開運月と解体的出直し

ずっと仕事後は練習場に通っていたので平日は犬と散歩に行くことがなかった。
練習場である必要があるほどの練習をしていないことに気付いて家で音出しをした日、その分犬と散歩に行くことができた。
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なんだこれ・・きれいだなぁ・・
向こうに知らないおばさんが一人。
食後の散歩か・・妙な動きで視界に食い込んでくる。
突然でっかい声で、
あ、でたでたでた!
なにが?
幽霊?
危ない人かと気づかないふりをしようとするけど明らかに私たちに向かって何か言ってる。
指さす方を見ると、山の上の木々の間から黄金色の光が・・・
月の出か。
おばさんと並んで木々の上に出るであろう明るく丸い月を待っていると・・
なんだ雲の中へ隠れちゃったじゃねーか。
俺にありがちな展開だな。
あちがう、
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雲の上へ月が顔を出した。
ものすごい速さでポコッと出てくるのね。
今日は開運月というんだって。
あの光を全身で浴びると幸福になれるそうだ。
両手を広げて光を浴びようとするおばさん。
自分も光を浴びていることを意識して・・・
どこの誰だか知らないおばさんと他愛のない会話が続く。
幸せになっちゃうねなんて言ってみるとあなたたち幸せそうだからもっと幸せに・・
犬と散歩していると知らない間に人に覚えられるらしく、叔母さんは私たち夫婦と犬のことをよく知っているんだという。
おばさんが誰なのか知る必要もない。しばらくの間、気楽で楽しい会話をさせてもらった。


https://www.youtube.com/watch?time_continue=1823&v=nWPDSCANItc
非常に優れたピアニストでもあったブラームスのピアノ協奏曲第2番。
コンチェルトなのに交響曲みたいなスケルツォを持ったこの曲、次に来る第3楽章は独奏チェロとの2重協奏曲になっていてその辺にありふれたピアノコンチェルトとは違うものを作りたかった作者の強い意図とあふれる創作意欲みたいな・・
この楽章も月の光に照らされた素敵なノクターン。
ヴァイオリンとファゴットのユニゾンには明るく柔らかい月の光がとその静かな影を見るような・・
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あらゆる部分が好きだけれど、クラリネットとピアノが重ねるクリアな世界・・昔からここが・・
私はここで地味に下にいる第2クラリネットとピアノが重ねる音に注目しながら聴く癖があります。この動画の演奏はあんまりうまくいってないけど。

この日実は最悪な気分だった。
でもふと気が付くと心が軽い。
あーこれが月の光にもらったものか。
いや、多分人と話をしたからだろう。
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この2週間ほどストレス源を抱え低迷していたのだけど、楽器もめちゃくちゃだった。
私は人の言葉の受け止め方がおかしいらしく、アドバイス的なものはさっぱり理解できないのに、一時的に感情的になった先生の言葉から勝手にお前はやめろというメッセージを読み取りつぶれていた。
練習をしたつもりでかえってどうにも何にも得られていないことを実感的に把握し、ほとんど開き直ったような状態でレッスンに行った。
笑顔でのあいさつの後、素直に楽譜を読んで曲をという状態ではなく何もわからないし何もできないことを打ち明けると、それに応じた丁寧な指導をしてもらえた。
自分では全く気づいていなかったけれど、今まで私がそれを拒むような何かを出し続けていたのかもしれない。
これに限らず何時でもなんでもそうだったのかもしれないな。
スタートにすら立っていないことが明らかになる代わりに、スタートの位置が見えたような気がする。
終わり際、よかったら一緒にやりましょうと一枚のデュエットの楽譜を先生が渡してくれた。
何でも悲観的に捻じ曲げて解釈するいかれた私の頭も、さすがにこれをネガティブには捉えなかった。

またがんばろう。
開運月の光を浴びたからな。



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クラシック音楽が好きです。

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