花と家族

あったかいねー
ある家の前を通りかかると庭で洗車している人・・あれ?
若旦那は今出てきたあの人だからちがうよな・・あれはだれ?
あっ、庭で遊んでたあの小さな子がもう車に乗るようになったの?
茶髪で背の高い・・よく見りゃ若いのか。
あっという間だねほんとに。

梅の実がなってた。
勘違いでなければ、この樹は小学校の卒業記念にもらった苗を植えるところがない団地住まいの人が困った末道端に植えていったものじゃないだろうか。
すぐに気に入らない誰かが「恥を知れ!」なんて書いた札をつけたりしてたけど、それをまた誰かが主のいなくなった畑に移して・・違うかもしれない。
これももう何年前か、その子は今どうなっているのかな。もうその子供が小学校卒業してたりして。
梅に実がなってるのは知っているだろうか?
近所に小さな女の子がいると思ってたらいつの間にかその子に子がいて驚いたのは最近。
もうその辺をニコニコ歩いてんのね。
あの子も気が付けば車のってたりするんだろう。
いるはずのマスオさん的な人を全く見かけない気がするのは多分気のせいで大きなお世話だろう。
別な近所のマスオさんはいきなり喧嘩腰で返事をされ嫌な人だと思っていたけどいつの間にかいないことになってた。

近所のお茶畑。
毎年5月の連休に親戚が集まってお茶の葉を刈り、ちょっとなんか食って飲んでみたいなのを見かける。
大家族ってやつですね。
私の人生にはそういうのはなかったけれどよその家に呼ばれたことはあった。
その都度、こういうのに向いてないと思った。
その家の生きてれば110歳くらいの大おばあちゃんには色々話しかけてもらえて昔の話を教えてもらった。
嫁に来ると姑も腹に子があって一緒に子を産んだみたいな話が昔は珍しくなかったんだろうけど印象的で忘れられない。
https://www.youtube.com/watch?v=CqYCMjzOJPU
あんまり関係ないけどプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番。
この曲ト短調で、ヴァイオリンの一番低い音である解放弦のGの音をコアに・・ソロだけでなくオーケストラも低くて暗い悪魔的なものが全曲を通して流れている。
のだけど、第1楽章だと第2主題は暖かい日の光が差す中、人間の心というか
2楽章は無垢な子供の心、愛、勇気・・とかそれらが同居する不思議な魅力を持った曲で
これにハマって聴きまくってた中学生のあのころ、傍目にはまだ生まれていくらも立ってないくらいの時期だったのね。

第2主題を歌いだしてここ、
最初に聴いた人はじっくり深くクレッシェンドしながら演歌的なビブラートで歌いこんで・・
その流れに乗って自分も曲の中へ入り込んでしまい、
いまだに出てこれない。

世話が悪いからだろう、このところ咲かなかったクンシランが咲いて見せてくれた。
新しい株がガンガン出てきて間引いたのを別な鉢に植えてみたりしていたけどきりがないのね。
増えっぱなしにしとくと花は咲かない。
しかし子孫繁栄って感じでなんだかいいね。
もともとは母方の祖父がやってたものから株分けされているらしいから50年とかもっと前から続いているものなのかな。
あまり興味を持てずにいたけど、咲かなかった花が咲けばやっぱりうれしい。
これからもずっと咲いてほしいなとも思う。

かたつむりがいたりして。
花食っちゃだめだよ。
主がいなくなり荒れ放題だった向かいの庭は業者が手を入れきれいになった。
背後にいろいろあるのもなんとなくわかるけど知らないことにしとけばいいのか。
嫁さんによるとどっかのおばあちゃんがでっかい声でここにあったってしょうがないとか言いながらきれいな花を引っこ抜いて持っていこうとしていたという。
私もすぐ近くの別なところできれいな花をもぎ取ろうとしているお婆さんを見たけど同じ人かな?
私の視線に気づき急遽やめたけどごまかしきれず変な踊りみたいになっちゃってんの。
引き継ぐ相手のいないうちの花ももってかれちゃうんだろうか?
枯れちゃうよりはどこかで咲いていた方がいいだろうけど、少なくともあのおばあさんに持ていかれないよう長生きしたいと思う。