トイレと楽譜と生きてること

私は、今絶対いけないという時に漫画みたいに尿意が出てくることがある。
実際の内臓的な動きよりも脅迫観念による精神的なものだろう。
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長らく緊張の極致みたいであった楽器のレッスンもその対象。
レッスン場まで車で30分ちょっとか外にあって入りやすいスーパーのトイレに寄って行くことが必須の行程だけどすっごい雨で車を降りてトイレまでのわずかな時間でもびしゃびしゃになっちゃうのは間違いない。
実際大丈夫なんだし今日は・・とか思っているとそのあたりに差し掛かると不意に雨が弱まり・・あー神様。
行ったところで別にそんな・・くらいなんだけど。
レッスンが行われる建物は一階ににコンビニといくつかの店舗、2階にある複数の部屋を楽器店が借りあげみたいなとこで、言いたいことは自由に入れるトイレがない。
以前は到着するとコンビニのトイレに行ったりしてたけど最近はそんな自分にお前いい加減にしろとあえていかないようにしてる。
さあ時間だと車を降り階段を上がるときには危機的な尿意の予感・・でもこれ虚構だから。
なんどかやってるけど実際その先レッスン中も、帰りの道中30分間もトイレのことなんか忘れてるわけで。

今ね、誰にでもあるんだろうけど某所の人間系の精神的苦痛から逃げたい気持ちが充満していたりする。
だけどそのうち半分くらいはこんな尿意と同じ、自分の頭が自分で勝手に自分に負荷をかけ嫌がらせをしてるような虚構なんじゃないかと思う。そうわかったら解決とはいかないんだけど。

それでレッスンは事前に家で調子のいいことを確認してあったところにとっておきのリードをつかって音出しでこけることもなく・・
できない、まずいと思っていたことをやるように指示されやってみたらつかんだようだねと言われて逆びっくり。
じゃまた練習しよう。
先生がたくさんの楽譜を用意してくださり初見大会であった。
一人で勝手にやる初見とは違う、間違いの許されない緊張感・・
傍にどう聞こえるかは関係なく、私にとっては音楽をしている瞬間の連続。
楽しかった。
帰りの道中、もちろんトイレなんか忘れてるんだけどこの日も日中拾ったストレスで詰まって腐ってた頭と心がすーっと解放されてるのね。
あー、いきててよかったなぁ・・
またすぐに戻るのも知ってるけどそれ考えないで。


https://www.youtube.com/watch?v=y4N_e3B51RA
なんでこれが出てきたのか・・翌朝頭の中でこれが鳴ってた。
シューベルトの魔王と言えば中学一年生の音楽の教科書に載ってて・・この頃まだクラシック音楽に開眼しておらず音楽の授業も先生も不愉快で大嫌いであった。
ほどなくクラシックに目覚めるとカセットテープのこの曲を何度も何度も聞いた。誰かがラジオを録音したものでカール・エンゲルのピアノ伴奏ですというナレーション・・フィッシャーディースカウの歌う魔王と言えば京都だと金閣寺か清水寺みたいなもんだろうYoutubeにも各種音源があふれているけれど自分の持ってるCDも含め伴奏はみな別な人。
30年以上たっても頭の中で鳴るあの演奏はこんなにハキハキ歌わず滑らかに流してた様な記憶となっているけど・・半分ノイズに埋もれ聴くのに想像力が必要なラジカセだったしあてにならないかな。

教材の音楽資料集みたいなのに楽譜が載っていたので眺めながら聞いた・・だけじゃなく、あろうことか伴奏をうちにあったエレクトーンで弾こうとした。
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本当にまだ何もわからず、見ながらなんてできるわけもない。ト音記号の五線の一番下はミ、ヘ音記号の上から二段目はファ・・そこから数えてこれはラか?みたいに鉛筆で音符に音名を振って暗記した記憶がある。
中学生にも歌えるようにかト短調の原曲をホ短調に移調して書いてあることはなんとなく理解してた。30年以上たってもまだ思い出すミファソラシドシッソ・・
もちろん弾けるわけもないんだけど音楽室のピアノでちょっとやってみたりして・・それがピアノという楽器へのあこがれみたいなのにつながって・・

しかしあんなに聴いたのに楽譜を見たのは30数年ぶりか
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ここなんか作曲当時のピアノが構造も鳴りも今のとは全然違うものだったことを示してもいるのかなと思うけど、なんだかものすごいね。
あの頃そう思った記憶もないし転調ががどんな効果を上げているか・・なんてわかるわけもなかった。
まだ自分が子供。
この曲、当時から前衛的な手法が賛否を呼んだそうだ・・もいいけど、嵐の中親父の背中にしがみつく子供の魂が連れ去られてゆくゲーテの印象的な詩、マーラーの歌曲にも腹が減ったという子供の声を聞きながら粉をだして油をひき・・パンが焼きあがった時子供はすでに息絶えていたみたいな曲があった。
抗生物質なんてなく、今朝まで笑ってた子供があっという間になくなってしまうという事が当たり前のようにどこにでもあった時代。
今想像してもしきれない皮肉的な感覚を持ってみんな聞いたんじゃないのかなぁ・・
昔だったらとっくに死んでるか間引かれちゃってたんだろう私は、いまここにこうして生きていられるんだから・・
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物心ついてすぐからおかしな自己認識の私はあのころ自分が音楽なんて言えば人に笑われるだろうと思ってた。考えてみれば今でも思ってる。
だけどなにか広大な明るく新しい世界をすぐ目の前に発見したような気がして・・
その広大な新天地へ何度か踏み出そうとしたはいいけどおぼれはじかれ逃げ、ただ地図をもち遠くから眺めてるだけだった。
30年たった今またあきらめきれずに漕ぎ出そうとし・・こんなの頭のおかしいようなのが馬鹿なことを言ってるように見えるかもしれませんね。
いいのよ。
密かにやりたいことやらせて。


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クラシック音楽が好きです。

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