酢醤油をもらってから26年

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河津桜が狂い咲きしていた。

朝飯が肉まん。もう冬だね。
食ってたら思い出した。
昔、熊本と鹿児島に住んだことがあるのだけど最初の冬、
コンビニで肉まんを買い物を受け取ると店員がさらに何か渡そうとしている。
は?
はじゃねーよてめーみたいに渡された小さなもの・・
九州と言っても広いし場所で全然違いますけどあれですよね、
肉まんに酢醤油つけて食べますよね?
この辺では考えられないので意表を突かれすぎ驚いた。
どんな味だったかの記憶はなぜかないのだけれど、きっと美味しかっただろう。

離れて10年目くらいに行ってみたことがあった。それももう10年以上前になっちゃったのか・・
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トンネルができてたけど昔原付でよく超えた俵山。
向こうには熊本空港・・金峰山?
一番奥に浮かんで見える山は雲仙普賢岳だと思う。
ここにいたのは普賢岳が噴火と火砕流を繰り返していた頃。
鹿児島本線の特急列車に乗っていると海の向こうに噴煙を上げる普賢岳が見えた。誰かが、
あれはどこの山かしら?
すると別な誰かが、あれは阿蘇ですよ・・仏さまがおへそでお茶をわかしてると言われて・・
ちょっとまって!阿蘇は反対側だし全然見えませんよ。あれはうんぜ・・
と心の中でつぶやいた人間が周りにたくさんいたはずだけど、誰も何も言わなかった。
そういうのはうまく教えてあげてもいいんだろうけど、最近どんなに教えたくても正したくてもあえて黙っていることの必要性を強く感じる場面を見る。
人間の器そのものが問われる気もする。

熊本は数年前の地震で大変な事になった。
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奥の山が崩壊してこの橋を飲み込み谷底へ落としてしまったことが大きく報じられた。
とても若い方が命を落とされたんだったと思う。
あるはずだった未来を失った方の無念を思えば、私のグダグダなんかただのわがままでしかないなとも思う。
住んでた頃にこの橋の下にある滝は巨大断層そのものが露出しているのだという話を聞いたのを覚えている。
実際橋が落ちてしまったのは土砂崩れではなく両端の橋脚が橋を圧縮する方向に動いたことが原因だそうだ。
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昔は真っ赤な塗装であかばしと呼ばれていた。
調べるとこの色に塗り替えられたのは私が住んでる間であまりにも多い飛び降り自殺抑制のためだったそうだ。
十年後のこの時赤くない赤橋を見てああそうだよなと思ったような気もするし、塗り替えられていたことに驚いたような気もするし・・正直もう思い出せない。つい最近のような気もするのに。
そのすぐ近く、
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これもわかる人だけにわかるというか・・
手前の踏切を右から左に列車が通過すると、
10分後くらいに奥のあの赤い列車のいるところを左から右に向け登ってゆく。
それがどうしたの?なにがおもしろいの?というところでしょうね。
私には面白いのね。
ここも長らく不通になっているはず。
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この時ここやってたんだな。
田舎に輸入盤なんかあるわけないころ少量だけどここにはあった。
今はもうお店もないと思う。
あの頃は何を聞いていたかと考えると、そりゃいろんなもん色々聴いてたけれど、
その前半マーラーの2番のスコアをなめるように眺め、重箱の隅まで聴きとってやろうと食い入るように毎日聴きこんだ記憶がある。
その後の作品を知る目と耳にはまだまだ若いのだけれどでも、やりたいこと満載の凝りに凝ったスコア。

https://www.youtube.com/watch?v=8ZGra5BL6-k
非常に強い個性を持ったスケルツォが当時から好きだった。
出版譜上の景色を考慮し、そのまま印刷できるくらいに仕上げられた美しく整然と描かれた自筆譜の中で、
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スケルツォの歌いだしのこのあたりだけ他と違う雰囲気。
筆が躍ってるのね。
書きながら頭の中でこれが鳴ってたんじゃないかなぁ・・
あんなに聴きまくったこの曲だけど、その後の曲を知り陶酔するようになると影が薄くなっていった・・嫌いや飽きたとは違うけどね。
実演にも何度かいったし盤も何種類も買ったりはした。

クラシック音楽に興味を持ったころN響アワーという番組になかにし礼がレギュラー出演していて、今はいおじいさんの象徴みたいな彼はまだ若くてかっこよかった。
芥川 也寸志からチャイコフスキーの音楽をどう思うか聞かれ、
若いころに聞き、もう卒業した音楽
と答えていたのを思い出す。
芥川が一瞬残念そうな顔をしたような気がしたのも覚えている。
私はもうすぐあの時の中西の年齢になるかもしれない。
私ももうマラ2に萌えることはないまま終わっちゃうんだろうか?
まだそんなに枯れなくてもいいと思うけど。
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初めて熊本へ行った晩に馬刺しを食ってそのうまさに衝撃を受けた。
数えたらもう27年前なのね・・いつの間にそんなに過ぎちゃってたんだろう?
今住んでいるこの近所でも肉屋に馬刺しが並んでいてある店なんかは有名らしいのだけど、美味いまずいとかではなく味の系統みたいなものが違うみたい。
今なんでも取り寄せできるんだろうけど、そういう事じゃなく行ってあれが食いたいな。
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人に見せるつもりで撮ってないからなんか汚いけれど・・
熊本のラーメンは個性的だ。きくらげ、揚げたニンニク・・なによりギトギトなスープ。
この時行ったこむらさきは有名だけど、私は富士ラーメンというラーメン屋の胃がもたれるラーメンが大好きで何度も食べた。
小さなチェーン店だったけれど閉店が続いたようでこの時も何件か探したけれど行けなかった。

住んでいたころには近くにあって当たり前のように見えていた景色も、遠く離れたところに住み、遠く時間がたつと行ってみたい遠くの景色に見えてくるのね。
はじめてコンビニで肉まんに酢醤油をもらったときは、友人と夜釣りに行こうという晩だったと思う。
ものすごく寒くて、なんにもつれなかった。
友だちが、いたのね。
さむかったけれど、楽しかったことは覚えてる。
十年後に行ったこのとき久しぶりに誰かに会ってとかは一切なかった。
いろんな面でダメな人なのが現れているかもしれないけれどそれがまぎれもない私。
あの時寒さに震える海辺をサギみたいなのが鳴きながら飛んでた。
今住んでるこのあたりのも同じように鳴く鳥がいて、声を聞く度今でもあの夜を思い出す。
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朝顔がね、ずっと咲き続けてくれて。

Tag:マーラー交響曲第2番  Trackback:0 comment:8 

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