お告げかとも思ったけど

近所からピアノの音が聞こえてきた日、コンビニの弁当でいいからどっか外で食べようかと出かけた。ものすごく暑いから標高の高いところへ。
だけど普段は静かなところも連休で・・
そんなことよりふと思い出したけれど、あの日聞いたものは自分の身にも覚えがあった。
最初に聞こえてたのは

これで、この楽譜には書いてないけどアラベスクという名前もあったような。
聞き専には関係ないブルグミュラーという作曲家の名前はもう忘れてた。
なんだよ聞き専って。
私はピアノを習ったことはないけれど、13歳ころに興味を持って弾こうとしたことがあった。
ピアノなんかある訳はないけれどたまたまあった古いエレクトーンで初めて両手で弾けた!と思ったのがこれ。
本人が弾けたと思ってただけだところだろうし、それも最初の1段目だけ。
だれでもできるよこんなのとかそういう話は置いといて、私にとっては自分にできるわけなんかないと思ってたことが出来ちゃったような気がして天地がひっくり返るような嬉しさだったのは覚えてる。
いや忘れられない。

楽譜も読めるわけないところだから弾いてるのを見てまねたかなんかだろうか。
違うかな楽譜があった気する。
するけど2段目3-4小節目のリズムを読み間違え3小節に拡大したまま35年間記憶していたことに今気付く。
その後左手が旋律を弾きだす展開が続くことも知らなかった。
導入用の超簡単な曲なのかと思ってたけど違うじゃない。
近所のピアノもその先は全く弾いてなかったとこがちょっとほほえましいというか。
ままごとだと言われればそうだけど自分で鍵盤を見ながら弾いてみることでイ短調とかトニカとサブドミナントみたいなものを意識していくわけでしょ。
音楽って物理とか工学的にに網の目のように張り巡らされ組み合わされた理論の上に成り立ってんだなみたいなことをなんとなく知ってゆく・・
犬と散歩しながらピアノな家に近づくとモーツァルトのトルコ行進曲冒頭が調子よく流れだす・・ああそこで終わるのね
その繰り返しなら俺も昔やったことがあるよ。
コピーをもらったんだったか楽譜を持ってたはず。
音符に数字が書いてるのをみて指のことかな?と思い合わせてみるとあ、なるほ・・こういう話は最初はそんなだったけどその後・・とか続くからからいいんであって、そんなの何にもない俺が書いても間抜けでしかないじゃないかと自分でしらけてきた。
何を思い出してもどこを探してもそんなのしかない。

いいから弁当でも食べようか。
日陰に入ると肌寒いくらい。
キノコご飯はやけにふっくらしていてどんどん食っちゃった。
医者からキノコは繊維だから気をつけろと言われてるんだけど。
控えてるから揚げ・・一個くらいならまあ・・
サバの焼いたのって安価な弁当の定番だけどすごくうまいなと思うものからなにこれ?みたいなのまで玉石混合ですよね?
何が違うのかな?

昔、あの宝永山のてっぺんまで登ったような気がするけどもう思い出せない。長い年月が過ぎてしまった
自分が同じようにアラベスクとかトルコ行進曲の簡単なところを弾いてるつもりになっていたころ、あのピアノの主はまだ生まれてなかったんじゃないか。
あの家に娘がいることもずっと知らなかったけどそういえばいつの間にか車もなくなってたことにまた気づいていなかった。
ピアノの音の向こうで赤ん坊が泣き叫んでるのが聞こえてたことを思い出しながらふと思う。
急にそんなもんが聞こえてきて自分のあの頃をはっと思い出したりしたから、何かそこに意味でもあるのかななんて思ってみたりもしたんだけど・・
それでここにそれを書いてはみたけれど
なんかどんどんしぼんでゆく。
ピアノ習いに行ったってな・・

いーねこんな景色。
嫁さんがもう少しドライブっていうから走ってると横で寝てるのね。
わかるよ助手席って日が当たると眠くて仕方ないよね。
昔偉い人に運転させて寝ちゃったこともある。
翌日全く別なところからピアノの絡む話がもう一つ出てきて心に刺さったんだけど、他人からは人でなしにみえるだろうと思い書けなかった。

まるい富士山の周りを半周する。
時計の針で言うと最初にいたところが20分ならここは50分くらいのところ。
昔はというかつい最近まで日帰りでもいいからできるだけ遠くに行きたいと思ってた。
なのにこの日早く帰りたいなんて思ってて
何でこんな何にもない人になっちゃってんだろう?

戻ってきて
きれいだね。
空気もひんやりして。あたりには複数の観光客が目に入る。
そういうのででいちいち疲弊してる私は明らかに間違ってますがもう手遅れです。
この日トイレを借りた観光施設はなぜかいつも軽いBGM選曲じゃなくちゃんとしたクラシックのピアノ曲が流れてる。
帰り際に
https://www.youtube.com/watch?v=ttLRonyyMak
これが耳に入り、以降ずっと頭の中で鳴ってた。
中間部から主部に戻ってゆくときグワーッとクレッシェンドしながら突っ込んでいくところが何かを言ってそうでいいじゃない。ノクターンてただの心地よい夜の音楽なんかじゃないんだなって。

まだ満月ではなかったけどなかなかの存在感で。