こういうのもお告げなのかなと思ってみたり

タンノイ、管球アンプ、アナログ盤でクラシックを聴かせてくれるこのお店に行こうと言い出したのは私じゃなく嫁さんの方だった。
入ったのはちょうどバッハのBWV988が始まったところ。
東京ナンバーが一組いたけれど多分音楽に興味はなくコーヒーが終わるとすぐいなくなった。
ウインナーコーヒーはマスターがクリームをたくさん入れてるのが見えて
悪くないなと聴き入ってるのをマスターがちらっと見てるのも知ってるしこちらがそれをわかってるのもわかってるかもしれず会話はないけどもう何かが成立してると思う。
最初に短調になる変奏が終わったところで止まる。私は最初からCDだったのでアナログ盤の途中でひっくり返すというのも衝撃的だったり。
でもひっくり返さずに今度はバッハの無伴奏をかけてくれる。
https://www.youtube.com/watch?v=nA-qcCwWSJE
シェリングじゃなかったけど。
聴き入ってるとマスターがボリュームをあげてくれた。
その後バロック以前の無伴奏の声楽がかかるけれど私の範囲外でちょっと誰のとかわからない。
勝手に察するところではマスターがあえて自分の好きな曲をかけてきたなと感じる。
宗教音楽なのは間違いないし時々キリエとか言ってるのが聴こえる気もしてレクイエムとかミサ曲とかなんだろう。
初め男声合唱のみで始まるけど2曲目から女性合唱も加わり複雑なポリフォニーになっていくのを聴いていてあっと思う。
その後のオーケストラ音楽も宗教曲は1曲目ヴァイオリンが沈黙しヴィオラ以下だけで奏されることが多く、神の前でいったん頭を下げてるような印象を受ける。
ルールのようなものがあるなと思っているけれど、そのルーツはもっとこういうところまでさかのぼるのかなとか
もう帰ろうとお金を払いながら、
今のは誰の曲ですか?
に答えてくれたマスターもそこで止まらず、今度来たときに・・いや、今時間があったらこれを聴いて行ってください。

という事でフォーレのレクイエムをかけてもらう。
4曲目あたりでマスターとまた話をしだして、
話は装置の方にもおよぶ

あのアンプはある人の手によるもので、店をやってなければ絶対に知り合うこともありませんでしたというその人は予想を超えた人だった。
もっと聞いたけどやたらに書いていいのかわからない
帰ろうかなと思ってから1時間くらいいたと思う。
文句も言わずに付き合ってくれた嫁さんには感謝。
話してる感じだと多分私が一度来たことのある人間なのは覚えていてくれその前提で相手にしてくれてるのかなとも思う。
私もクラシックを聴きそのためのオーディオを・・で35年、こうという世界観がありマスターのそれとは異なる方向なのだけどそれはそれ。
人と協調する経験に欠けた私もある程度の年齢からこの場は話を感心して聴いてることにしといたほうがうまく行くなと思いそうすることはよくある。けどそうじゃなくこの人の世界を素直に聞いてみようと
帰って楽器はかなり厳しい状態。
もうすぐレッスン。
このまま最悪な展開に突入するんだろう。
もうその時はこれをこうしてと具体的な対応を頭の中で整理して心を落ち着かせる。