大切な指輪がなくなった

なんでか、気持ちが穏やかだった。
ショッピングモール内の富士山が見える店で飯を食べ、気分良く次のお店へ入る。
自分の用は済んだけれど嫁さんはもう少し見たそうなのでちょっとその辺をほっつき歩いて、
戻ってみれば嫁さんの様子がおかしい。
聞くと指輪がないという。
重ねられた衣類の間に手を入れたときに抜け落ちたのではないかと必死で探している。
私が女物の服に手を突っ込むのはどうかと思うのであたり一帯の床を見て回る。
店員さんにもし指輪が出てきたら連絡してほしい旨をお願いし・・
諦められない嫁さんはずっと探し続けたけれど。
帰ってきた。
結婚した時のあの指輪?と聞けばそうだという。
私もとても大切なものを突然失なったばかり。
また買えばいいなんて声をかけてはいけないことくらいわかるよ。
帰りの車の中で嫁さんが、
今日出かける前に何か長年使った大事なものをなくすという予感があり怖かったというようなことを漏らした。
ほかにも長年大切にしてきたものが最近壊れたというようなことを言う。
こういう事には意味があると思うけれど俺は絶対に不吉の前兆だなんていわねーぞふざけんな
きっと、指輪は何かもっと大事なものの身代わりになってくれたんだよ。
例えば・・は書かない。
https://www.youtube.com/watch?v=8sb5sw6VGw0
そうだこれきっと、これからまた新しい段階が始まりますよという吉兆なんだよ。
嫁さん大事にしろよとどっかから言われてるのかもな。
帰ると、またモモがここにいるよというサインを私に送ってくれてあった。
嫁さんにも知らせようかと思ったけれど今それどころじゃなさそうなのでやめる。

もーちゃん、俺たちを見守ってください。
と、書いた翌日。
外はとてもいい天気。
もんちがいれば散歩日和だけどな。
ショッピングモールの警備室に落とし物で指輪はありませんでしたかと電話をかけるため番号を調べたけどまだ少し早いかな。
短い時間音楽でも聴くかと階段を上がりかけたところで嫁さんが急に明るい声で私を呼ぶ。
何があったかはすぐに察しがついた。
世の中、捨てたもんじゃない。
ありがとう優しい人。
ありがとう神様。
ありがとうもんち。
ネガティブに考えていると本当にそうなってしまうから絶対に考えない。
そう思ったら指輪が返ってきた。
誰かが、私にそれを教えようとしてると思った。