呪いと発達性協調運動障害と彼岸花と音楽

これを書いている今は休日の午後。
窓の外には秋の奇麗な青空。
まだまだ勢いのある緑には日の光が当たって・・
ススキを揺らす風は爽やかで・・天気予報と全然違うね。
どっか出かけたいかなぁ。
でも出かけるとあっという間に曇が広がって雨が降りだしたりするんでしょうね。

昨年この場所で多分これと同じ株の彼岸花を眺めながらふと思った。
楽器、習いにいこうか?
駄目に決まって・・
そういえばなんで俺はやっちゃいけない事になってるんだろう?
そもそもやっちゃいけないことになっていたんだっけ?
あのことは今心配しなくてもいい。
いってもいいのかな?
いこうか?
ぱぁーっと明るくなったような気がして・・
もう一年なのか。
私は、
幼い子供が目で見て数秒で理解し習得するような動作をできるようになるのに何か月とか10年、もっと・・と要することがあります。誇張じゃなくてほんとに。
不器用という言葉では足りない異常をもっている思う。小さな子が普通にこなすあることができるようになったのが二十歳すぎ。説明のために書こうと思っても・・やっぱり書けない。
昔は今みたいに多様性に配慮なんてないから勢い馬鹿の一択だ。わざと反抗的な態度をとっていると解釈されることも多かった。
物心ついたあたりから罵られ殴られの方が先に来てしまい、時間をかけて習得する前に集団から排除されたり自分で逃げたためできないままとなる。できる大多数の前で吊るされ辱められることを恐れるようになり、その流れを予感すると回避のため事前に逃げるようになる。
常に人の内情に怯え過剰に読み取ろうとするようになり、敵視するようになる。
本人は決してそうではないと思おうとしたけれど客観的にはダメ人間の誕生である。
私は、何もできないことを隠し持つ人間として生きてきた。
とにかく他人から自分を隠そうとして生きてきた。
何もしてはいけないし、どこへも出ていってはいけない。
ずっと自分が何かおかしいと感じつつそれが何なのかわからずにいたのだけれど、最近知った発達性協調運動障害(発達障害とは別)はその説明を大きく進めてくれた。特に診断を受けたとかじゃないしそれで具体的に何かが解決するわけではないけれど。

高校で吹奏楽部に入ったけれど何か月たっても楽器をまともに鳴らすことができなかったのはかなり異常な事で本人だけではなく周囲にも理解ができなかった。恐れていた周囲からのあの視線を意識するようになる。
集団で結果を出していく内容である以上一定の水準に達しないものはそこにいる訳にはいかず、耐え切れず途中で投げ出した。
自分に何が起こったのかをきちんと理解できず未消化なままであったためそれは長く私を縛り続ることになる。
同じころから私の頭は学校だけでなく街中の人間から嘲笑され罵られ唾をかけられていると感じるようになっていった。
私の身内には時折精神に異常をきたし常軌を逸した言動をとる人がいる。
むかし夜中に大声を出して暴れるなどしたらしく、いまでもある地域で知らないものはいないらしい。
今思えば、その息子も電車や駅周辺あの人と同じ地域で唾をかけられるような変人として有名になった。
生ゴミみたいなところからは長い時間をかけて這い出ることができた。
しかし自分に子供というものはないのだと悟ると心が不安定化した。
自分を押さえられなくなり家を飛び出し放浪した先で携帯にかかってくるのは発狂した人間からの狂った電話であった。同じ状況の人は知っていると思うけれど病識のない狂人に対応する唯一の方法はいいなりになってみせることだ。
私は、誰かが追わなければならないその役目を果たすために生まれ他は何もできないように固定されたのかもしれない・・
と考えてみたけれど特に感情も動かなかった。
同じ日、突然お告げみたいなものが来たような気がして生きる理由は好きに作ればいいアマチュア吹奏楽団に入ろうと思った。
もう一度やり直してあの続きを見たい。中学では吹けていた記憶のあるあの楽器なら・・
自分でも驚きの行動力であっという間に事は動いたけれど、高校生の時と全く同じ、一年を過ぎ2年すぎてもまともな音が鳴るようにならならず、誰にどれだけ教わっても手掛かりを感じることもできなかった。
昔できていると思っていたのは勘違いであったのだろう。
そしてあの時とまったくおんなじ経過をたどり結局逃げ出した。
冷静に考えればそれはただ趣味にとん挫しただけなんだろうけど、私の頭は私という人間は失敗であるのだと認識し・・

でも、
また楽器やりたいと思ったの。
どうせやるなら昔から自分には無理だと思ってたけど本当はやりたかったものを・・
やればどうなるかはわかってる。
それでもやろう。
あまり迷う事もなく実際動いてもうすぐ一年。
本当に絵にかいたように予想通りの非人間的全然できない感を経て、やっと今スタート地点に立つかまだ立ってないかくらい・・
でも諦めないでここまで来てよかった。
この先また糞みたいになっちゃうかもしれないけれど。
まだいろいろ問題だらけなんだろうけど、今練習していて楽しいのね。
私にとってはあるわけのない幻の大陸に足をつけたのかもし・・調子に乗って変なこと書くと消えちゃいそうだからあれだけど。
そこに自分の人生を重ねているなんて書いてもみんな馬鹿のたわごとくらいにしか見えないかもしれませんけどいいの。
ずっと途中で止まっていた教則本のページをめくると練習曲としてこれが出てきた。
練習用に第1主題を抜き取っただけだけれど。
吹いてみるともう聞きたくてしょうがなくなり聴けば萌える。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=1882&v=R3YfBGR-WSo
スコア上にあるほんとのクラリネットパートを吹いてみたいなぁ・・B管だし、音域的にも・・
駄目です。
調子に乗るとまたみんな取り上げられちゃたかのようにめちゃくちゃになっちゃうから。
2楽章のカッコウくらいは・・

写真撮ろうとすると日陰るもんなのね。
ああもっと早い時期に習いに行けばよかったか・・
いや、若い時には状況に耐えられずすぐ投げ出していたと思う。
色々あったことがすべてここへ向かうために必要な道筋だったんだよね。
酒が飲めなくても、誰とも話が合わなくても、何にもできなくても、音楽が聴ける頭でよかった。
いかれているのかもしれないし、たりないかもしれないけれど、好きなものと憧れるものが感じられる頭でよかった。