来たんだよ・・
いけませんね。
また、楽しい日もあるでしょう。

6429.png

不条理みたいなものを感じた時にまあいいや誰かが見てるだろう、なんて自分を納得させようとすることがあります。
要するに悪い奴はいつかひどい目にあって今の状況は続かないし、まじめなつもりの自分は報われるはず・・みたいなの。
誰かというのが具体的に周囲の人を指す場合もあるだろうけれど、何だかわからない場合に感じるのが神様じゃないでしょうか?
生きづらい現代なんて言いますが、むかしは明日の太陽が見られるかわかんないような厳しい世界だったわけでどんな言葉や文化にも共通して神という概念があるのもわかるような気がします。

6430.png
こんな空を見てるとなんとなく神様のことを思ったり。
実際、私の都合に合わせて事が動くわけがない。
私が悪いと感じたその人はその後もそれを続け、生き生きと楽しそうに人生を謳歌していたりする。
私が下を向き耳をふさいで生きてるのはそれに気づくのが怖いからかも。
時々、一番見たくなかったそれを思い切り突き付けられることがある。
あれも神様?

6431.png

あまたちょっとだけ彩雲・・
いいことあるかな。
もうこの先、どこへ行くということもない。
ゆっくり空を眺める。
凝り固まっていた心が少しほぐれるような気もする。


https://www.youtube.com/watch?time_continue=315&v=Qx4JvLe9pGM

トゲみたいなものばっかり気にして、自分で勝手に刺さったような気になって・・
そんなもん関係ないんだよ。
自分のこころででよく見てごらん・・
みたいにも聞こえますよねこの音楽。
そんなこと言ってないんだろうけど。

このまま海沿いの道を進めば土肥、その先は走りやすい道路となるけれどもう時間も遅い。
峠を超えて戻ろう。

6432.png


Tag:ベートーヴェン  Trackback:0 comment:4 

プロフィール

unagi

Author:unagi
誰にも迎合できません
2022年11月からピアノ習い始めました

ランキング
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ シンプルライフへ
それでいいの - にほんブログ村
カテゴリ
カレンダー
08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
カウンター
.
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ シンプルライフへ それでいいの - にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村