46の雨

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よく嫁さんが「周りは晴れてるのにうちだけ雨」だとか言いだす。
半分は夫婦間の定型的な冗談でもあるけれど、本気なのも知ってる。
なわけあるかと言いたいところだけど、常にいろんな屋外の現場で働くペンキ屋の親方から山の配置等による気流の関係とかでそこだけ雨が降る場所というのが実際にあるんだと聞いたことがある。
旦那さんとこもそうだね・・
違う場所だけど別な人にも同種の話を聞いた。
私の家は局地的多雨地点であるらしい。
そんなところに住んでるから俺はこんなになっちゃったのかなと思ったりもするけれど、大丈夫ここへ来るずっと前からこんなだったから。
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雨のなか車で走り出すと、ふとむかしの記憶が浮かぶ。
動くワイパーの向こうに見えている街並みは愛知と岐阜の境くらいだろう。
当時休日というものは事実上なく指示があってもなくも起きている以上は出社するのが当たり前だったところ、早朝から携帯の電源を切り寮から逃げたのだった。まだ夜逃げという発想はなく戻れば悪夢が待っているんだろうが今日一日どこにいようがどこに行こうが自分の自由。
と言って楽しく遊びだすとか言う事もない。どこに行きなにをしたいという事もないがとにかく遠くへ行きたいと思った。
山へ向かう高速はわずかな部分しか開通していなかったから途中から山道を走ったんだと思うけれどほとんど記憶にない。
あれはどこだったのか大きな山へぶつかって突き当たりみたいなところ、地図上では峠を越えて富山まで行けるはず・・
でも実際峠は夏のわずかな期間を除き閉鎖されておりどうしてもこの先へは進むことができず、複数あったほかのルートもすべて同様で巨大な袋小路の中に入ってしまっていた。
時間を考えればもう戻る他にはないのだと気付いたときの・・
あれから20年以上たった今、なんでかあのときみたいな気分だ。
違うのは、戻る道はないという事。
あの後の記憶は全くないけれどしょぼくれた感じで来た道を戻ったんだろう。

朝から雨音を聴いたら頭の中にブラームスの3番の3楽章が流れてきて、
この曲は戦う男のメランコリーだとか雨は戦う男に休みをくれるとか
そんなことを書こうと思ってた。
だけど実際戦ってない人間がそんなこと書こうったって・・

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1130&v=qtEZ_jzeVXA

いや、そうじゃないだろう。
中学生で音楽に目覚めるとすぐにブラームスと出会い、どこで読んだかいろんな人が言う40過ぎてから聴くブラームスって何がどう違って聴こえるんだろう?と思った。
そこを具体的に説明してくれる人はいなかったと思う。
それがすでに答えだったのかもなと思う。
人はみんな違うし積み重ねてきたものも違うから誰かと共有できるわけでもない、その答えはそこへ行った自分にしかわからないんだから。
短絡的な反応が返ってくるのが嫌だけどあえて言えば、ブラームスの3番4番は歩んできた人生に傷や間違いを感じているような人にこそ響くものがあるような気が私の中ではしてる。
でもそれが唯一ではないし、順風満帆私は優れた成功者だなんて自分で言っちゃえる人のブラ3、ブラ4というのもあるだろう。

あまり強い雨だと雨音が邪魔をして音楽を聴くことができなくなってしまう。
でも音楽への没頭を邪魔する明るく強い日差しや外を行く人の声を遮り消し去ってくれる弱い雨は
私の愛すべき味方なのである。

Tag:ブラームス  Trackback:0 comment:2 

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Author:unagi
誰にも迎合できません
2022年11月からピアノ習い始めました

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