高野山へ行って自分の抱える最大の問題を思う。

初めての高野山、適当に調べてとりあえず奥の院に行った方がいいような気がしていた。
途中の中の橋だっけ?からじゃなく
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ちゃんと全部見るというか体験したいと一の橋から入るべく奥の院口というバス停で降りる。
言ってもお墓地帯ですよね。弘法大師の足元に眠れば極楽住生できるという信仰によるもの・・だそうだ。
各地の有名な武将のお墓が並ぶ。
確かに各地の知ってる大名家のお墓がいろいろあって・・
一時は命を取り合ったはずなのに、みんなここへきて仲良く一緒に眠ってるのね。
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すごくでかい。
まぁ、そりゃそうなるんだろうなぁ。
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秀吉みたいな超絶有名な墓とか、七不思議とか・・いろいろあったはずなのに見落としたのは
やっぱり気が焦ってたからかな?
時間ないとか思って。

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人の苦しみを背負ってくださっているという汗かき地蔵と
のぞいて自分の姿が映らなければ三年以内に死ぬという井戸。
なんか映ったのでまだ3年は行けそうですか。

延々たくさん並んだお墓。
武将だけじゃなくて会社を興して成功した人とか、会社が墓地をつくってみたいなのも目立つ。
でっかい看板を立てて。
この人はこんな事をした人ですみたいな説明書き入りで。
最初はほーなんて思っていたけれど、そのうちなんだか気分がささくれてくる。

むかしマーラーという作曲家は
自分の墓には名前以外何も刻まなくていい。私が誰だったかを知っている人間だけが来てくれればいいと言った。
芸術家だからね。
自分の残したものが誰かの心の中に生き続けるとわかれば、墓だっていらねーんだろうと思う。
なんてことを考えたりしながら・・
一方そんなの何にもないうえに子供がいない私は墓というか自分の死後に対して考えるのは今はタブー。
3年といわずもう少し時間をください。
とりあえず今は今生きてくことを考えないとね。死に際にみじめに後悔しないように。

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ここは・・なんていうんだっけ、参拝者にお茶を振舞ったりしてくれるらしい休憩所。
行ってみたかったけれど時間がないという頭があって入れなかった。
そして、
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あの御廟橋から先は聖域。
弘法大師は今も禅定・・ぜんじょう・・こんな言葉今まで意識したことなかった・・を続けているという。
そしてあの橋まで迎えに来てくれるのだそうだ。
写真撮影も禁止。そりゃそうだ。
そんなもの意に介さない白人の学生集団みたいなのがワーワー騒いで通り過ぎて行った。
日本人だっていろんな国の聖地で馬鹿騒ぎしてるんでしょうしまあいいのか。
お香の香り、沢山の灯篭・・お経を聴きながら、ずっとここにいたいというような気持になった。
また不思議な・・

今思うと私も気持ちが浮ついていて、その大事な場にいられるところまで心が落ち着いていなかったかもしれない。
いろいろ悔やまれる。
でも考えてみるともう一度来なさいよと言ってもらっているみたいだ。

宗教的なこととは別に私はどうもこういうの好きみたいだ。
出てくるときには自分の心がなんか少し変わったような気もした。

橋を渡り終え手から見た案内板に弘法大師がここまでついてきてくれますみたいな説明があるのを見てああそうかと思い、
慌てて橋の向こうに手を合わせてお礼を言う。
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もう一度来るときは、ちゃんと落ち着いて
そのつもりで・・
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お墓もいいけど、杉の巨木の森がいいよね。

帰りはまた墓街道・・
こんなことを言ったら怒られるかあほかと思われるだろうけど、
死んでなお立派に見られたいというような欲を持った墓をたくさん見て気分が良くなかった。
もしかすると、僻みかもしれない。

最終的に、どんな有名な人の墓よりも
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これのほうが印象的だった。
日本中で駆除された白アリは高野山で安らかに眠っているらしいです。
よかったね。
うちもこの半年で床がふにゃふにゃになっちゃったけどこれ白アリじゃないのか?
これを見て刺が出ていた気分が治った。

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これはリヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯の」最後の部分。
見えにくいけれど左の方ホルンは英雄で、ソロヴァイオリンはその妻。
妻に看取られ英雄が静かに息を引き取ると、軍楽隊のファンファーレみたいなのが英雄を称えここに英雄の完成をみる・・
誰でも思いつきそうなアイディアだけどでもとても感動的・・場合によっては涙くらいでるかもしれない。
それで今一般的に演奏されるこの改訂稿は誰かの助言によって生まれたもので、当初は嫁もこんなに美しく輝いてないで静かに寄り添い、スーッと沈むように息を引き取るとそのまま静かに終わるという内容だったと思う。
以前はどう考えても改訂稿のほうが感動的で、初稿はバランスも悪くダメだなんて思っていた。
でも、最近それもありかなと思う。
作者の頭にまず浮かんだのは、家族に見守られて静かに行けたらいいなぁということだったんでしょう?
最近、孤独死とか悪臭で発見とかよく聞くけど、他人事じゃないから結構あれですよ。
私の最大の関心事はそことその後だ。
自業自得だけどな。

奥の院に入った話と音楽の話を絡めて書いちゃいけないような気もするけど。

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道路があればそりゃ信号もあるんだろうけど。
飯を食おうかと思ったけれど周囲に意図する飯屋が見つけられなかった。
金剛峯寺いこうか・・
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ちょうどバスの来る時間。

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時間があれば、あるいたっていけない距離じゃないと思う。
途中にも小さないろんなものがそこら中にあるんでしょう?
バスの運転手さんのすていしょんなんばあしっくすです。
みたいな案内もいいよね。
飯屋のいっぱいありそうなバス停で降りて
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ここで
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精進料理を食べた。
観光客相手の店は・・という心配は無用だった。
忘れちゃったけれどなにか特別な塩で食べるてんぷら、わさび醤油のゴマ豆腐、名前もわかんないクニャクニャとか・・みんなおいしかった。
お店の人に、これは何ですか?なんて聞けば旅っぽいよななんて思いながらもそんなこともできず。
こんなとこまで来てるんだから値段のことは考えなくていいと思いながら。

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ちょっと歩けば
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金剛峯寺。
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吉野山で見た金峯山寺みたいなものを想像していたけれど全然違った。
そもそも字が何となく似てるというだけで同じようなものだと思う私があほである。
奉行所みたいだよね。
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なんだあれ?
火事を遠ざけるまじないみたいなものかな?
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またこの時気持ちが浮ついていた。
奥の院でもっと時間をかけてもよかったんじゃないかとか・・
今もうここにいるんだからこっちに切り替えなくちゃいけないんだけど。
廊下を進むと
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こんなところで

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お茶を出してくれる。
横着してお盆持ってこなかったのがバレるじゃんか。
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お庭。
神秘的な宗教施設というより、実務的な役所みたいだな何だか。
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雪が少しだけ残っていた。

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天皇が来た時にという部屋にちょっと萌える。
天皇右側の小さなふすまは
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奥に侍が詰めるみたいな場所だそうだ。
なんかあったらその瞬間にみたいなのでしょう。
みんな常に命がけだったのね。

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二条城じゃないけど鴬張りみたいな音がしてた。

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そして台所に萌える。

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きれいに掃除されて。

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梁がすごいのね。

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すげーなー。

まだ時間が少しあるで、世界遺産切符に割引券のあった霊宝館にいってみる。
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よくわからないまま入ったここもすごかった。
目の前にある平安時代とか鎌倉時代の仏像の圧倒的本物間にやられる。
時間をかけてゆっくり見ていたら新館だけでほとんどの時間を使い果たし本館を見る時間が無くなってしまった。
弘法大師直筆・・は写真に撮った複製だけど、文字のかすれとか筆の運びなんかを見ていると
そこに1200年前の人間やその意志、空気みたいなものを感じて心動かされますよね。

音楽聴く人間にとっては作曲家の自筆譜というのも特別に萌える世界です。
書いたものを修正してあったりするとそこに人間の意志や迷いや・なぜそこはそうなっているのか・・いろんなものを感じることができる。
自筆譜を写真に撮って印刷したものをファクシミリと言い、けっこうな値段で売っていたりもする。
そういうののコレクターになりそうだったけれどネットでただ見が結構できるのでそっちへは行かなくなってしまった。
そういうじゃなくて本物を目の前にしたらやっぱり感動するのかな・・特に大好きな曲なんかは・・
ここもまた来たいなぁ・・

さあ時間だ帰ろうか。
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知らないけど自分の見た印象ではここが高野山の中心地的交差点。
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そのそばのバス停に腰を下ろす。
俺一人かなんて思ったけどほどなく人が何人か集まってくる。

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この駅舎も有形文化財に指定されているそうで見どころなのかも。

自分としてはやっぱり奥の院が別格的に印象深かった。
もう一度行きたいというよりもう一度来てちゃんとしなくちゃいけないような気がする。
まだまだ見ていないものだらけだし、またきたいなぁ。
来たいところがあれば生きてる理由になる。
生きている理由をまたもらった。
来てよかった。

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