夕映えに向かっている

近所の梅。
主がいなくてもけなげに咲いている。
主なき家には先日業者が入ってた。
解体するんですか?
ちがう、片付けだけ。
借家にするのかな?
おかしな人が来たらいやだな。あそこみたいに。
ふと気が付くと、ずっと続いてきたのどの異常と咳が回復方向に向かっているのでは?という気がした。
まだ少し怪しいけれどこの週末で何とかなるだろうか?
始まってちょうどひと月。
毎回思うけれど何でもないときには当たり前だと思っている健康は当たり前じゃない尊いものですよね。
治るといえば制御基板ごと死んでいるように見えた1階トイレのウォシュレットが復活した。
しかし動いてくれるのは夕方から夜にかけてだけで朝はちゃんと動かない。
もう少し働こうとは思うけれどフルタイムは勘弁してほしいみたいな。
働き方改革である。
電気製品が異常な挙動を見せたら安全性に問題がある状態であるのかも知れず、こんなふざけたことを言っていてはいけないと思います。
犬と散歩。
犬は子供の頃に褒められたことをずっと覚えている。
階段を駆け上がるとすごいね!はやいね!と褒められるのが嬉しいらしく

私が登り終えるまで待っていて、
一気に駆け上が・・

あれ?・・

驚きのゆっくり感で・・
歳取ったね。
犬は最近、急に一気に老け込んだ。
散歩に行けばどこまででも行っちゃうよ・・もっと歩るこーよーなんて笑っていたり、四六時中ねーねーあそぼーよーなんて言ってくれたあの日はもう来ないのか。
当たり前にあると思っていた世界は当たり前じゃないし、いつまでもあるものじゃないんだね。

お堂の裏の梅の花が咲いてた。
空にはトンビかなにかわからないけれど2羽、風に乗って円を描いている。
いつも何喰ってんだろう?あんなところから獲物を見つけるんだから。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=502&v=E4jZ21bLB_c
リヒャルトシュトラウスの最後の4つの歌という曲集の最後、
夕映えの中で。
これが死というものか?・・
という最後の言葉の後、もう太陽はなく残った赤と夜の闇が混じり始めた高い空に2羽の鳥が鳴きながら円を描くのを見ながら終わっていく。
ひばりがのぼってゆくという歌詞があり死者の魂が天にのぼっていくことを重ねて感じたりもするのだけれど、でも聞こえてくるあの鳴き声は私の知ってるあのピーピーうるさいひばりとは全然違う気がする。
なんかこう、鷹とかみたいな猛禽類じゃないのか?
何でもいいけど自分の最後の時もこんな風だったらいいのになとは思う。

鴨軍団が一斉に押し寄せてくる。
昔から一人二人、鴨に餌をやっている人がいた。
最近は皆が食パンをやるので人を見ると寄ってくるようになった。
自然界にはない食パンをばらまくことには問題もあるんだと思うけれど、今この場はそういう話をしようというんじゃなくて。

なんかうれしそうだね。
今だって散歩に行けば楽しそうなそぶりを見せてくれる。
散歩させられてるのはこっちのほう。
今は隣で、こたつで転寝する嫁さんに吠えたり頭突きをして起きなさいよ~とか言ってる。

元タバコ屋さん。
子供の頃、あそこは窓口みたいになって奥の和室とつながっており、日向ぼっこを兼ねて座布団の上に座ったおばあちゃんが笑っていたのを見たような記憶がかすかに残っている。
農家のようなので今は採れた野菜やイチゴなんかが並んでいたりする。
嫁さんがこういうのが好きみたいでほうれん草を買ってた。
子供の頃にはこういう小さな万屋みたいなのがそこら中にあった。
いま、そのほとんどすべてがたたんでしまったけれど、まだその名残を残す建物が各地に残っていたりするのを時々見ては昔を思いだす。
自分にとっての昔というのもどんどん遠くなってきた。
この日この後出かけた。
日が暮れて海沿いを走ると

こんな光景を見ることができた。
でもすごく寒い。
夕映えはもう終わって。

自魚料理みたいな店に入ってみたいけれど嫁さんが生大嫌いなのでかなわない。
まいいけど。
何でもないような休日。
こういう平和な時間があるのが当たり前だと思えるのは幸せなことだ。
そうじゃないときもあったし、またすぐそうなるかもしれないのも知ってる。
今まで、気が付けば驚くほどあっという間にその時だったというのが何度もあった。
この先時間はさらに加速していくと思う。
どうか、こんな日が長く続きますように。