マーラー交響曲第6番 終楽章のに凱旋行進がある件

マーラーの交響曲第6番 第4楽章
まだ、続きます。

襲い来る運命的な困難との闘いぬいて、再現部の最後は勝利をつかみ凱旋行進をしています。
高らかに歌うホルンとチェロは第2主題ですし、歓声を上げているようなヴァイオリンの下降音型も第2主題で非常にポジティブです。
素晴らしい場面ですね!・・
・・・でもみんなが乗っかっているこの低音は実はあの運命主題なんですよね・・
ここまで来ておきながら、この後運命によって葬り去られていくわけです・・すべては運命が支配している。
初稿を見たら

歌うのはホルンとチェロでなくトロンボーンでした。
ティンパニは5度を二人で、小太鼓、シンバル、トライアングル派手になっています。
今聴いている物よりももっと軍楽調だった・・
これ、闘う男の姿だった第1楽章を強烈に思い起こさせ、統一感みたいなものもでるのかな・・
でもやめていますね。
ここだけ見ると、初稿のほうが面白い気もします。
でもここで派手な印象を聴き手に与えてしまうと、この後にくる本当の悲劇の印象が薄れてしまうのではないでしょうか?
ただ単に鳴りや部分的な効果だけを考えているのではなく、全体のドラマの流れみたいなものを考慮しつつ改訂が行われているのではないかと思います。
これでこのまま終われれば”英雄の完成”だったのにね・・
この先あんなことに・・3回目のハンマー跡地付近、もう衝撃!わー!なんてやらなくても力なく倒れていっちゃうんですね・・
このティンパニの運命のリズム主題、何度も何度も出てきますが、前打音みたいな音にいろいろ種類があります・・


テンポとか前後の状況とか、単にそう感じたから・・こうなっているんでしょうか。
これも意味があったりするのかな・・
Comment