だれもいない吉水神社とおっさん

さえない気持ちのまま吉野山に登ったけれど飯を食ったら元気も出てきた。
せっかくだもん、何か見て帰ろう。
前の晩、さらっと調べると桜な話ばかりが山のように出てくるし観光協会の立派なサイトからは正直何が見どころなのか読み取れなかった。お前があほなんだろという事かもしれないけれど全然観光系じゃない人の写真から吉水神社というところに行った方がいいことだけわかり頭の中にいれて。

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なんだかすごい歴史的人物が登場する場所なはずなのに、こんな近所の裏手みたいな雰囲気のところを入っていく。
自治会が管理するお堂とかみたいだ。

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この先に駐車場があります・・ってとんでもない勾配のここを車で登っていくんだろうか?
というかこれほんとに世界遺産へ通じる道なんだろうか?

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門をくぐると

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また門
廃仏毀釈の後、神社という事になっているけど神社というわけでもないと思う。
うちの近所くんだりにも一つの建物の中に神様と仏像が同居しているのを見る。もともと日本人の中で神社と寺院を分けるという考えの方が不自然じゃないのか・・
ここは僧兵とかなんとかあれでしょ?宗教的拠点というより政治的軍事的拠点みたいなもんでもあったりして・・とか書いてみたけどよく知らないのにあんまり書かないほうがいいか。
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くぐると左手に見えるこの庭園は秀吉が設計したものだとある・・えーほんと?
いきなりはじまりましたね。
あの人がたくさんの家来や町人を連れて超巨大スケールな花見をやった話は有名でなんとなく知ってる・・・その本陣がここなんだって・・
しかし正直に言えば庭とか見てもよくわからない私には説明がなければこれが何なのかわからないとも思う。

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南朝皇居・・こうきょだもんね。
後醍醐天皇って俺でも知ってるよ。南北朝とか新田義貞とか・・
昔、私の住むこのあたりの近所で後醍醐天皇に派遣された新田義貞と足利尊氏の合戦があった。小学校への通学路にあった供養塔はどうも逃げ延びた新田方の家臣が絶命した場所だったりするらしい。
自分で書いて驚いたけれどどうでもいいようなこの近所も意外に歴史にまみれてるんだな。
しかしあらためて後醍醐天皇について書かれたものを読んでみたけれど何だか複雑すぎてよくわからない。
なんか知らないけどいつまでたっても安定せず、平和なんか程遠い時代があったのね。
そんな超絶歴史の舞台なはずなのに

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御用の方はベルを押して3分お待ちください・・・手書きで・・
なんだこれ・・
ベルって一回書いただけじゃ気が済まないのね・・

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手作りの傾いた柵・・
伊豆とか行くと個人がやってるインチキ博物館みたいなのがあったりしたけどあれみたいだ。
内緒で入っちゃえば入れそうなこれがほんとに世界遺産なのか?
待っていると白いひげを蓄えた・・なんだろう宮司さん?が来てくれて
なにか?・・
いや、なにかって・・・拝観させてもらえますか?
あーはいはいとか言って長い棒でなんかやってるから何かと思ったらブレーカーを上げてた。
歴史的にすごい場所だと知っているだけにこのギャップが面白い。
なんかこう田舎の市営公園みたいな・・
お金を払って中へ通してもらい、そこへ靴を脱いで上がってくださいと言われあがるといきなり
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ここは源義経と静御前が最後の時を過ごした部屋。
誰もいないので不思議な雰囲気。
音声ガイドがでっかい音で流れているのもなんというかこう・・昭和な観光地的みたいかなぁ。
でもガイドのおかげで非常にわかりやすくありがたい。
静御前16歳・・・そうかぁ・・
五条大橋のくだりとか勧進帳とか・・なんとなく存在自体がネタみたいな気もする義経だけど・・誰もいないこの場所で一人静かにしているとだんだん心が落ち着きその存在に思いをはせてい見たりする。
隣のあの一畳敷きのスペースは
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弁慶が控えて今後について思案していた場所・・だそうだ。
せっかく二人がいい感じなのに邪魔でしょとかいっちゃいけないんでしょうね。
ここはすごい場所だと実感する。
そういえば日本最初の書院造とかいうのもあったな。
あの床の間みたいなのや違い棚も・・
世の中みんなここのコピーなのか?

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畳の廊下を奥へ進むと

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後醍醐天皇玉座
天皇の玉座とかって私なんかがこんなに簡単に眺められていいんだろうか・・
だいたい後醍醐天皇って超絶有名じゃないか・・
後ろの金の絵みたいなのはすごみが違う。

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違い棚とかああいうのもあれか・・
さほど高くない天上・・
こんな狭いところに押し込められて、それはかなり厳しく屈辱的な事だったんでしょう・・
偉くもなんともない代わりに自由に好きなところに来てへらへらしてる自分はどんなに幸せなのか・・教えてもらった気もする。
ほんとに誰もいないから、廊下に正座してじっくりこの場の時間を感じさせてもらう。
ここは悲しい場所なんでしょう。
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金屏風には朝顔?
この日の朝、家にも咲いてたあんな色の朝顔が。
昔からみんな朝顔愛でてたんだね。
こんな超絶すごい場所なのに
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無造作に電源コードがステップルでとめてあったりして・・
どっかのおばーちゃんちみたいで笑ってしまう。
ほんとに世界遺産なのか?

外を見ると
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この建物は斜面に立っているのでこんな清水寺的な・・
結構肌寒い。
冬は厳しいんだろうなぁ・・
後醍醐天皇は風邪をこじらせてなくなったそうだ。

さらに進むと宝物がたくさん展示してあった。
むかし坊主めくりだったっけ?蝉丸という名をよく聞いた。
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これは蝉丸法師愛用の琵琶だそうだ・・
蝉丸が誰なのかよく知らないけれど、音楽家としても名を知られていたという。
俺も死ぬまでに何か楽器を習ってひとつくらいできるようになってやると意気込む気持ちと度重なる失敗によるトラウマが均衡して今また足踏み状態。いや、やるよ。
隣の鐘は秀吉が寄贈したもの。

急にコン!とかいうからラップ音かと思ってびっくりする。
みると
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うわっ・・割烹なんかにネタであるのとは違う本物感・・
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外には金峯山寺。

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義経の兜があった。
誰もいないので正座して顔を近づけガン見する。
小柄な人だったんですね・・
ひも・・じゃなくてこのなんていうんだっけ?これ・・今でも見ますよね糸を編んでいくやつ。
間近で見れるなんて・・これオリジナルなのかな?

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他にも天皇が作らせて愛用したなにかとか弁慶の持ってた武器とか・・
どこかの美術館なら特別展示とか言いって見張りが立ちそうなものが無造作に置いてある感じ・・
ほんとにすごすぎるとこうなっちゃうんだろうね。

この辺りで何人の人が後から入っきた様だった。
せっかくだからともう一周見て回った。

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秀吉愛用の屏風もその辺にぽって置いてあるんだもん。
(複製)と書いてあるものもあったから、書いてないものは皆本物なんでしょう?
すごいねここは。

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外庭へ回ってみる。
なんかよくわからないけれどドイツ国旗のついた名札みたいなのをしている外人のおじいさんが・・片言の日本語で話しかけてくるのでただの外人観光客とは違うだろう。
答えてあげたいけれど、問の内容がコアすぎて全く答えられない。
でも笑顔で会話ができて楽しかった。
奥さんらしい人はなんか冷めてるようにも見えた。あんまりおもしろくないかもな。
そういうのはどこでも同じ。

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吉野葛とかいうし、葛切りでもゆっくり食っていくかぁ・・なんて思っていたけれど吉光神社で予想以上に時間をとってしまい、ちょっとそんな感じでもなくなってくる。


https://www.youtube.com/watch?time_continue=2428&v=ArHY-m8RJY8

ベートーヴェンは自身ピアニストでしたので数々のピアノソナタは彼にとって特別な作品なんだと思います。でも私はなんとなく愛称付きの超絶有名曲くらいしか聴いてこなかった。落ち着いていろいろ聴いてみようと思ったのがやっと最近。古い寺なんか見てみたいと思いだしたのと似ているかも。
思春期の頃にクラシックを覚えていろんな曲を知っていくことにワクワクした・・すごい世界がその先にあるような気がして。
でも考えてみればそんな世界なんかなかったし、あの頃はもっと別なものに興味を持ってワクワクしなくちゃいけなかったんじゃないのかとも思う。
14歳くらいの私の頭は多分8歳児くらいだったかもしれない。二十歳で14歳くらいだったとも思う。それでそのまま14歳くらいで止まってるかもしれない。子もできねーよなそりゃ。
でもいいの。年をとっても新しい曲を覚えていく楽しみがまだあったわけだから。
残念ながらこの人生はピアノを弾くというのとは無縁なところにあるけれど、もしそれができるとしたら誰に聞かせるでもなくこんなのを1人弾いてみたい。

もう一度階段を上がり
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金峯山寺。
拝観料払って中を見させていただこう。
内部は撮影禁止なので何にもないけれど、
さほど長くない距離を一周。いや半周くらいで自分の気分が変わってしまった。
そこかしこにある仏様に手を合わせながら・・最後はでっかい柱に手をついて目を閉じ・・・
しかし手前の柱は物乞いスケール間で圧巻ですよ。
巨大な立ち木を枝だけ落としてそのまま生かした感じでしょうか。
仁王様かな?が踏みつけている鬼の瞳がかわいかったり・・
なんかこう、ずーっといたしいたい気分だった。
お坊さんがお経をあげている声が響いて厳粛な・・・
そこへ「これは飾っておくタイプですかぁー?」
若い女性のピッコロみたいな高くて刺さる声。
彼女にとってはお寺もお店もお守りもアクセサリもみんな一緒なんだろう。
多分何人かグループのうち、でかい声で騒いでいるのは一人。
買えば気が済むのかと思ったけれど立ち去ることもなく長い時間ずーっと・・
声が大きいですよくらい言ってやろうかと思ったけれど目の前の坊さんが何も言わないんだからこれでいいのか・・いいの?
ちやほやされて生きてくるとあんなにな・・違う。世の中やったもん勝ちだ。
あれが正しいとも思わないけれど、私の正しいと信じてきたものも間抜けな茶番だった。
これも神仏からのお告げかもしれない。
いいからお前もなんか一つくらいやりたいことをやってみろよ・・

もう少しいたい気持ちもあったけれど時計を見ればいい時間。
こんなところに4時間もいられるのか・・なんて思ったけれどあっという間だった・
駅まで30分は見とかないと・・せっかく指定を取った特別列車に乗り遅れないように。
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工事が終わったこの門をまた見に来られるだろうか?
だろうかじゃなくて来ようとすればいいだけなんだよね。
死ぬまでに人込みの桜の時期にここに来たいと思えるようになれたら俺的に超絶進歩だよな。
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相変わらずのすごさ。

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相変わらずの人のいなさ・・・
お菓子屋さんからの「おかえりなさい。味見てって!」を笑顔で無視し・・

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ケーブルカーは休止中。
歩くのも楽しいからいいけれど、2回目以降はきついかな?

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赤い橋は渡らず、右へそれていく犬の散歩道みたいなのが近道。
つづら折れの車道を串刺しにしているような形でまたいったん車道に出るんだけれど

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この近道という看板がなければ

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見落とすような細道で帰ってゆく。

あーよかったなーとか口に出しながら。
不思議なところと素敵な時間だった。

Tag:ベートーベン  Trackback:0 comment:6 

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結構さみしいけど結構楽しいよ。
クラシック音楽が好きです。

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