運動

ショパン展行こうという日。
遠くのプリンみたいな山だけを狙って雨が降ってるように見えてなんだか笑いそうになる。
街の中の飯屋は狭くてうるさそうだからと思い手前のちょうど市街地が切れてここから田んぼ地帯になりますみたいなあたり。
昼飯を食う店はないかとローカルな道を曲がりここへ来たのは偶然で一期一会的な。

車を置き横断歩道を渡って戸を開けると白くて長いあの帽子をかぶったオーナーがテーブルで客と談笑中。
ちょっとべらんめえ的な雰囲気も感じるオーナーはでも親切に案内してくれた。
オーナーというよりシェフ・・ご主人か・・・おやじでしっくりくるかもしれない。
写真入りで貼ってあるメニュ-なんかを見てるとステーキとかビーフシチューとか肉料理は任せろなお店なのか。
なんかそういうの頼もうかとも思ったけど価格を見てやっぱり手ごろなランチに。
お客さんまみんな顔なじみの常連さんのようだ。
多分、30年とかもっととか通ってるような。

白いグランドピアノか。
その上にはマイクが置いてあって・・
ピアノが置いてあって時々誰かを呼んでなんかやるんだろうなというお店は結構見かける。
音楽が好きとか言いながらそういうのを含め音楽な場に一歩も近寄れないことに疑問も持たず30年。
ちがうか、目を伏せ耳をふさいで30年。
おかしいだろと思って数年。
今、やりたいと思ってあがいて・・があるからいいか。

気が付けばどしゃ降りの庭には夏の花。
この日少し遅めに起きると家の窓も雨の中たくさんの朝顔が咲き乱れて絵になってた。
ちょっと時間が遅いから見た瞬間はああ咲いてるなと思ったのに見てるとどんどん萎んでゆく。
見てもらえるまで頑張って待っててくれたのかな・・
思った瞬間馬鹿にしたような表情や声が浮かぶ。
殴ってやろうかみたいなのとか。
私はずっと音楽をポエムみたいに捉えてた。
ステージ上にいる人たちはまず具体的に実態的問題を高い身体能力で解決してゆくアスリート集団なのであって変なポエムを垂れ流してるようなのは大嫌いであるかもしれない。
もういいのよそれはそれで。

びっくりするような速さで出てきておっと思う。
手抜きだからとかじゃなく、昼めし食いに来てるような客を待たせるわけにはいかねーんだよ・・とか言ってるかは知らないけどなんかプロ魂かもしれないとか思って。
ちょっと足りないななんて思ってると嫁さんのご飯が半分来るので何とかおさまる。
おいしかったよ。
ここへ来る前かかりつけ医に健康診断の結果を見せたところカロリーの取りすぎだ炭水化物を減らせと言われたばかり。
先生はいつも他に困っていることはないか?と聞いてくれる。
体を人並みに動かせないコンプレックスで人生が・・とかは言わない。
最近謎のかゆみが全身にでてきたなんて言ってみと
うーん、なんだろうねえ。
更年期ですか?なんて言ってみたらそんな訳がないだろうという返事が返ってきた。
自分でどうするとそれが出るかを考え原因を探ってください
楽器のレッスンみたいな話で終わった。
オネゲルの作品に3 Symphonic Movementsというのがあって、曲の持つ内容からも交響的運動と訳されていたりする。
Movementsって音楽的には楽章と解釈するけど確かに運動とも読め、そこ2重の意味を持たせた洒落みたいなことを作者も考えていたわけなんでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=oOCezhbNQnY
それでその第1番はパシフィック231という愛称がつけられていてよくクラシック入門みたいなところに載ってたような。
私もクラシックに目覚めるとすぐオネゲルとこの曲名は覚え、長く知ってるけど聴いたことがない曲の一つであり続けた。
SLマニアだった作者により書かれ、蒸気機関車が走り出して加速してゆき・・だけど聞いてみるとおもいきりオネゲルな音楽で結構とっつきにくくないこれ?
作者はこれはもともとSLを描写しようと思って書いたわけじゃないといったらしいけど、でも確かにドラフト音鳴らしながら走った挙句結構急なブレーキで止まってたね・・
やっぱりとっつきやすいか。
単に蒸気機関車をリアルに描写するのならもっとうまくやれるはずで、でもそれじゃあオネゲルの作品じゃないのかもしれない。
第2番はラグビーという曲で、昔テレビのクイズ番組でこれは何を表している曲でしょうか?という問題になってたのを覚えてる。
一人で電車に乗ってどっかでかけてた時だから結婚前か、相席になった6年生くらいの男の子がラグビーのルールかなんかを質問すると超絶スポーツマンみたいなお父さんがさっと答えて・・が忘れられない。
なんで忘れられないかは書かない。

ランチのアイスコーヒーが家で飲むような体で出てきてちょっと笑う。
お母さんもすごく親切丁寧。
常連らしいおじさんがやってくるとメニューも見ないではらへったなぁ・・あれなかったっけ・・あれ
ある料理を大声で連呼する。
それはないからお母さんが近似の料理を厨房へ伝えると
え?あれ・・あれ・・
駄々っ子みたいにメニューにない料理を大声で連呼するおっさん
そこのメニューに載ってるそれしかないんだよ!
お母さんの一喝でおっさんはすっと黙った。

庭のあのでっかい石よく見るとなんか書いてある?
土地改良記念・・
記念碑?あそこ庭じゃないじゃない・・
隣の区画なんだろうけど、でも庭みたいにいろんな植物置きまくっちゃって実質庭になってんのね。
話好きに見えるおやじは今度は女性一団の中に座り込んで話始める。
孫もいるだろう女性の集団にやさしく
ねぇ?なんて言えばウフフみたいなかわいい声が返ってくるのね。
自信に満ち溢れる感じ・・男はさあ、ああでなきゃいけないんだよ。
その根拠はまず・・
・・この先言いたくてしょうがないことがあるんだけれど、あんまり自虐ばっかり書かないようにしよう運動を展開中なのでやめ。
帰り際おかあさんのまたおねがいします。を聴く。
またったってここに来ることが・・いやまた来ましょう。
女性に囲まれたオーナーというかシェフにでっかい声で
ごちそう様。
今日も楽器の練習しましたよ。
明日もします。
明後日も。
もうそれだけ。