ガラスの衝立

気が付けばもうすぐ6歳になる私のスマホはもういろいろと疲れてきちゃって。
オンラインショップで新しいのを買おうと確定ボタンが見えるところまで行ったのだけど、仕事が早く終わるこの日一度現品見ておこうかと店に行ってみた。
そしたらえーこれ?みたいなブレーキがかかってしまい、と言ってほかにこれと魅かれるものもなく迷い始める。
悶々としながら帰宅すると嫁さんが出てきたのでどこかに行きたいか聞いたらこの老舗的喫茶店だった。
珍しく駐車場に車が一台もない代わりに自転車が数台。

あんまり重いもの食べたくないなというところにミニパフェというのがあったので頼んだところ全然ミニじゃなかった。
コーンフレークみたいなので嵩増ししてないちゃんとした昔のパフェ。
ネット上でいろんなスマホのレビューを読んでると
あ、ここにもいた。
自慢と嫌味ばっかり言って相手が困ったような顔をするのがうれしくて仕方ない人・・
そんなのどうでもいいんだけど、最近リアルな事情で嫌な人センサーの感度が普段より高めの設定になっちゃってるなこれは。
もう時間と心の無駄だからほっとけばいいだけだと自分の中で結論が出てるんだけど、心の中の各部門を全部新しく交換したわけじゃないから昔からの設定が自動で動いちゃうのね。

すぐそばのでっかいガラスケースの中では水出しコーヒー抽出中。
その向こうには先客が何人かで談笑してる。苦手というかいつもなら声が気になり落ち着かなくなりそうなところ、このガラスというか水出しコーヒーな景色が音や見えるものを遮ってくれるおかげでそうならなかった。
ガラスの中に興味を惹かれるものが入って動いているのもいいのかな。
そういえば今も不要な嫌なことをいちいち思い出してずーっと考えてしまうようなところに陥ってるはず。だけど決まらないスマホどうしようかぁが心の中で走っててくれる間はその嫌なことをふさいで見えなくしてくれてるかもしれない。
心に衝立があるといいね。
本当は物を買うとかじゃなくて、楽器やっててどうこうというようなので頭がいっぱいになるといいんだけど
そしてこれを書いてる今日は久しぶりにというか初めてかもしれない有意義な練習ができた・・
と思ってたけどやたらに鳴るリードで勘違いしただけか。
https://www.youtube.com/watch?v=IcMksxVUq_I
これのCDを買ってきてすぐ位だったんだろう、列車に乗る金もないし車なんかあるわけないから原付で旅に出たことがあった。
燃料が30kmくらいしか持たないから夜間はスタンドの開いてる道を選んで走らないと・・・
これ聴いてると特に何も意識しないのにその時に見た九州の山中の景色や空気がふっと帰ってきて私に触る。
そうやって出てきた記憶って、空気に触れない水中で何百年も保存されていた沈没船を引き上げたらあっという間に腐っちゃうように出てくるとそこで消えてしまいもう二度と思い出せなくなっちゃうのね。
あれも最近のようでもう30年くらいたってんのか。
しょっちゅう思い出し考えちゃった記憶は削ってもたたいても消えてくれない。
とはいえ、さすがに三十数年もたつと時間が大きな壁になって病的トラウマからも遠ざけてくれてるのかもなとガラスの衝立を見ながら思った。