砂丘

また砂丘へ行きました。
この前とは違うところ。
似たようなもんだけど。
ここへ来たのは初めて。
雰囲気が全然違う。
人はだれもいないし来る気配もない。

砂の坂を登る。
降りたての雪みたいな砂だ。
足を取られながら

うみだ。
あたりまえか。

砂に埋もれて

でっかい風車はジェット機みたいな風切り音を立てる。

風紋の上を砂が流れていく・・

どっか別の星に来たみたい
なんて口に出せばあほ扱いでしょう。
いいよそれで。
https://www.youtube.com/watch?v=JLnSXelTj94
バッハよりもっと前の時代の人の音楽なのにすごくモダンにも聴こえる。
チェンバロが即興でアルペジオを弾くことになっているため解は無数にあり、いろんな演奏があると思います。
ロマン派的に解釈してこの幻想的な世界を壊さないよう控えめにしたもの、普通にやったら負けだろみたいなの・・当時の実際はここで芸を聴かせる後者よりだったような気もするけれど、静かな演奏も残しておいてほしいなぁ。

日が暮れていく。
かなり遠くの方に釣りをしているのか小さく人影が一人だけ。

嫁さんと二人。
砂の上の足跡は風ですぐ消えてく。

嫁さんが丘の砂に飲まれてこけてる写真をとったりとか・・
また怒るかな?

向こうに見える黒いものは人影じゃなかった。
何かでっかいものが突き刺さって波に洗われて。
誰もいない幻想的な時間。
実際は靴の中砂だらけになっちゃってあーあーとかなんだけど。
この日はいい一日になった。
嫌だなぁ‥なんて考えていると嫌なことを呼ぶらしい。
これを書いている今、とげが刺さって塩を吹き付けられたような気分で。
今、あの砂丘で砂の上をさーっと定速で移動してゆく砂の光景を思い浮かべる・・・・別に何にも変わらないけど。
嫌なことも勘違いも、みんなあの砂みたいに何のひっかりもなくサーっと流れていっちゃうような心を持ちたい。