クリスマスとありがとう。

クリスマスイブは飯でも。
絶対に混んでることがないあのお店がいいな。
嫁さん曰く大きな窓から客席に人影が見えたらしいけれど
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やっぱり誰もいなかった。
窓際に座ってたのはお店の人?
入ると目の前にはクリスマスツリーがきれいに光ってた。
古いけれどちゃんと動くらしいエアコンが全開で部屋は暖かい。
接客は丁寧でどの料理を頼んでもちゃんと出てくる。
間引いた料理からお皿の上に原価低減の文字が透けてみたいなこともない。
どこにも怪しいところはないんだけど、いつも人がいない。
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席に着いたらいつもは閉め切ってるカーテンをサーっと引いて開けてくれた。
!・・ちょっと感動的だ。
なんか気の利いたこと言う場面なのかな?
小さくおーとかいって見せるジェスチャアで精一杯です。
超絶夜景とかじゃないけれど、なかなかきれいだよ。
どうでもいいけどガラスに気付かず鳥が激突した後がその形のまま残ってた。
失敗もないだろう今日はこれにしてみようかなんて適当に頼んだ料理は
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なんかジュー!とか言いながら出てきた。
美味しかったよ。
BGMはいつものショパンだけど今日は音量控えめ。
綺麗な夜景と暖かい食事と静か世界・・他に誰もいないし多分来ないだろう。
貸し切りというか・・
ルートヴィヒ2世 みたいじゃない。
なんて言うと舌打ちしたり馬鹿にしたような顔をされるとこの頭は警戒信号を出してくる。
大丈夫誰にもそんなこと言わないから。
人を避けて生きてきてしまった理由はそれというわけじゃないけど、こんなになちゃってもいられるところでできるように生きて
結構幸せだよ。
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ありがとう。
嫁さんはやっぱり次行きたいみたいだ。
また今年もあのお店。
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あーあったあったクリスマスパフェ。
値上がっちゃってるし。
値段はともかく、パフェは食えないなぁとか思ってしまうのはいよいよ歳のせいでしょうね。
嫁さんは食いたかったようだけど。
本日のケーキについてお店の人が説明してくれる。
このシュトーレンというのはドイツでクリスマスに食べるお菓子で・・
あ、何だか知らないけどそれにしよう。
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あなんだこれパンじゃねーか・・
なんて言わない。
そのまま食べた一口目は確かに素朴というか無骨なドイツって感じ。
バニラアイスを乗せて食ってみましょうか・・あ、おいしいじゃないこれ。
ブラームスも子供の頃にこんなのを食ったりしただろうか?

https://www.youtube.com/watch?v=wuHvpXmRym4
第九じゃなくて。
宗教も人間の優劣も劣等感もなにもかも超越し生きている事の意味を教えてくれる・・いやそんなどっかの解説で読んだようなことを並べなくていいの。
歌詞がどれほど重要かというのは承知しながらあえて言うと、
音楽のすごいところは言葉なしで言葉以上のものを伝えてくれるところだと思う。
もっと言えば作者や演奏者の意図した何かが全く伝わっていなくても、聞いた自分の中に何かが生まれればそれでいいし素晴らしいじゃない。
音楽を聴きにこれたというだけでもこの世に出てきた意味はあったと思う。
もともと好きな音楽について何か書くつもりで始めたブログだけど、どっかいってなんか食って来たブログみたいになっちゃってますね。
変なもんにしか見えないかもしれない嘆きにも拍手ボタンを押してくれた人ありがとう。
音楽に興味のない方にも読んでもらえてることはとてもうれしいことで、心の支えとなっています。
読んでくださった方々、どうもありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
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来年が皆様にとって良い年でありますように。

Tag:ブラームス  Trackback:0 comment:18 

変なとこに癒される。

毎回似たような流れになっちゃってるけどこの日は嫌なんだけれど人の好意や立場を考えると我慢して喜んでみせないとという・・
普通は喜ぶか悪くても無関心で済むはずのところを病的な拒否感に支配される自分が嫌だ。
嘘。ほんとに自分が嫌になったら終わりだ。
他人が自分を見れば嫌だと思うだろうという考えが自分は嫌だにすり替わっているのかもし・・まあいいか終わったし。
というその帰り道で。

探すと出てきたカフェに行ってみた。
一回通り過ぎて戻る。
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しょっちゅう通る道沿いにあるのに全然知らなかったその店は、あえて探さなければ気づかないようなマンションの一階奥みたいなところにひっそりあった。
写真のぶれてる感じは雨であーな感じ。
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入ってみればなかなかいい感じ。
窓の外には湧水が流れる川・・なんだけど、その奥には巨大マンションの壁が屏風でふさいだようにたちはだかる。
でも、雨で薄暗い冬の午後の光が何だか素敵な空間を作っていた。
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トライオードにラックスマンにエソ・・こういうのただ置いて繋いであるだけというのも多いけれど、裏のケーブルとかオーディオに一言ある人がいるのはまちがいない。
私もオーディオに対しては強く重く考えるところがあるのだけど考えを他人と協調、共有することができず喧嘩になってしまったりするので誰にも何にも言わないことにしている。
駄目ね。
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ジャズが好きなのね・・
女性一人のお店の人はオーナーさん?
このオーディオの主ではなさそうだからオーナーさんは別にいるんだろうか。
女性一人でやってる素敵なカフェというのに何軒か言ったけれど、一人で勝負しようという人はそうなっちゃうのか、異星人との遭遇的な不愛想感に驚くことも多い。
でもこのお店の人は全然そうじゃない。
なんかそわそわしているそわそわ系・・
あっこれないんだった・・えっと・・えっと・・・
でも気配りしてくれてすごく親切。
この日かかかってたのはアナログ盤じゃなくCDで童謡をおしゃれに聴かせるみたいなの・・結構よかったよ。
ご夫婦でやってるお店なのかな。
ご主人がいればジャズとか?

https://www.youtube.com/watch?v=yntnKovoBwY
プーランクという作曲家の名を知ったのはいつ頃だったか、同じフランスの作曲家にクープランという人もいて紛らわしいとかプーさんみたいだとか思ったかはもうわからない。
初めてCDを買って来たのは学生の頃だけどいまいちピンと来なくて、その後買ってみたピアノ全曲集もあんまり聞かないままお蔵入りだった。
それから20年くらいたってふと聴いてみたらいい曲だらけじゃない。
俺は何でもいい感じになるのにものすごい時間が必要なのね。
世の中は一般化した基準に沿って動くものだから、外れていれば批判、叱責、排除、愚弄・・となるのは当然だと思う。
思うけどそのたびにみんなやめて遠ざけちゃったり、批判的な言葉をまともに受け止めて積み重ねちゃってきたからこんな人間はみんな敵で世の中は嫌なところだみたいなふざけた人間になっちゃった。
でも、もういいじゃない。
今日も自分で自分に向かってお前なんなのふざけてるのか?なんて言ってしまい言われた自分が、はい俺はダメ人間ですとか答えて二人でどんどん暗くなっちゃってたり・・
いいから頑張ろう。

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チーズケーキと、ハーブティにレモングラスというのがあったから頼んでみた。
奇麗な色ですね。
味も香りもレモンだなというのが来たすぐ後にいぐさみたいな草感がついてきてほんとにレモングラスって感じで・
美味しいよ。
レモングラスって園芸屋みたいなところでも売ってて蚊よけになるなんて書いてあるから買おうかなと思っちゃうけど、でもあれ草と間違えて自分で抜いちゃいそう・・
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おねーさんずーっとスマホ眺めてるのね。
目を大事にしないとあとで後悔するよとか言いたくなる俺はもう年寄りだな。
ちらっと見せた表情はまだ子供のようだった。
素敵な未来があるといいですね。
ほんとはあっちのカウンターに座って店の人となんか話して・・とかがいいんでしょうね。
元々苦手なうえにこの日は誰とも話したくない誰も知りたくない病が走ってた。
このお店のブログがあったから見てみたら冒頭の照会文に
開店以来お客様の入りは全くなく・・
って奥さん自分で書いちゃってんのね。
台風でお店の存続が危ぶまれる大惨事になる可能性がとか(この場所でそんなわけない)・・
面白い人なんでしょうねきっと。
また来て話してみたいなんて書きかけたけど嘘。
多分ずっと人に話しかけたりしないと思う。

ケーキを出すときのそっけない
はいどうぞ
ぜんぜん接客風じゃないけれど逆に素朴な気持ちみたいなのが伝わって
いつまでも印象に残った。
癒しって変なとこポンあるもんなのね。

Tag:プーランク  Trackback:0 comment:2 

ささくれにハチミツ

この日の昼食はでっかい街を通過中に入ってみた知らない小さなお店だった。
狭いカウンターのすぐ隣にはめ込まれた学生だろうかすごく若い男女の言動がいろいろと・・
昔自分が若かったころ、中年のサラリーマンがああでもないこうでもないと学生に難癖をつけているのを見ていろいろ大変なんだろうけど筋違いな八つ当たりだと思った。
表へ出しはしないけれど今自分がそうなっちゃってるのは、自分の今や若いころに満たされないものと不満を感じているからでしょう。
とは言え自分もあの若い子みたいになりたかったのかと自問するとあんなの嫌だと返ってきたりして。
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どこへという考えもないまま田舎の方へ流れていくと天気は悪いなりに富士山がでてきて、おまえなにうだうだ考え事してんの?
気を取り直しスマホの地図上を探すと素敵なカフェを発見。レビューの数が極端に少ないのは逆に穴場なんじゃないのと盛り上がり行ってみれば今日に限って臨時休業。きてますねダメパターンみたいなの。
最初に見つかった近くにあるもう一軒はレビューが桁違いに多く、人間嫌いに火が入っちゃっている今は混雑してそうなお店にあまり行きたいと思えなかった。
さらに見つけた店を探し近くまで行ってみると巨大宗教施設の内部というか付近というかちょっとお呼びでないのかも。
観念してレビューいっぱいの店に行ってみる。
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ビニールで囲われたテラス席みたいな中で若い人が何人かで歓声を上げている。
また学生か・・入ってうるさかったりするとちょっと嫌だなと思っちゃたのは内緒。
閉店したコンビニを改装したらしい外装に描かれている絵は今見るとのどかな・・でもこの時目に入った水色がハワイとかサーファーみたいなあの感じのように見えてしまいちょっと引きかける・・
店本体内には人影もなく落ち着いた客席がみえた。半分はショップか・・
入ってみると静かな店内と店員さんは親切でなんかちょっとほっとする。
にぎやかなテラス席はよく見ると中学生か小学生のグループで
子供なのか。
伊豆の踊子にこんなセリフなかったっけ?

勝手に持っていた流行風の店に今風の観光客がいっぱいいて・・というイメージは間違いだったことが解ってくる。
メニューを見ているとオーガニック系がたくさん・・酵素ジュースかぁ・・
はちみつ屋さんのカフェオレとか、はちみつ屋さんの‥等のもたくさん。
これにしなくちゃ・・・
寒いし、ほっとレモネードにしようか。
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持ってきてくれたのはさっきと違う店員さん。
アカシアのはちみつを使ったレモネードと
紅茶のシフォンは有機農法で育てた・・・とかいろいろ説明してくれる。
ケーキに添えられた生クリームは牛乳じゃなくて豆乳で作った味だ。
へー、いつもの生クリームとは全然違う味だけどこれはこれで・・
レモネードはレモンの前にはちみつのあまく優しい香りが来る。
飲んでも優しいはちみつの味。
後ろに一人座っているお兄さんはコーヒーを口にした瞬間全世界の幸せに触れたような表情となり、そのまま寝ちゃった。
なんだあの癒し感・・すごいななんか。
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虫がいるけど刺されたら薬があるから言ってねとう張り紙。
なんか優しいな。
気持ちがやさしくなるとあのちゃらちゃら光ってるのも
ああ綺麗だね。
と言えるようになってくる。


https://www.youtube.com/watch?v=vFQoNEb9hN4
コラール前奏曲の・・なんだっけ、BWV655 
何時頃からか邦題を覚えたりしないで番号で覚えたりあの曲集のあれ・・くらいだったり。
トリオソナタみたいな3声の音楽は結構難しいんじゃないかと思うけれど、かわいらしい音楽は優しい光の粒が並んでるみたい。
結構たってからコラール旋律がでてくるとそのまま終わっちゃうんですよね。
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生活も楽ではなかったようだし紙は貴重な物だったんでしょうバッハはものすごく詰めて情報/紙面積効率みたいなものを非常に高くとろうとする。
右端の小節なんか涙ぐましい詰め込み感だけど、でも見た目に美しいのがこの人の自筆譜の特徴でそれはそのまま聴いて感じる印象にも通じていると思う。

静かな店内で心がどんどん解きほぐされて・・というところに嫁さんの地雷ど真ん中なお客さんがあらわれた。
開いてる席はいっぱいあるのにすぐ後ろの席ではじまっちゃって・・
でも、踏ん張ろうとしたのか嫁さんのスイッチ入らなかった。
私はその心配で半分くらいは味わえずにただ食うみたいになっちゃったけど。
まあ、終わりよければよしでいいじゃない。
しばらくすればまた静かな店内が返ってくる。
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電気も綺麗。
その時の気分がよければただの電柱の街灯だって綺麗だと思っちゃうから。
私、お店の印象ってその時周りにいた人の状況できまっちゃうとこが大きいのね。
人が沢山いると気が滅入る可能性が高まるとかダメ人間ですけれど、でもまあいいじゃない。
空いてそうな日の空いてそうな時間にいけばいいだけ。
そしてここは多分ほんとにいいお店。

小さなころに口内炎ができてるといって唇にはちみつを塗ってもらった覚えがかすかにあるけど、効果があるかどうかの前に塗られたそばから舐めてなくなっちゃってたと思う。
汚れて歪んだ中年の、ささくれちゃってる心にもはちみつが効くかもしれません。

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赤い世界と誰もいない世界

近くの公園の紅葉がきれいだと嫁さんが言うから犬と3人で見に行った。
時期も時期だし前の日強い風が吹いたので皆落ちちゃったんじゃないかと思ったけれど、
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わーきれいじゃない。
もう冬なのになんで今頃こんな近所にこんなきれいがあるんだろう?
なんででもいいしいいねー。
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犬は初めて階段を下りた時出来たよーっと嬉しそうだった。
今でもなんだかうれしそう。
階段を降りると誰もいない。
以前はゲートボール場として整備されてたけれどもうそれも跡形もない。
見なくなったよねゲートボール。
よく知らないけど最近は喧嘩になりにくいようなのが流行りなんだと聞いたような。
見上げると、
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小さいあーき♪と幼稚園で歌ったことがふっと頭に浮かぶ。
光景よりその時の空気みたいなものを思い出した。
小学校に入ってすぐ自己紹介を兼ねて班で芸をしろと言う場があった。
地域的に班内に同じ幼稚園や保育園の出身者が固まるのでみんな幼稚園の延長的に仲良く歌って見せる中、別地区出身で仲間の見当たらない私はあえて班から独立して一人で歌う!とバカでかい声で独演を強行した。
その後の自分を考えると奇跡のようなあの記憶。
協調性がなかったとかそういう話じゃなくて。
私の中にいたあの私はどこへいっちゃったのか?

先日あるところで偽りの笑顔を作っているとき、気が付くと頭の中にブラームスの4番の2楽章が流れていた。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=783&v=yDSJ5nYkUnM&feature=emb_logo
誰もいない。
しかしそこには豊かな自然があり、
ゆったりと流れる風が包み込んでくれる。
これでいい。
この広い世界に自分はただ一人。
古い教会旋法で象徴的にならされるホルンの響きには揺るがない誇りのような物が感じられる。
何より大事なのはそこかも。ただ嘆いているのと違うと思う。

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最後にもう一度打ち鳴らされるそれは、延々続く麦畑か深い森の木の葉かうねるような自然が肯定的に包み込んで明るい光のなかへ消えてゆく。

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翌日ある出来事で、お前が間違えだ直すべきだと思っているそれはお前自身が選んでそうなったものだろう?
とどこかから言われているのではないかと感じるような出来事があった。
そうか。
じゃいいのか?
いいなら、虚しいとか悲しいとか嫌だとか感じなくてもいいんじゃないのか?
蚊に刺されると痒いとか手を切って血が噴き出せば痛いとか、何も感じなければ野放しになってその末死んじまうかもしれない。
身を守るために必要な苦痛があるけれどあれと同じかな?
赤チンでも塗っとこうか。
赤チンも消えましたね。
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ザクザクいうのが面白いね。
滝を囲むこの公園。
台風で川が氾濫したらしく、その爪痕がまだそのままになっていた。
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人が苦手な飼い主に似たのか、犬も犬が苦手・・

状況次第では逃げることが必要なこともあるとか、誰もいないなんて言ってみたって誰にも通じないのもわかる。
俺は俺だから。
がんばろう。 

Tag:ブラームス  Trackback:0 comment:3 

昭和と食パンと犬

普段はバイパスを通るのでなかなか通ることのない旧道を最近何度か走った。
そこに嫁さんが昭和な喫茶店を発見し何故だか行きたがる。
Googleマップのレビューはなぜかなし。
正直若干の嫌な予感に気も乗らないんだけれど・・
まあいいか行きたいっていうから行ってみた。
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家みたいだな。
ふと目に留まったクリスマス的なリーフをみて大丈夫かもな?とも思う。
戸を開けると
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カウンターの中に笑顔で立つ女性が二人。
40年弱、毎日ずっと同じ位置で同じスタンスでやってきたという感じ。
いらんこと言わなくてもその絵がをで全部伝わりますみたいな・・よかった、変なお店じゃないな。
煙草の残り香‥
窓際の席に落ち着く。
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いいね昭和なメニュー
サンドイッチかぁ・・ケーキの類はなし。
メニューの端にあるチョコパフェを頼んでみたら
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こういうのが出てきた。
パフェというよりアイス盛り?・・
素朴でいいじゃない。
ちゃんとおいしかったし。
散々行きたがった嫁さんは若干盛り下がってて笑う。
お店の人は多分すごくいい人。
近所の人がこんにゃくかなんかをおすそ分けに来てた。
このお店も誰かには思い出の店だったりするんでしょうね。

サンドイッチもおいしそうですね。
昔、小学校の給食で出るパンの量が自分には多すぎ食いきれなかった。
他にもいたそんな子に管理栄養士みたいなのが目を吊り上げ、食べなさい!とやっているのをよく見かけた。
どうにもならないところ担任から食え!っとやられている所をみんなが囲い笑うとか、今考えるとちょっとどうかと思うけれど。
食べきれないパンを自己嫌悪感とともにナプキンでくるみカバンに隠して・・
そういえば今でもナプキンという言葉やあの白い感触に嫌なイメージがしみつき残っているかも。
野良犬にあげるのを楽しみにルンルンで隠すと言う発想ができればその後の人生も大きく違ったかもな。
成長の遅れからくる小食なんて時間が解決しほっといてもたくさん食うようになる。
いまじゃ、医者から食い過ぎを何とかしろと言われている。


https://www.youtube.com/watch?time_continue=1204&v=L__jruvYuCg&feature=emb_logo
ショスタコーヴィッチはベートーベンやブラームスと並ぶ作曲家として認識されていると思うけど、亡くなったのは1975年で昭和の人というか・・
この時代にロマン派みたいな音楽を書いているのは異常な事でありそれには厳しい訳があったりもするんだけれど、そのおかげで私にも理解でき楽しめる作品を残してもらえた。

次の日かなり久しぶりに、子供のころ住んでいた辺りをふらっと歩いてみた。
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用水路に枕木をかけた橋を渡った先にはフェンス。
その向こうは線路。
昔、ここをよく歩いて渡った。
カーブの向こうからやってきた電車に轢かれそうになったことが2度あった。
踏切とはいえない畦道が線路を横切っているようなのはほかにもあり、通行禁止の立札が建っても人の往来した気配があったんだけどもう今の時代その存在は許されないということなんでしょうね。
まだ若く歩き回りたくてしょうがなかった犬と嫁さんの3人でここを渡ったのもかなり前のことになってしまった。
自分の何かまでふさがれ鍵を閉められてしまったような。

このあと昔歩いた道を歩けばあれから40年、当時なかったはずの家がもう古くなっていたりもする。
当時からつぶれそうだった飲み屋から仕込みの匂いがするのをなぜかうれしく感じ、万屋から建て替えられた豪邸の表札に店名と同じ苗字を見て懐かしく思う・・その先でふと一匹の繋がれた犬に目が留まる。
真っ黒くて熊みたいな顔に前足だけが白い犬。
40年前このあたりを毎日ほっつき歩いている野良犬がいた。
あの犬にそっくりだ。
小さな私は犬に相手にされてもいなかったけれど、毎日みかけ一緒に歩いてみたり、給食の残りのパンをあげたりした。
犬が40年生きるとは思えない。私に気付いてああお前かという顔をしてくれるんじゃないかとずっと見つめて・・やっぱりそんなわけないのか。
牛と遊んだ小さな牛小屋はもう跡形もなく、犬がもらったパンを穴を掘り埋めていた田んぼのあったところに立ち並んだ家がもう区画整理で取り壊されてたりするのね。
遠くに見える山の形だけがあの頃と同じ。
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食パンを野良犬にあげようにもやっぱりちょっと怖くて投げるように渡した記憶が返ってきた。
犬はありがとうのそぶりも見せずに咥えて、田んぼに穴を掘って埋めちゃった。
それで何事もなかったようにどっか行っちゃった。
食ってるところを見たかったのに残念なのと、犬が穴掘って食べ物を埋めてるところが見れてちょっと面白かったのと・・

あのパンどうしかな。
掘って食ったかな?
たぶん忘れちゃって・・と思うとちょっと寂しいな。
あの犬のその後どうなったのか。
どこかで拾われて飼い犬になったといううわさを聞いたような記憶がかすかにあるようでないような。
あの頃に戻りたいとも思わないし会いたい人もいないけど、もう一度どあの犬に会って話しかけてみたい。

Tag:ショスタコーヴィチ  Trackback:0 comment:8 

時代と老い

そろそろこのブログも3周年じゃないかと思って調べたらその日は過ぎていました。
読んでくださる方どうもありがとうございます。
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散歩の途中のアクセントみたいなあの赤い鳥居はどこかの氏神様。
御幣も飛んでどっかいっちゃったしめ縄ももうすぐ新しくなりますね。
犬は気温が下がってきて歩きやすいんだろう、最近散歩萌え。
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人が来たからと犬を捕まえ隅の方へ避けてたら知ってる人だった。
優しい声に犬も甘えに行く・・
杖を突きゆっくり歩くおじいさん。
この人社長さんで電話で現場にバリバリ指示を出すしていたあの・・
つい最近のような気がするあのイメージがそのままあったから本当はかなり驚いた。
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最近仕事中に製品上の大事な表記が見えず苦言を吐いていたところ誰かの眼鏡をはずしてみろという声・・・あ、すごくよく見える。
面白いもので老眼を強く意識したその日以降、つい先日まではっきり見えていた楽器のマウスピースとリードの間のわずかな隙間が見えなくなってしまった。
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富士山の宝永大噴火の時このあたりにも焼けた噴石が降り家々を焼いたらしく、家を建てるなら山を背にして富士山から隠れる位置にしろという言い伝えがあると聞いたことがある。
あの右の家はきっと昔からあの位置に母屋があるんじゃないだろうか・・
宝永噴火1707年は若いバッハが最初の結婚をした年。

https://www.youtube.com/watch?v=Wa5lCQkEFqI
コラール前奏曲 バビロン川のほとりで BWV653 
バビロン川のほとりって何んだろうかと調べてみたら穏やかなこの曲想とはちょっと違う厳しい内容だった。

音楽を聴くとき時代感というかその作品と作者が歴史のどの位置にいるかも重要な要素として感じ絡めるのだけど、バッハは私の聴く範囲では一番古い時代の人。
何故か位置関係的なイメージがあって時代が古いほど遠くというか奥の方みたいな感覚があったりして。
でっかい神社で言うとベートーベンはお賽銭投げて拝礼してというあの辺りでバッハは目の前にある建物のさらに後ろにあるほんとの本殿みたいなところにいる。
ルネッサンスの音楽とかだともう全然違う山の頂上にある奥の院でちょっとそこまでは行けませんよという感じ。
シューマンとかメンデルスゾーンは神楽殿のあたりでブラームスやチャイコフスキーはでっかい山門をくぐり入ったあたり。
マーラーは山門の正面、ラヴェルは長い階段を登り始めるあたり、プーランクは神社はあちらみたいな標識看板・・もういいか。
重要性とか好き嫌いの問題じゃなくあくまで自分からの時代的距離感というか。
面白いのはイメージとして感じる距離感と実際の位置はまた全然別だったりすること。
こんな所にあんなもんがあるわけないという人が歴史に名を刻む人だというのもあるし、人間て数十年生きたりするから時代感を点で固定するのはちょっと違うかなとも思う。
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録音聴いてるだけだとジャケット写真にある演奏者の若い姿や若くて勢いのある演奏の印象が毎回頭の中に出てくるので、その人のリアルを見るともうお爺さんになってたりしてでびっくりすることがある。
最近はずっと若手の新人みたいなイメージでいた人の訃報を聞いて驚くことが多い。

インターネットというよりその前のBBSとかいう頃からやってるような人に特有の書き方を多用する人のブログみたいなものを読んでいると、文体や内容から若い人のイメージがのその人はもう還暦越えだった。
私の感じる若い人、若い感覚というのはみんなで同じように年を取ってて実際はもう中年以降なのかもしれない。
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タンポポと犬。
もう咲いてるんだね。
犬は結構な歳で時々老いを感じさせるけれどでもまだまだ元気。
ずっと元気でいてほしい。
今、もう一つ気がかりなことがあるけれど私が焦ったりうろたえたところで事態が好転するわけはもないのだから、落ち着くしかないのか。

この日行く当てもないまま山道を登っていると
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こんなインターチェンジみたいなものが沢山出てくる。
ちょっと雰囲気の違うこの道は60年代初めにゴルフ場や遊園地などと一緒に開発された有料道路だったそうだ。
当時としてはちょっと未来を先取りくらいな趣があったんじゃないかな?
あの細い柱、薄くスマートな橋げたに昔の未来感を見るような。
オリンピックがあったりしてみんなこの先頑張れば明るい夢のような未来があると思ってたんじゃないかと勝手に想像する。

私の夢はある夢を見られるようになることだ。
夢を見るための夢がまだかなっていないのだから死にたくない。
死ぬわけにはいかないのでよろしくお願いします。

Tag:バッハ  Trackback:0 comment:5 

救われてゆく

また富士山の近くへ
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主要道路から外れるとのどかな・・
なんかインスタ映えみたいなのがやりたい人がじゃまだオーラを発しながら一人道を占領していた。
ちょっと先へ行くとああいい景色だなぁ・・・
でっかい外車が馬鹿みたいなスピードで突っ込んでくるなぁと思ってみてればクラクションを鳴らしっぱなしで通過していった。
ちょっと行って別荘地内に入れば先日休みだったあのお店、今日はやってると調べてあった。
行ってみるとお客さんのだろう何台かの車が。満員の人の声であふれる店内が思い浮かぶ。
暴走外車の不快感を引きずって人間嫌いの火が入っており嫌だなぁ帰ろうかぁなんて思ったりして。
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嫁さんの手前そうはいかないので階段を上る。
綿みたいな花・・なんだろう?これ
階段を上がると、
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サンルームみたいだな。
中に人がいてこちらを見てるけど構わず写真を撮ったりするのは・・・とか考えなくてもいいのか。
こういうところって戸を開けると
予約を取られてますか?
聞いてるような体でその実なんだおまえ?みたいなのもありがち。
そういえば最近ないな。
普通に迎い入れてもらえた。

お金持ちが別荘の一部屋を道楽でお店にとしてみたいなのかと思ったけれど、
どうもそうじゃなくてかなりしっかりとしたお店とお店の人という感じで場所を考えると意外な印象。
隠れ家みたいといいつつ人でいっぱい。
遠い県外ナンバーの車もとまってたし、隠れ家みたいなって実際は全然隠れてないのね。
そんなに広くない空間を満たす人の声の集合がパテみたいに一体の圧力となって感じられ、もっと違う時間に来ればよかったかなぁ・・等と性懲りもなく考えていた。
ここはきっと気の合う人とランチを食べて楽しく話しながらデザートも・・という場だから話声で埋まってて当たり前だよね。
後から入ってきて隣へ座った若いおしゃれカップルはおしゃれ雑誌をめくりながら何だかおしゃれな会話をしてる。
こっちはおしゃれからは程遠く、晩飯何にする?総菜でいいかぁ・・みたいなの。
でもそんなののほうが心地いいんだからいいの。
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ブルーチーズと桃のチーズケーキって名前からしてそこらのとはちょっと違うよ感が炸裂してますね。
食べてみると濃厚で・・他では食べたこのとのない味がした。
ブルーチーズを食おうと思って食ったことがないのでそれ系の味なのかはわからない。
ゴルゴンゾーラとか聞いたことあるしきっと食べたことはあるんだろうけど。
桃もしっかり入ってたけれど若干控えめ。
これはしかし美味しかったよすごく。
アールグレイティーは香りが素晴らしく、無印良品でバンバン水蒸気みたいなのが出てるあれを思い出した。
嫁さんのはカボチャのチーズケーキ。
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文房具みたいな包み紙の角砂糖。
2杯目のために半分に割るには・・とか考えてたけど
ちゃんと2つに分かれてた。
あたりまえか。
この薄くて滑らかなカップは実はなんかいいやつなのかもなぁ・・と思うけれど何だかわからない。
こういうどうでもいいようなことを考えていられるのは幸せなんでしょうね。


https://www.youtube.com/watch?v=vJpAIOFN5WQ
ショパンのノクターンははじめの方にちゃらちゃらしたのもなくはないけれど、どれも私的な日記かエッセイみたいなものなんじゃないかと思うことがある。
バッハほどではないけれどショパンも短調の音楽が明るい光の中に救われて終わるのを見ることが多くあり、その向こうにバッハを感じることもある。
こういう時にいちいちバッハとピカデリー終止とか、そんなのほかの作曲家だって・・とかいうのは野暮です。
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満員だったお客さんはどんどん帰って行きお店は静かになる。
静かになるにつれて、時間も空間も自分のものになる。
いい時間。
お店の人が隣のカップルにあちらへどうぞと、空いた窓側の良い席を進めてた。
その後そのお店の人がいい席でいい感じになんか食ってる二人をちらっと見て満足そうな顔をしたのを目撃した。
いいね・・
おしゃれカップルの彼氏はまだ若いんだろうけどもう優しいお父さんになってるところが見えてくるような。
あっという間なんだよね・・

自分の気持ちも緩んでいくのを感じる。
ありがとう。

小さいお店なのに意地になったようにあらゆる電子マネーに対応してるのを見てちょっと笑いそうになる。
でもそれをネタに話しかけようという感じでもない。
若い店員さんは愛想がないとは違うちょっとなんだろう・・都会的?
ここは田舎の山の上だけど都会の店が来て都会の客を迎い入れてるように思えなくもない。
土着の田舎もんだけど嫌な顔もせず向かい入れてくれてありがとう。
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別荘地内を走ってるとでっかい富士山に夕日が当たってた。
しかし日が陰るとさむいなぁ。
この辺り時々雪が降るんですよね。
昔、夜中に峠の向こうからノーマルタイヤで来ちゃって修羅場な思い出ももう20年くらい前なのか。
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ふもとまでくると桃色に染まってた。

Tag:ショパン  Trackback:0 comment:2 

大丈夫

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多分、一年で一番早い時刻に見る夕日。
訳があって仕事を早く終え次の用事までの時間調整。
ゆっくり休んでもよかったはずなのに次のことが頭を押さえつけ落ち着けない。
もっと心をいらない縛りから解放しないと人生損したまま終わってしまうと思う。

別な日、パン屋がやってるカフェみたいなのに行った。
入ると一人いる店員さんは忙しく何かを作っていて特に反応もない。
待ち客みたいな人がいるので終わったら何か注文して席へ持ってくのかな?
その番が回ってきたと思い店員さんを呼んでみると
お持ち帰りですか?
いえ食べていき\あちらの席で注文ををききます
遮るようにものすごい早口の掃いて捨てるようなことばが帰ってきて笑う。
悪気は全くなくそれが相手にどう伝わるかまで考えが及ばないだけなのはわかる。
腹も立たずに笑っていられる今に感謝。
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誰もいない店内は静かでいいね。
メニューを眺めてもいまいち感じがよくわからないけれどよくあるメインのパンに飲み物をつけるセットや、ポテトとかスープとかいろりろ・・めんどくさいことを考えずにおいしいもんちょっと食ってゆっくりしたい。
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コッペパンになんか挟んだだけというのが安価だしちょうど気分にあっていいかな。
注文しようとするとまた早口かつ冷たい感じで問いただしてくるので笑う。
すさんでいる時だったらお前いい加減にしろなんて言ってしまいそうだ。
でもそうならない今に感謝。
若い子かと思ったけれど見ればそうでもない。
色々大変だったりしてるのかもしれない。
何だか知らないけど頑張れ。
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真ん中で切ってくれるのか
食べやすくていいね。
切り口つぶれちゃってるけど。


https://www.youtube.com/watch?v=xfBGP01MLe0
甘き喜びのうちにという曲で、元になっている讃美歌はクリスマスと関係があったりするんだと思うけれどそんなこと知らなくても優しいいい曲ですね。
バロック音楽が好きな人には超絶有名だけど普通の人は知らないかもしれないブクステフーデという人の作品。
オルガンの名手としても名をはせていたらしく若いバッハが休暇を取って聴きに行き、魅了されて休暇の期間を過ぎても全然帰らなかったため当局から怒られた的なエピソードが超絶有名。
バッハの才能を認めたブクステフーデから娘と結婚して後を継げと言われたのを蹴って帰った話も有名だけど、かなり悪いニュアンスを載せて語られることも多く何百年も人権侵害みたいなのにあい続ける娘さんがかわいそうだ。
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中身はチーズカレー。
素朴でおいしかったよ。暖かいってのがいいんでしょうね。
素朴な食べ物とどうということもない素朴な空間だけど、この日色々あってささくれていた気分が和らいでいくのが判った。
おしゃれ空間とかびっくり料理を前にして・・とかいうのが必須なわけでもないんだね。

私は、
これはこういう姿が正しい、こうあるべきでそうでないものは間違い・・みたいな強すぎるこだわりに縛られていることが多い。
発達障害とかそんな話がしたいじゃなくて。
こうあるべきだなんて思うからそうではない自分を間違った失敗だとしか思えずいつも塞いでいるのだけど、いい加減にしないと生きることに支障をきたす。
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またさっきの休憩場所。
下の方に見える明かりの灯り始めた街がとてもきれいだったんだけど全然写ってないな。

この日の昼食は会社関係の何人かと会食であったのだけど、ある偉い人が仕事と関係なく昨夜あったことを話し出した。
へーとかそうなんですかぁ!とか笑顔でやるべき場面だけどその内容はちょうど私という人間が失敗であることを明示する個人的超絶タブーのど真ん中だった。
私の頭は耳をふさぐか席を立って部屋を出ようとする。
本当にそんなことをすればすぐにではなくとも会社にはいられなくなるだろう。
相槌も打たずに下を向き、必死で自分を押さえつけ・・
まあ、いいから。
こうなっちゃったのはもう仕方ない。これからなにができるかでしょう?

楽器、やってるよ。
レッスン中断中だから自分を見てるのは自分だけ。
やっとさぁ、やっと・・の先は書かない。
まだ生きる気満々だよ。

Tag:音楽を聴く話  Trackback:0 comment:2 

失敗して思い出して冬の旅

犬とお散歩。
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後ろのあの農業倉庫、私には笑っているように見える。
最近は歳のせいか仏頂面で歩いていることも多い犬だけどふと振り返ったら満面の笑顔で走ってた・・のに私の視線に気づきサッと仏頂面に戻る・・なんだそりゃ?
このとき昼には喜多方ラーメンが食いたいなーとか思ってた。
喜多方へはいけないけれど喜多方に本店があるチェーン店が近くにあるから・・
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これはもう結構前、喜多方にあるその本店で。
おいし・・あでも近所のあの店と同じコンセプトで・・考えてみれば当たり前か。
家の近所で本場と同じ味が楽しめてることはわかったけど、こんな遠くまで来ていつもの味かと思うと微妙な気持ちになった思い出。

結局、嫁さんの大反対にあいラーメン屋には行けなかった。
代わりにすぐ近くに最近できた店へ行ってみるとまれにみる大失敗感に打ちひしがれたりもしたけどいいかそんなの。
会津と言えば、
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会津若松から只見線というそれ自体が秘境みたいなローカル線に乗ってみたことがあった。
全線乗り通そうと思うと列車は一日2本だか3本しかなく、景色見たさに日が暮れてしまう前の列車をと思えば会津若松で前泊し朝5時半ごろの始発に乗る以外になかった。
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会津盆地をしばらくまっすぐ走りいよいよ山へぶつかるあたりでちょうど日がでて明るくなり、谷に沿って山へ分け入るとむかし話みたいな景色が見え始める。
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長距離を走る列車は遅れなんかを取り戻すバッファみたいな意味でか、主要駅で長時間停車することがある。
記憶では寒くて寂しい印象もあるけれど今こうして写真を見ると、綺麗なところですね。
一本のレールに何本もの列車が乗る鉄道にとって、追突や正面衝突を防ぐ手段は絶対的必要不可欠な問題なのだけど、
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このタブレットというものを使う昔からの仕組みがこの時点でかなり珍しく、見てみたかった。
今はもうどこにも見られないんじゃないかな?
運転手さんも外へ出て体を伸ばしてとかかな。
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本当は途中のどこかで、小さな宿に泊まりつつとかがいいんだろうけどなぁ。
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なにかと思ったら消火栓。
雪の積もり具合に合わせて何段階もの取水口があったと思う。
きっと、雪にないところで生まれ育った私には想像もできない苦労がいろいろ沢山あるんだと思う。
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静かですね。
地元の人の他、ただ乗り通すこと自体が目的な人もいたけれどキッパーな時期にありがちな目障り耳障りな変な人はいない静かな車内だった。
いまはたしか災害で長期に不通になっているんだったと思う。
逆にそんな場所だから鉄道が残ったともいえる?
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ゆっくり進む。
旅って感じ。

https://www.youtube.com/watch?v=aWs6ZrJd3LU
これはラヴェルの作品でフォーレの名による子守歌。
フォーレがなくなった際、音楽雑誌が追悼企画として複数の作曲家に呼びかけたのに応じてという話で
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ガブリエルフォーレの綴りが音名化というか旋律化されてるという・・
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BAHCとかDSCHなら聴いてそれとわかるけどこんなの聞いただけじゃ何だかわかんないですよね。
でも面白いね。
小さいけれどいい曲ですねこれも。
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長大な峠のトンネルを超えると青空がみえた。
冬季通行止めなのか雪に埋もれた国道の鉄橋なんかの他にはほんとに何もない景色が印象的。
ふだん雪の降ることがないところに住んでいるから、
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こんな景色を見ると心中大騒ぎ。
一人ジョイント音に耳を傾ける汽車旅って音楽みたいですね。
平野に降りると終わりの予感に寂しいような気持になった。
5時間乗ったと言ってもあさの5時台からだから終着駅でまだ10時台。
でもどこへ行きたいとも思えず何をする気にもなれずそのまま家へ帰ってしまった。
私の頭はそれを虚しかったから・・と記憶しているんだけれど、
満足したから・・でいいじゃないね。
何でも極端に悪く受け止め記憶してしまうこの頭。
何故こんなふうになっちゃったかはいいとして、
死ぬまでに少しでも開放したいと思う。
大丈夫、できると思う。
少し前くらいなつもりのこの旅も、調べるとちょうど10年前の今頃だった。

Tag:ラヴェル  Trackback:0 comment:8 

居場所

長年閉塞的な感のあったこのあたりに最近大規模商業施設が開業。テレビでも取り上げられ開店から何日もたっても周辺道路は大渋滞・・
そんなもん1年くらい近づかないにしよう思ってたのにふと嫁さんに行ってみる?なんて言ってしまったら答えは行く♪
最近人込みにナーバスになっている嫁さんだけど、行ってみればさすが女性というか楽しいんでしょうねああいうの。
おしゃれな店に見栄えのいい商品が並び、おしゃれカップルやおしゃれ家族の楽しそうな笑顔・・たくさんの人・・
ちょっと調子の悪い私の方に変な病気みたいなのが出てしまい、自分はここにいてはいけないいられないみたいなのが始まってしまった。
じゃあどこならと思うと・・
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巨大レンズ雲が複製量産されて並んでいた。
流れてくる元をたどればあの形を作って流しているのは富士山だ。
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昔この樹に釘を打ち込んだ人が原因不明の高熱に倒れ、訳を聴きだした家族が抜いて謝ると治まったという話を釘を抜いた本人から何度も聴いた。
恐ろしい力を持っているのかもしれないこの樹、でも私にはそれは感じられずむしろ肯定的に見守ってくれているような気がする。
ここにいると落ち着き、いつまでもいたいような気になる。
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だいぶ葉が落ちたな。
この日朝から自治会でお堂の清掃をし、降り積もった銀杏の葉と銀杏は片づけられた。
でもまだまだ降ってくるのね。
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匂いが嫌なのか銀杏落ちている間は絶対に近づこうとしなかった犬。
臭いもん好きなのに何で銀杏はダメなんだろう?
今日は逆に居座ろうとしてる。
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なんてことのない田舎の風景だけど、なんかいいなぁと思ったの。
朝の新しい日の光ってなんでも綺麗に見せてすごいね。
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台風で曲線部の底がえぐられ護岸の基礎のその下がえぐられてるけど大丈夫なのかなこれ?
そんなことに関係なくのんびり浮かぶ鴨。
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手前の畑はブロッコリー復活かな。
いちど調子が悪い年があって次の年は違うものが植えられてた。
畑も気分転換すると復活するのかな。
行き詰ったらちょっと休むかほかのことすればいいのかな。
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富士山の右側にレンズ雲が量産されているのをよくみかける。
天気悪くなるかなぁ・・
あの下にあるもごもごな雲も、富士山の中腹に見えるあの雲の流れじゃないか。
海から風が入ってきて富士山に当たると変化を起こし流れてゆく。
楽器みたいだね。

こんなことを考えつつ新しいららぽーとのなかを歩いているあいだ、

https://www.youtube.com/watch?v=gWNa5iBIXGE
BWV590が頭の中で鳴ってた。
パストラーレという曲だけど田園という意味じゃなくてクリスマスの・・そういう予備知識が全くなくても頭の中に響き渡って体の隅から喜びみたいなのを引っ張り出してきてくれるのはバッハの音楽の特徴のひとつでしょう。
ブログだからこの曲が好きなんて言ってるけれどリアルで周りにいる人にそんなことを言ってみれば・・とこのような文章を書いてたけれどあることで気持が落ちると覚めてしまった。
自分の居場所は人のいない場所だとかブログのなかですなんて話は嘲笑もんでしょうね。
そこから出ようと思うのに、今どこからかいいからお前はそのなかにいろとつぶしをかけられてる気がする。
どこからかじゃなくて全部自分自身の中にあることなのもわかるけれどこでも同じ。
流されてしまえばその先にあるのは無気力と荒廃だ。
負けたら終わり、本当に全部終わると思う。
死神みたいなのがそばで笑いながら待っている気がする。
また明日、立て直してがんばろう。

居場所なんて考えてるようじゃいけないんだろうな。

Tag:バッハ  Trackback:0 comment:6 

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