超低速で遥か彼方を目指す趣味。

私は動作を伴うことを理解し自分の状態を把握しつつ実行できるようになるのに通常の人間の何倍も時間がかかる。どっかおかしくなにかもまずいいんだろう。
今ならだったらゆっくり覚えればいいなんて言えなくもない。
しかし幼い頃からその事が明るみに出ることに異常な恐怖感を持っておりその場から逃げようとしてきた。なんでも逃げちゃうため、ほとんどあらゆることがちゃんとできないままのこの歳である。
それはいいとして、音楽が好きといいつつ自分には楽器演奏は無理なのだとあきらめて生きてきた。
苦もなくいきなり音を鳴らす子供もいるけれど、電子キーボードと違い管楽器などは基本ができていなければ何を何年やってもまともな音をただ鳴らしてみることすらできないのである。その知識はいくらでもあったが何一つ基本から押さえたことのない私にはそれが実感的に理解できなかった。
数年前にあるきっかけで、あきらめきれない夢をとか言ってまた楽器に手を出したのだけれどほぼ同じ経緯をたどって挫折した。挫折じゃないなまた逃げただけ。

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そして、懲りずにまたやろうとしているのである。
昔から自分はやるどころか近づいても行けないと思い込んでいた楽器。よくよく考えてみればだれからもそんなことを言われていないし、法令や規定で禁止されているわけでもない。そのことに気付いたのが44歳。
我流では一生何もできないことをやっと受け入れることができたのと、歳を食ったせいか人間恐怖症に図々しさが打ち勝ちそうな気がしたので、自分でも信じられないが先生について楽器を習い始めることにした。
なんのやましいところもないけれど具体的な内容は書かけません。
レンタルも可能ですよから始まったけれど楽器は買ってくださいという話になるのは楽器店がやっている教室なのだから当然なのかもしれません。受け取りの時には先生が同席して検品してくださった。
練習用とは言え自分の楽器かと思うと萌えますね。

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その帰り道、富士山雲に隠れてるのか・・とかいいながら脇道へ入ってみる。
高校へはこの路線で電車通学だった。
まだあんなユニットバスみたいなのは走ってなくて古い形の電車で。
中学で吹奏楽部だった人間を調べるらしく勧誘の電話がかかってきて、断り切れず吹奏楽部に入部した。
僕は酒も飲めないし人間嫌いで人と話すことができませんなんて言ったらお前面白い奴だな!と爆笑しその後かわいがってくれた先輩がいた。部活が終わってからも先輩に連れられて沿線の街をほっつき歩いたりして。ゲーセンとかに行っても何が面白いのか全く分からなかったりしたけれど・・それでも。
新しくやろうとした楽器は結局まともに音を出せるようにならずなぜだと思いながら挫折したのも今思えば上記の通り私の定型通り。
その直後から真っ暗闇みたいな中に突入してゆく。
最近、毎日あの電車を地獄と感じた私の謎の2年間は昔から問題を抱えた近親者が発狂したときの言動と内容が酷似していることに気付いた。
なんであれ、その後しばらくはその街に近づくこともできなかった。
いまでもそうかもしれない。

そして習いに行くことになった楽器屋はその街にある。
遠いからというより昔の呪縛から逃げたくて避けようとしたその店でしかレッスンが受けられないというこの展開は、まあただの偶然なんだろうけど何か感じなくもない。
行けばふと目に入る建物の角みたいなところに小さな記憶の引っ張りしろがあり、封印していた記憶が呼び覚まされる。

習うってことは実際、何かしてもらうんじゃなくて自分が練習するということなんですよね。
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ここは近所のスタジオ。
仕事の帰りに一時間ほど毎日練習をし・・たつもりだった。
2週間たって2回目のレッスン。
音を出してみてください・・
「はい、全くダメです。」
練習しているつもりもいつの間にか余計なことを考えて我流の変なことをやっていただけなのもいつもの通り。
今まで全く使ったことのない筋肉を使わなければならないためなかなかできないし安定もしないしそもそも何がどうなっているのかも把握でてきない。同時に、自分には尋常ではないかなりたくさんの時間が必要なこともよくわかる。
挫折する人というのはみんなアンブシャがうまくいかない人です。
焦らず、丁寧に行きましょう。
い魔までも散々聴いてきた言葉ではあるけれど、今までと違うのは
先生の言われることを聴き、信じ、従うべきなのだという気持ちでいられること。
すぐに普通の人ならこんなことは・・あのときあんなことしなければよかった・・とか言うのが湧いてくるのも押さえつけ・・
大丈夫、まだ大丈夫、今のところ大丈夫。

これを書いている今はレッスンから帰ってきたところだけれど、明日また言われたことを練習したい気持ちでいっぱいだ。
これでいいじゃない。

このスタジオは幼いころ住んだうちのすぐそばにあり、通う道端に昔の記憶を見つけることがある。
区画整理で急速に失われていくその記憶の糸口の最後の頃にここに呼ばれてたのも運命か・・・なんて書くと馬鹿だと思われるかもしれない。大きなお世話だわ。
いつものように終わってお金を払い際に
明日は来れません・・というとオーナーが
本番いつなの?
い、いえ・・明日レッスンだから・・
そうなんだ、この時期だから第九の本番なのかと思って・・
なわけないです。

練習場から帰る道は昔からの細い田舎道だ。
変にライトを明るくした軽自動車がアホみたいにあおってきても腹も立たない。
こういう時は楽器のことばかり考えてみようか。


https://www.youtube.com/watch?v=VP7RnuCmM00
全く何の関係もなく。
クラシック音楽に興味を持ったばかりのころ、ベートーベンのエグモント序曲をテープに入れてくれた人がいて何度も何度も聴いた。
序曲ばっかり聴いていたのでこれだけ独立した作品のような気もしていたけれど、劇に合わせてなる音楽がこのあと何曲かあるのね。交響曲だと5番のあたりで書いた曲だというけれど、終結のピッコロを含めなんか似てるというか。
いろんなところであぁこれベートーヴェンの音楽だなぁ・・と思いますね。

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弦楽器の圧倒的な唸るうな叫びで始まる・・んだけど最後に P で小さくつぶやく。
ノイズリダクションなんてあるわけないようなチープなラジカセと、どっかで拾ってきたようなテープで聞いていたのでこの最後の小さな音はほとんど聞こえなかった。
だからここは休符になっている音楽だと思っていた。
そんなところから始まって・・
始まってって何も初めてないけどね。
久しく聴かなかったこれを急に聴いてみたくなったことにも何か意味があるんだろうけどまあいいや。
あのころ、まだ頭の中も体も子供だった。


ブログって多分やっている人のほとんどは中年以上で、自分の子や孫の成長について書いている人がたくさんいる。
私は子供がいないと思っていたけれど考えてみると自分がまだ子供にも到達していないかもしれない。
なんでも目標をもってやらなくちゃいけないと思うけれど、目標の持ち方がいつもおかしいのかもしれない。

私はあらゆることを否定的に受け止め、人の視線、しぐさ言葉の裏を読んでその根拠を探そうとする。
後天的な理由もいくつか思いつくけれどもしかすると血の中にもその理由があるかもしれない。
高校生の頃にあった他人に説明できない世界もそこから来ているのかもしれない。
今も、まだ誰も何も言っていないのにお前には無理だという声を自分で聴いてしまう。
なんであれ、このまま私はこうだったで終わりたくない。
死ぬまでに自分をどれだけ育てられるか、ほんの少しでも進められたらいいと思う。

Tag:ベートーベン  Trackback:0 comment:2 

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結構さみしいけど結構楽しいよ。
クラシック音楽が好きです。

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